上海インターナショナルサーキット F1&FIAのフラッグと中国国旗 F1の人気の高まりは中国の自動車メーカーをも引き寄せつつあり、なかでもBYDと吉利汽車(Geely/ジーリー)が今、F1参戦に最も高い関心を見せている。
吉利汽車は、2024年の時点で、すでにF1に目を向けていた。この年のモナコGPの週末、同社の代表団はアルピーヌF1チームの経営陣と会談し、チームの買収の可能性について協議していたのだ。当時、ルノーのCEOを務めたルカ・デ・メオはチーム売却には消極的で、新たな出資者を求めていた。そのため交渉は頓挫し、吉利汽車は他の選択肢を模索し始めた。
そして今年の中国GPに、吉利汽車のCEO桂生悦が訪れ、F1 CEOステファノ・ドメニカリをはじめとする関係者と会談を行った。これは同社のグランプリ参入への関心が再び高まっていることを示す出来事だ。
その背景には、ライバルであるBYDもまた、F1参入の糸口を積極的に探り始めていることがあると見られる。BYDの副社長である李柯は、昨年のアブダビGPに姿を見せ、今年の中国GPでも目撃されている。
F1がハイブリッド技術をより一層重視していることも、BYDと吉利汽車の参入への意欲を後押ししている。両社はいずれも電気自動車からハイブリッド車へと軸をシフトすることを検討しているといわれる。
F1への参入はブランド訴求の面で大きなメリットをもたらすだろう。ただ、現行レギュレーションに間に合う形で完全に自社製のパワーユニット(PU)を設計・開発・製造する体制を整えるというのは現実的でない。
したがって、今後3年間はエンジンサプライヤーとして参入という選択肢はなく、その代わりに取り得る道はいくつかに絞られる。
第一の選択肢は、キャデラックのように新規チームを立ち上げ、最初の3、4年間は他メーカーのパワーユニットを使用する形で参入する方法だ。
第二の選択肢は、既存チームの買収である。アルピーヌは依然として売却される可能性があり、レーシングブルズもそうかもしれない。レッドブルがレーシングブルズに対する莫大な投資を回収するため、ファエンツァ拠点のこのチームを数十億ユーロで売却することも十分あり得る。
第三の選択肢は、2018年から2023年にかけてアルファロメオがザウバーと結んだようなスポンサー契約でF1に参入することだ。その場合、BYDまたは吉利汽車はチームのネーミングライツを取得するにとどまり、純粋にマーケティング目的の提携で、技術移転は行われない。
[オートスポーツweb 2026年03月24日]