
若手女優であれば誰もが憧れるNHK連続テレビ小説のヒロイン。数多いる女優の中でも、そのポジションに最も近いと思われるのが芦田愛菜(21)だ。
品行方正に成長する芦田愛菜
芦田といえば周知の通り、7歳だった2011年に『マルモのおきて』で大きな注目を浴び、一躍人気子役となった。あまりに子役でブレイクし過ぎると、大人の俳優にうまくスライドできないケースが多い中、彼女は高校時代は仕事を少しセーブしてCM中心にするなど、上手に学業と両立。2023年に大学生になってからは、数は多くないながらも厳選した作品に出演している印象だ。
彼女自身も芸能界ズレすることなく品行方正に成長。近年は『サンドウィッチマン&芦田愛菜の博士ちゃん』などで見せる現役慶大生ならではのクレバーさも目立ち、中でも2025年に世界遺産のサグラダ・ファミリアを訪ねた時の解説や解釈は世界遺産マニアに匹敵するほどで、建築家の外尾悦郎氏に的確にインタビューしていたのも見事だった。
ノースキャンダルの清潔感は多くのCMに起用される原因にもなっているし、かといってお高くとまることがない親しみやすさもNHK向きといえよう。
特集ドラマ『片想い』に主演の芦田愛菜
そんな芦田が3/26木、27金と二夜連続主演したのが、特集ドラマ『片想い』だ。NHKは朝ドラのヒロインに起用する前に、単発ドラマなどでお試し起用をするケースが多い。
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実は彼女は、大河ドラマ『江』や『麒麟がくる』などはあるものの、NHKへの出演はあまり多くない(朝ドラに関しては出演する以前に『まんぷく』でナレーションを担当するという顔出し無しの異例の起用をされている)。その目立った起用の無さが、かえって鮮度を保つための、朝ドラへの布石なのかと筆者などは勘ぐっていたほどだ。
それが今回、単発の『片想い』に主演した。しかも役柄は、盛岡の豆腐店で豆腐作りという仕事に前向きに取り組みながら、隣の家のお兄さん(岡山天音)に胸を焦がす若き女性で、豆腐店の大黒柱であるおばあちゃん(白石加代子)に豆腐作りを学ぶ姿など、そのまま朝ドラのヒロインになれそうだった。
しかも特筆すべきは、脚本家が岡田惠和だったことだ。岡田はこれまで『ちゅらさん』『おひさま』『ひよっこ』と3作の朝ドラを手がけており、朝ドラとの相性は抜群。さらに菅野美穂や、有村架純ら同じ女優に伴走する傾向があり、岡田×芦田のタッグで朝ドラを期待させられてしまう。
もう1点、芦田は2025年に24時間テレビドラマスペシャル『トットの欠落青春記』(日本テレビ系)で黒柳徹子の若き日を演じているのも見逃せない。
黒柳自身が草創期のNHKで活躍した女優であり、その人生はいつか朝ドラの題材になるだろうと予想される。映画『トットチャンネル』で黒柳を演じた斉藤由貴も朝ドラ『はね駒』でヒロインを務めているなど、朝ドラとの親和性は高く、朝ドラヒロインへの適性を十分に発揮していた。
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10代の頃から朝ドラのヒロイン候補でありながらも、いかんせん年齢が若かった芦田も、今年22歳になる。いよいよ朝ドラ適齢期を迎えており、実現する日も近いかもしれない。
古沢保。フリーライター、コラムニスト。'71年東京生まれ。「3年B組金八先生卒業アルバム」「オフィシャルガイドブック相棒」「ヤンキー母校に帰るノベライズ」「IQサプリシリーズ」など、テレビ関連書籍を多数手がけ、雑誌などにテレビコラムを執筆。テレビ番組制作にも携わる。好きな番組は地味にヒットする堅実派。街歩き関連の執筆も多く、著書に「風景印ミュージアム」など。歴史散歩の会も主宰している。
