見上愛に宿る演出家の目 朝ドラの原点は大学まで学んだ裏方イズム

1

2026年04月12日 08:00  日刊スポーツ

  • 限定公開( 1 )

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

日刊スポーツ

洗練されたルックスが魅力的な見上愛(撮影・中島郁夫)

“令和のナイチンゲール”として、お茶の間に降り立つ。女優見上愛(25)が3月末から放送を開始したNHK26年度前期連続テレビ小説「風、薫る」で主人公の1人、一ノ瀬りんを熱演している。明治期に看護師のパイオニア的存在として活躍した2人の女性の半生を描くドラマで、上坂樹里(20)とのバディで物語を支える。大役に込めた思いや、将来的な演出家挑戦の可能性など、今の心境を聞いた。【松尾幸之介】


★吉高由里子から刺激


連続テレビ小説を主人公2人体制で届けるのは三倉茉奈、三倉佳奈の“マナカナ姉妹”出演の08年度後期「だんだん」以来35作ぶり。放送開始から2週間がたち「いよいよ始まったんだなと。家族や友達、いろんな方が感想を言ってくれます」と笑顔。4月上旬には第1週のシーンなどを撮影した栃木県内でパブリックビューイングイベントなどにも出席。「撮影時期に行ったお店の人とも再会して『始まったね』と声をかけてもらって。見ているみなさんの目の輝きを見てホッとしましたし、これからも気を抜かずに撮影に臨んでいきたいです」と力を込めた。


24年5月公開の「不死身ラヴァーズ」で映画単独初主演、同8月に配信開始されたNetflix「恋愛バトルロワイヤル」でドラマ単独初主演を務めるなど近年の活躍は勢いを増しており、同じく24年放送のNHK大河ドラマ初出演となった「光る君へ」での藤原道長の娘、彰子役の好演が評価され、オファーを受ける形で今作の主演をつかんだ。「自分が出させていただいた作品からご縁がつながったことが素直にうれしいですし、ありがたいことだなと感じています」。


「光る君へ」の主演、吉高由里子からは大きな刺激を受けていたという。「現場で周りをよく見ていて、かっこいい先輩でした。みなさんにまんべんなくお話しして巻き込んでくださり、私もその中に入ってお話しさせていただいていました。見習って自分も人間力を上げていくぞと思っていました」。大役決定を知った吉高からは「『あなたは絶対、大丈夫だから』とご連絡いただき、その言葉を大事に、信じて頑張ろうと思えました」と明かした。


★「運命の巡り合わせ」


もともとは舞台演出家を目指していた。中学時代に舞台にハマり、周囲の「演出家が向いているんじゃない?」という声も後押しして大学でも演劇の演出を学んだ。現在も所属するワタナベエンターテインメントの養成所に入ったのも、そもそもは演者側の気持ちを理解し、演出業に役立てるため。「いろんな運命の巡り合わせで気がついたら俳優と呼ばれていました」と笑い、「俳優業もすごく面白くて、結局は同じ物作りに関わっているお仕事です。楽しさややりがいを感じながらやれていますね」。


今作の撮影中でもスタッフに「視点が演出部と話しているみたいだ」と指摘されることもあるという。演出家としての参画の可能性を聞くと「じゃあ、1シーンやりますか! いやいや怒られますよ。たくさんの素晴らしい方たちが構えているのに」と笑わせ「私は舞台演出しか学んでいないので、映像演出は全然勉強不足です。でも学びたい欲はあって、今回の撮影でもいろんな部署の人の仕事を知りたいなと感じたので、この撮影が落ち着いたら勉強しようかなと思っています。たくさん勉強して、いつか撮らせていただけるように頑張ります!」と掲げた。


「おうちより現場にいる時間の方が長い」という撮影はまだまだ続いており「私はすぐ寝られるタイプなので休み時間にすぐ仮眠をとることで元気になっています」。休日は自宅でアニメ観賞をしたり、友人を招いての料理などで息抜きをしているといい「中高の同級生が来て、みんなでタコスパーティーをしたりしてリフレッシュしています。全然違うお仕事をしている人たちなので話を聞くだけでも楽しいです」。


「俳優 見上愛」としてのひとつの集大成となる作品だ。演じるりんは「真っすぐで優しくて、うかつなところもある愛らしい女性です。強さ弱さのバランスも丁寧に演じていきたい」と意気込み「毎日の朝の過ごし方ってすごく大事だと思っていて、その中でみなさんが(放送時間の)15分間をくれるのであれば、元気づけるだけではなくて、言葉や表情など、何か少しでも心に残せたらいいなと思っています」と見据えた。


▼「風、薫る」でもう1人の主人公を演じる上坂樹里


見上さんは太陽みたいな存在で明るく引っ張ってくださっています。隣にいてくれるだけで本当に心強く、私はこの環境が本当にありがたいなと思っています。最近はおちゃめな部分も見ることができていますね。次もう1回撮ったらお昼休憩というタイミングで『次、ご飯だ!』と1人で言っていたり、前室でも一緒にお菓子を食べたり、毛布にくるまって眠そうにしている姿だったり、一緒に過ごしている中でいろんな一面を見ることができて私はうれしいです。


▼「風、薫る」


主人公は一ノ瀬りんと大家直美の2人の女性。明治期に当時まだ知られていなかった看護の世界に飛び込み、時に強き者と戦いながら幸せを求めて生きる少し型破りなナースの冒険物語。原案は田中ひかる氏の著書「明治のナイチンゲール 大関和物語」。モチーフの大関和さんと鈴木雅さんは1886年に桜井女学校の看護婦養成所に第1期生として入学。卒業後は帝国大学医科大学第一医院でトレインドナース(正規に訓練された看護師)となった。鈴木さん設立の日本初となる個人経営の派出看護婦会で共に働き、防疫活動でも成果を残すなどその職業の確立に大きく貢献した。


◆見上愛(みかみ・あい)


2000年(平12)10月26日、東京都生まれ。19年デビュー。20年TBS系ドラマ「恋はつづくよどこまでも」で初レギュラー出演。同年「星の子」で映画初出演。24年「光る君へ」でNHK大河ドラマ初出演。このほか25年映画「国宝」、26年1月公開劇場アニメ「ALL YOU NEED IS KILL」で声優初挑戦で主演。今年も映画「正直不動産」が5月15日に公開。Netflix「喧嘩独学」が6月11日に配信開始。163センチ。

    ランキングエンタメ

    前日のランキングへ

    ニュース設定