LMP2で6度のタイトル獲得を誇るアルガルベ・プロ・レーシング。アジアン・ル・マンのハイパーカークラス参戦を検討中だ アルガルベ・プロ・レーシング(APR)のチーム代表であるスチュワート・コックスによると、同チームはAsLMSアジアン・ル・マン・シリーズに新設される予定のハイパーカークラスへの参戦に向けて計画を進めているという。
また同氏は、『ポルシェ963』を2台投入する可能性もあることから、FIA国際自動車連盟のドライバーレーティングにおけるブロンズライセンスを保持している複数のドライバーと協議中であることをSportscar365に明かした。
■アジアだけでなく北米進出も視野に
LMP2クラスで史上最多となる6度のタイトルを獲得しAsLMS史上もっとも成功を収めているAPRは、今冬からカスタマー向けのLMH(ル・マン・ハイパーカー)およびLMDhベースのマシンによるハイパーカークラスが導入される同シリーズに関し、ポルシェとの協議を公に認めた最初のチームとなった。
ポルシェLMDhファクトリーディレクターであるウルス・クラトルは先月、Sportscar365に対し初シーズンにはアジアのグリッドに2台から4台のカスタマー963が参戦する可能性があるとしていた。また、他にもELMSヨーロピアン・ル・マン・シリーズのLMP2に参戦しているチームのうち少なくとも1チームは同様のプログラムに取り組んでいるとみられている。
中東情勢に不透明感があるなか、2026-2027年シーズンのAsLMSカレンダーはまだ確定していないが、APRを率いるコックスはハイパーカーの選択肢を検討しつつ、LMP2部門の計画を推進していると語った。
「我々は積極的に関係者と話し合っている」とコックスはSportscar365に語った。
「APRのLMP2マシン2台については、すでに口頭での合意を得ている」
「今年はヴィラージュのエンジニアリング支援を行っており、彼らもLMP2カーを走らせる予定になっている。すでに1台は完成しているようで、それは良いことだと言える」
ハイパーカークラスへの初参戦の見通しについて問われると、コックスはAPRが現在のLMP2チームを犠牲にすることなく、チャンピオンシップを争えるレベルのクルーを構築できなければ参戦しないことを強調した。
「結局のところ、”有能な”チームを率いて参入し、極めて高いレベルで戦わなければならない。それを実現させるだけの資金がなければ参入はできないね。適切なスタッフが必要だ」
「現時点での最大の問題は、このプログラムを立ち上げて運営し、長年この世界にいる強豪チームと戦うために必要な、膨大な労力と犠牲を払う覚悟のある人材を確保することだ」
「AFコルセにはすべてが揃っている。フェラーリという名声があり、ブロンズクラスのドライバーなら誰もがフェラーリをドライブしたいと思うだろう。それは当然のことだ。彼らには幸運を祈る」
「参入して、少なくとも彼らと対等に戦いたいなら、万全の準備を整えておく必要がある。ただ無能な連中を乗せて、単なる”数字”として『ハイパーカーを走らせたぞ』なんて言い回るのはごめんだね」
「あそこに行って勝ちたいんだよ」
APRによるAsLMS参戦計画は、2027年には同車両を用いたIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権のGTPプログラムへと拡大する可能性があると考えられている。
Sportscar365の取材によると、現在予定されているカレンダーは中東情勢の不安定さにより依然として流動的ではあるものの、IMSAのロア・ビフォア・ザ・ロレックス24の前には終了する予定となっており、IMSAのシーズン開幕戦であるデイトナ24時間に出場するには充分な時間を確保できることが見込まれている。
「我々はどこまで進めるか、そして実現可能かどうかを確かめるために、本当に懸命な努力をしている」とコックスは付け加える。
「最終的には非常に重要な人材を採用する必要があるし、単にアジアだけを狙うつもりはない。それに、そのマシンを手に入れて、それから1年の4分の3もの間、放置しておくだけでは意味がない」
「最終的には1台か2台でどこまで戦えるか、つまりアジアでの展開を視野に入れつつ、その後、別の展開も模索していくことになるだろう」
アジア以外でポルシェ963が現在参戦資格を持つ唯一のシリーズであるウェザーテック・スポーツカー選手権について直接尋ねられたコックスは「それも検討している」とした。
コックスはハイパーカープログラムの実施を承認するかどうかの決定期限を6月中旬に設定している。
「我々は積極的に取り組んでいる。たとえ資金をすべて調達できたとしても、関係する全員と話し合い、どの程度実現可能なのか、現地に行って充分に戦えるかを確認する必要がある」
「我々には大金持ちのパトロンがいるわけではない。収支を成り立たせなければならないが、それは容易なことではない」
なお、ACOのピエール・フィヨン会長は以前Sportscar365に対し、最初のシーズンには4台から6台のハイパーカーが参戦することを予想していると語っていた。
[オートスポーツweb 2026年04月16日]