参戦最終年も“出し惜しみなし”で攻めるアルピーヌ。アップデートの効果は「首で感じる」/WECイモラ

1

2026年04月19日 11:30  AUTOSPORT web

  • 限定公開( 1 )

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

AUTOSPORT web

WECハイパーカー参戦最終年を迎えたアルピーヌA424。空力アップデートが投入されている
 アルピーヌのハイパーカードライバーたちは、WEC世界耐久選手権における最後のシーズンに向けて準備を進めるフランスのメーカーに、これまで以上に「エネルギー」が満ち溢れていると感じていると語った。


■予想していなかったチームの“いい雰囲気”

 2月、アルピーヌは2026年のWECシーズンをもって、現行のA424での参戦を終了すると発表した。これにより、オレカをベースとしたLMDhマシンによる同プログラムは、わずか3シーズンで幕を閉じることになった。

 この発表は、A424の競争力向上を目的とした新たなエアロパッケージの導入、そしてポール・ループ・シャタンとミック・シューマッハーに代わるアントニオ・フェリックス・ダ・コスタとビクトール・マルタンスの2名の新ドライバーの獲得という発表と同時に行われた。

 今週末に開催されるイモラ6時間レースを前に、フェルディナンド・ハプスブルクは、撤退発表後のチーム内の雰囲気は、予想していたものとはまったく異なっていると述べた。

「発表後、初めてワークショップに行った時の経験は本当に素晴らしかった」とハプスブルクは語った。

「ワークショップ、シミュレーター、テストに行った時、予想とはまったく違っていて、本当に感動した。彼らはレベルアップしていたんだ」

「僕らが望んでいたアップデートはすべて提供され、何も出し惜しみはなかった。全力で攻めている。チームからエネルギーをもらって、今年は例年以上にモチベーションが高まっている」

 FIA F2からアルピーヌに加入しWEC初参戦となるマルタンスは、シングルシーターレースの経験から、将来への不安は自分にとって目新しいことではないと語った。

「モチベーションを維持することが重要だと思う」とマルタンスは述べた。

「シングルシーターレースでは毎年、翌年がどうなるか分からない状況だった。だから、プレッシャーやモチベーションの面では、何も変わらないよ」

「まずはシーズン開幕に向けて準備を進め、様子を見ていきたいと思う。チームの皆と一緒にレースを楽しみ、結果を出せるよう頑張りたい。その後のことは、その時になって考えるよ」

 アルピーヌのハイパーカープログラムを統括するヴィリー・シャティヨン拠点のアルピーヌ・テックの副社長、アクセル・プラスも、WECからの引退シーズンを前にしたチームのポジティブな姿勢について言及している。

「チームにはエネルギーが満ち溢れていて、皆が本当に結果を出すことに意欲的だ」とプラスは語った。

「それは目に見えるだけでなく、肌で感じられるほどだ。今回のWEC撤退の発表は、チームの決意とパフォーマンスへの強い意志をさらに強固なものにしたと思う。チームの中で、まさにそれを感じている」


■空力アップデート導入で“オールラウンダー”に?

 アルピーヌが2026年モデル向けに新たに導入したエアロアップデートは、A424のダウンフォース向上を目的としている。

 2024年にデビューしたこのマシンは、当初の低ドラッグ設計思想が、特にル・マン24時間レースにおいて全車の直線スピードを均一化するための速度帯別の2段階式性能調整(BoP)導入により時代遅れとなったためだ。

 ハプスブルクは、スペインのモーターランド・アラゴンで行われた冬季テストで、アップデート後のマシンのコーナリングスピードの向上をすぐに体感できたと述べている。

「ダウンフォースが増えた分、その違いはすぐに首のあたりで感じられた」とハプスブルク。

「首のあたりに少しでも違いを感じるということは、エンジニアたちが素晴らしい仕事をした証拠だ」

「初めてこのパッケージを試したのはアラゴンだったがが、良い意味で驚いた。ストレートに入る前に高速の左コーナーがあり、そこでは物理法則を最も強く感じる。以前はそこを抜けるのにどれだけリフトアップ(アクセルを戻す行為)が必要だったか覚えている。しかし、今ははるかに速く、スムーズに走れるようになったんだ」

「まだ試行錯誤の段階だ。イモラは完璧なコースではない。なぜなら、マシンをかなりソフトなセッティングで走らせ、あまり積極的に攻めないからだ。だけど、(次戦の)スパ・フランコルシャンは、昨年スパで強かったキャデラックやフェラーリといったライバルたちと比べて、僕らが本当に優れたエアロパッケージを実現できたかどうかを見極める最初の機会になるだろうね」

 フレデリック・マコウィッキは、2026年仕様のA424でダウンフォースが増加することで、WECカレンダーを構成する8つのサーキット全体で、マシンがよりバランスの取れた性能を発揮するはずだと付け加えた。

「確かに、昨年のダウンフォース不足では、少し苦戦を強いられた。フルウェットコンディションでは明らかに劣っていたね。そしてル・マンでは、『デュアルバンド』(2段階の性能調整)によって状況が一変した」

「このパッケージによってダウンフォースは向上したが、同時にマシンのバランスも再調整する必要があった。というのも、フロントとリヤのバランスを取るのに苦労していたからね。ほとんどの場合、何かを妥協しなければならず、常にオーバーステアやアンダーステアと格闘していた」

「今週末は理想的な状態に仕上がっているが、残りのWECレースとル・マンに向けて最適化していく必要がある」

[オートスポーツweb 2026年04月19日]

    ランキングスポーツ

    前日のランキングへ

    ニュース設定