第3戦セパンの開催について説明するGTアソシエイションの坂東正明代表 2026スーパーGT第1戦岡山 4月12日、スーパーGT第1戦『OKAYAMA GT 300km RACE』が開催されている岡山県の岡山国際サーキットで、スーパーGTをプロモートするGTアソシエイションが定例記者会見を行い、4月8日に発表された6月20〜21日の第3戦マレーシアの延期について、GTアソシエイションの坂東正明代表から説明があった。
スーパーGT唯一の海外シリーズ戦である第3戦マレーシアは、2025年からカレンダーに復帰。昨年は7万5977人ものファンが訪れるなど盛況となったが、復帰2年目の2026年は6月20〜21日に開催が予定されていたものの、『中東情勢の悪化や不確実な状況を含め、現在の世界情勢を総合的に評価した結果』を理由として、4月8日に延期が発表されていた。形としては、2025〜2027年の3年契約であるマレーシアでの開催を2028年に延期するかたちがとられた。
この延期についてGTアソシエイションの坂東正明代表は、スーパーGT第1戦岡山の定例記者会見に先立ち説明を行った。「今季、中東情勢に端を発しているが、各国で規制などが敷かれる状況になっているが、第3戦マレーシアについては、あくまで現地のプロモーターと話をした“自主規制”であり、マレーシア政府からの要請ではない」と坂東代表は語った。
今回の決定に先立ち坂東代表はマレーシアに渡り、現地プロモーターであるハロ・スポーツ&エンターテインメントとともにマレーシア国内の状況を視察してきたというが、現在、マレーシア国内では政府が燃料の使用規制を行ったり、法律として規制を行っているわけではなく「したほうがいい」自主規制が行われているという。
坂東代表はマレーシアの隣国であるタイの例を挙げ、「タイでは一度の給油が上限20リッターになっている。マレーシアでも、補助対象上限が200リッターと決まっているらしい。そういった状況を踏まえ現在の費用高騰を考えている」と東南アジアの状況を語った。
マレーシア戦の開催では、日本国内からスーパーGTマシン、機材等を船で輸送しなければならない。また日本からGTアソシエイションのスタッフ、チームスタッフ、さらにメディアなど約700名が渡航する必要がある。
「昨年はコンテナを53本運んだが、何週間で運べるか。6週間なのか8週間なのか見えなくなってきているし、運ぶコストの問題も出ている。またスタッフの渡航でも燃油サーチャージや、ホテルなどの費用もある」と坂東代表は説明する。
マレーシア国内での情勢、さらに輸送におけるリスクや高騰する費用面など「見直しをせざるを得なかった。自主規制が必要になる状況で、マレーシアで大きなイベントをやることが『どうなのか』ということをハロ・スポーツとともに考えることになった」と坂東代表は説明した。
「今の状況で開催するのはどうなのかと考え、マレーシアの自動車連盟などとも話をしたり、スポンサーのトヨタ・マレーシアや観光省とともに話をして、延期という判断を下した」
一方日本国内での代替開催については、坂東代表は趣味でもある釣りを例に出して説明した。現在、漁港によっては軽油の使用量の制限が自主的にかかっているという。現在日本国内で法令等で燃料についての制限はないが、その状況で代替開催を日本で行うことについて、「日本のモータースポーツ業界が何を考えているのかと捉えられても困る」と坂東代表は語った。
今般の世界情勢のなかで、坂東代表は「我々として、7戦をきちんとやり切るための方法論」として、これ以上距離を伸ばしたりコストをかけたりすることなく、全7戦を「粛々と国内のルールに従い乗り切ろうと考えている。日本のモータースポーツの中で、他のプロモーターや日本自動車会議所、タイトルスポンサーの皆さんとも話をして、『この形でやります』と我々の意向を伝えた」と賛同を得られた末に決定したと語った。
日本国内でも少しずつ影響が出はじめている中東情勢だが、7戦をしっかりと開催し、この危機を乗り切ることがスーパーGTとしての目指すところということだろう。
[オートスポーツweb 2026年04月12日]