100均のコップで飼っているクラゲ /くらげノ脊髄(@Spinal_Jelly)さん提供 水が入ったコップの中を、ふわふわと漂うのは…まさかのクラゲ。「100均のコップで飼ってるクラゲ」という投稿とともに公開された動画が、Xで話題に。「クラゲって飼えるんだ」「コップで飼育!?」といった驚きの声も相次いでいる。投稿したのは、高校生の頃から本格的にクラゲを飼育し、その奥深い美しさに魅了されてきたという、くらげノ脊髄さん(@Spinal_Jelly)。コップでクラゲを飼うというユニークなスタイルは、どのように生まれたのか。その背景について話を聞いた。
【激似】タッパーの中をプカプカ泳ぐ、”ポン・デ・リング”なクラゲ■「クラゲの飼育は植物の栽培に似ている」 “小さく育てる”という楽しみ
――100均のコップでクラゲを飼育しているという投稿が話題になっていますが、反響を受けてどのような印象ですか?
「“100均のコップ”でクラゲを飼うという点が、多くの方に刺さったのだと思います。反応を見ていると、『コップで飼えるなら自分も飼ってみたい』と感じた方は多い印象でした。実際、知り合いのアクアリウムショップでは、この投稿が伸びて以降、『ガラス瓶で飼えるクラゲの在庫はないか』といった問い合わせが増えているようです。これまでハードルが高いと思われがちだったクラゲ飼育のイメージを、少し身近にできたのではないかと感じています」
――普通のコップでクラゲを飼育しようと思ったのはなぜですか? そのアイデアが思いついた経緯やエピソードがあれば教えてください。
「学生時代、タッパーでクラゲを飼育し、1年半ほど維持できた経験があります。その時の手応えがあったので、改めて同じような方法を試してみたいと思ったのがきっかけです。
また、クラゲの飼育はどこか植物栽培に似ていると感じていて、ミニ盆栽のような感覚で小さく抑えて育てることができれば、負担も少なく維持もしやすいと考えました。そうしたスタイルであれば、より多くの方におすすめできるのではないかと思いました」
――実際にコップでクラゲを飼育してみて、「こんなことができるんだ!」と感じた点や面白かったことはありますか?
「今回コップで飼育しているオキクラゲが最終的にどうなるかはまだ分かりませんが、飼育方法によってはクラゲのサイズを小さく抑えることができ、その結果として寿命が延びる傾向があると感じています。一般的には『大きく育てる』ことに目が向きがちですが、小さく育てることで長く楽しめるという点は、とても面白い発見でした」
――逆に、飼育する上で苦労したことや改善したい点はありますか? その際に工夫した方法があればぜひ教えてください。
「水量が少ない分、水温の変化を受けやすい点です。特に夏場や冬場は外気温の影響を受けやすいため、冬場はパネルヒーターを下に敷いたり、夏場は冷房の効いた部屋に移動させたりして対応しています。
また、“コップ”という容器自体が小さいため、環境ごと移動させやすいのは利点でもあり、現在はそうした方法で調整しています。このあたりは今後さらに改善していきたいと考えています」
■“若返り“を見せることも!? 奥が深すぎるクラゲの生態に夢中
――クラゲを飼育し始めてどのくらいになりますか? また、そもそもクラゲを飼ってみようと思ったきっかけなどがあれば教えて下さい。
「小学5年生の頃からクラゲに触れる機会があり、本格的に飼育を始めたのは高校生の頃なので、およそ12年ほどになります。家の近くに海があり、春になると現れる1cmにも満たない小さなクラゲやプランクトンに強く惹かれたのがきっかけです。当時から瓶に入れて観察したりしており、そうした経験が現在の活動の原点になっていると思います」
――さまざまな種類のクラゲを紹介されていますが、クラゲの魅力はどんなところにあると思いますか?見ているときの気持ちや、癒された瞬間などもあれば教えてください。
「クラゲと呼ばれる生き物は、分類上は大きな枠組みをまたいで存在しており、一般的には“透明で浮遊生活をする刺胞動物”として認識されています。そのため、種類ごとに姿や性質が大きく異なり、バリエーションの豊かさに魅力を感じています。そして何より、とても美しい存在だと思います。
仕事で疲れて帰宅したときにクラゲを眺めていると、自然と気持ちが落ち着き、ほっとする瞬間があります」
――飼育している中で特に印象に残っている発見や出来事、思わず「すごい!」と思った瞬間はありますか?
「特に印象に残っているのは、”若返り”のような現象をこの目で見たときです。クラゲの多くは、ポリプと呼ばれる固着して生活する世代と、一般的にイメージされるクラゲの姿である有性生殖世代という、異なるライフステージを持っています。
そしてこの有性生殖世代のクラゲが、強いストレスを受けると、ポリプの状態に戻ることがあるのです。その現象の存在は広く知られてはいたのですが、実際に自分の管理下でその過程を観察できたときは、『こんなことが起こるのか』と驚きました」