2026年NTTインディカー・シリーズ第4戦バーバー(Children's of Alabama Indy Grand Prix) アレックス・パロウ(チップ・ガナッシ・レーシング) 3月29日(日)、アラバマ州のバーバー・モータースポーツ・パークで2026年NTTインディカー・シリーズの第4戦の決勝レースが行われ、ポールポジションからスタートしたアレックス・パロウ(チップ・ガナッシ・レーシング)がポール・トゥ・ウインで今季2勝目を飾った。2位にはクリスチャン・ルンガー(アロウ・マクラーレン)、3位にはグラハム・レイホール(レイホール・レターマン・ラニガン)が入っている。
舞台となるバーバー・モータースポーツ・パークは、1周2.3マイル(約3.8km)で17のターンを持ち、最大高低差が24mにも及ぶアメリカ屈指のテクニカルなロードコースだ。ジェットコースターとも形容されるアップダウンの激しいレイアウトでの90周(約333km)のレースは、2〜3回のプットストップが要求される。
土曜日の予選では、パロウが見事なアタックでポールポジションを獲得。2番手にデイビッド・マルーカス(A.J.フォイト・エンタープライズ)、3番手にレイホールが続いた。
ドライコンディションで迎えた90周の決勝レース。グリーンフラッグが振られると、ポールスタートのパロウが好スタートを切り、危なげなくホールショットを奪う。後方でも大きな混乱はなく、クリーンな1周目を終えた。
序盤からペースの良さを見せたのが10番手スタートのルンガーだった。5周目にマーカス・エリクソン(アンドレッティ・グローバル)をオーバーテイクして7番手に浮上すると、9周目にはサンティノ・フェルッチ(A.J.フォイト・エンタープライズ)も交わして6番手へとポジションを上げる。
10周目の時点で、首位パロウと2番手マルーカスのギャップは約2秒。その背後では、ハード(ブラック)タイヤを装着したマシンが好調な走りを見せ、16周目にはレイホールがマルーカスをかわして2番手に浮上した。
最初のピット作業は13周目付近から始まり、デニス・ハウガー(アロウ・マクラーレン)やエリクソンらが続々とピットイン。上位陣の1回目のルーティンピットは19周目にマルーカスが入ったのを皮切りに、24周目にロマン・グロージャン(フンコス・ホーリンガー・レーシング)、26周目にルンガーとウィル・パワー(チーム・ペンスキー)が動く。首位のパロウは27周目に最初のピットストップを行い、ポジションをキープしたままコースへ復帰した。
レース中盤、35周目にリナス・ヴィーケイ(エド・カーペンター・レーシング)がスピンを喫するものの、自力でコースに復帰したためフルコースイエロー(FCY)は出されず、グリーン状態での戦いが続く。
40周目以降、各車が2回目のピットストップへ向かう。42周目にマルーカス、45周目にパロウ、46周目にレイホールがピットイン。ここでルンガーは50周目まで引っ張ってからピットへ向かうと、レイホールの前でコースへ復帰し、2番手へ浮上した。
ルンガーは終盤にかけてパロウとの差をじわじわと詰めていった。61周目には首位パロウとのギャップを5秒以内にまで削り取った。
勝負の行方を左右する最後のルーティンピット。66周目に首位パロウがピットインし、翌67周目には3番手のレイホールもピットへ。一方、ルンガーは69周目までステイアウトを続けた。
逆転優勝への期待が高まるなか、ルンガーがピットボックスへ滑り込む。しかし、ここで右リヤタイヤの交換に痛恨のタイムロス。ルンガーはパロウの前に出る絶好のチャンスを逃し、さらに後方から来ていたレイホールの先行も許してしまった。
ピット作業の遅れを取り戻すべく、ルンガーは猛然とプッシュを再開する。87周目、ついにレイホールを捉えてオーバーテイクを決め、ふたたび2番手へと返り咲いた。しかし、首位を快走するパロウはすでに安全圏となるリードを築いており、そのままトップチェッカーを受けた。
パロウは安定したペースとミスのないレース運びで今季2勝目をマーク。追い上げ及ばず2位に終わったルンガーは悔しさを滲ませつつも、その速さを強烈にアピールした。そして3位には、レイホールが粘り強い走りで入り、2023年以来となる久々の表彰台を獲得している。
レース後、優勝したパロウは「今週末はクルマの調子がずっと良かった。予選もレースのフィーリングも最高だったよ」と振り返った。
「戦略の面で、一度ユーズドのブラック(ハードタイヤ)を使わなければならないスティントがあって、そこは難しかったけれどなんとか守り切れた。今週末はタイヤマネジメントのレースになることは分かっていたし、両方のコンパウンドを試した結果、自分たちはブラックを優先して使っていくと決めていたのが勝因だね」
一方、ピットのミスに泣いた2位のルンガーは、「結果的には残念だったけれど、自分としてはやりきれたし、パロウに対して良いレースができた。ピットストップの部分でひょっとしたら自分にも何か(優勝できるチャンスが)あったかもしれないね」と手応えを語った。
また、3位表彰台を獲得したレイホールは「スタートで履いたプライム(ハード)は良かったけど、最後のスティントで履いたブラックはフィーリングが違って、ちょっと苦しかった。タイヤについていくのに精一杯だったよ」と安堵の表情を見せた。
2026年NTTインディカー・シリーズの次戦、第5戦は4月19日(日)にカリフォルニア州のロングビーチ市街地特設コースで開催される予定だ。
[オートスポーツweb 2026年03月30日]