史上初の予選ヒートで新型メルセデスが歴史的勝利。決勝レース1も新型アウディが制覇/BTCC開幕戦

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2026年04月21日 07:10  AUTOSPORT web

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ダニエル・ロウボトム(カタクリーン・プラト・レーシング/メルセデスAMG A35サルーン)が、ジェイソン・プラト代表の新チームにBTCCデビューウインをもたらすことに
 新規導入の予選レースが初めて実施されたBTCCイギリス・ツーリングカー選手権の2026年開幕戦ドニントンパークは、王者トム・イングラム(チーム・ヴァーチュ/ヒョンデi30ファストバックNパフォーマンス)がフライングスタートでタイムペナルティを受けたため2位に降格。その結果、ジョシュ・クック(スピードワークス・カローラ・レーシング/トヨタ・カローラGRスポーツ)の猛烈なプレッシャーをしのぎ切ったダニエル・ロウボトム(カタクリーン・プラト・レーシング/メルセデスAMG A35サルーン)が、ジェイソン・プラト代表の新チームにBTCCデビューウインをもたらすことに。

 同じく、今季投入となるパワー・マックス・レーシング(PMR)の新型『アウディS3サルーン』も、決勝オープニングヒートのレース1でポール・トゥ・ウィンを飾ったイングラムがブースト超過の違反で失格となったことで、マイキー・ドーブル(LKQユーロ・カーパーツ・ウィズ・パワー・マックス・レーシング/アウディS3サルーン)が繰り上げの総合優勝を手にしている。

 新生プラト・レーシングと新型『メルセデスAMG A35サルーン』にとって、記念すべきデビュー戦となったこの4月18〜19日の週末。昨季より大幅に短縮されたFPこそ王者イングラムのヒョンデが最速発進を決め、続く予選ではイングラムの隣にシリーズ4冠のアシュリー・サットン(NAPA Racing UK/フォード・フォーカス・チタニウム)が並ぶなど、早くもチャンピオン対決の構図が整ったが、その背後には新型モデルのステアリングを握ったロウボトムが、虎視眈々と2列目を確保するスピードを披露した。

 シリーズ史上初の予選レースは、スタートからチャンピオン同士が激しい意地のぶつかり合いを見せ、オープニングラップを通して何度も仕掛け合うと、2周目のレッドゲートへの直線で勝負は決着。サットンの僚友ダン・カミッシュ(NAPAレーシングUK/フォード・フォーカス・チタニウム)を含む3台が並んでコーナーに進入しようとした際、チャンピオン同士のヒョンデとフォードが接触。サットンの新型セダン版フォーカスはコースを横切るように滑走し、チームメイトの進路を妨害して事実上のレースはここで終了となる。

 ここからロウボトムの追撃をしのいでペースを上げたイングラムだったが、現役チャンピオンもまさかのフライングスタート裁定を受け5秒のタイムペナルティを科せられる。これにより終盤までクックのカローラを封じ続けたメルセデスAMG A35が、シリーズ最新のチームにとって忘れられない一日を締め括る勝利を手にした。

「ちょっとした歴史を作ったよ」と“悪童”プラト監督の祝福を受け、笑顔を見せたロウボトム。「カタクリーン・プラト・レーシングのマシンが、明日の(レース1)ポールポジションを獲得したなんて、最高の気分だ。まだまだやるべきことはたくさんあるが、現時点でのベストを尽くした」

「正直に言うとイングラムほどのペースはなかったが、彼には5秒のペナルティが科せられていたから、僕はその差をうまくコントロールするだけだった。長い冬だったが、カタクリーン・プラト・レーシングにとってこれは信じられない瞬間だ……明日も、この勢いを維持していきたいね」

 一方、史上初の予選レースウイナーの称号をわずか0.024秒差で逃したイングラムは、悔しさを見せつつ「2位を確保できたことに安堵した」と今季最初の攻防を振り返った。

「非常に厳しいレースだったが、なんとか2位を確保できた。スタート時のミスが原因で、混み合ったグリッドでテープの位置を決めるのはいつも難しいし、最終的にはうまくいかなかった。自分が何をすべき(後続を5秒以上引き離す)かは早い段階で分かっていたし、あと一歩のところまでいった。マシンの調子は最高で、明日に向けて良いスタートを切れたと思うよ」

 そのチャンピオンの予告は現実と表裏一体の結末を見せ、明けた日曜レース1ではポールシッターのロウボトムがオープニングラップで4番手に後退し、その後もトラックリミット違反を繰り返したため10秒のタイムペナルティを受けて大幅にポジションダウン。イングラムはコース上で余裕の走りを披露し、圧倒的な勝利を飾った。

 しかし王者のヒョンデは過給圧が規定値以上に達していた事実が発見され、この技術的な問題でまさかの失格処分に。これにより6周目の最終シケイン手前でタイヤがパンクし、バリアに激突したクックのカローラに代わり、新型モデル同士のバトルを繰り広げたロウボトムとPMRのドーブルが事実上の優勝争いを展開。ここでオーバーテイクを決めたアウディS3サルーンが、インディペンデント部門と総合でのダブル優勝を飾ってみせた。

 これで2戦連続の新型モデル“デビューウイン”となった週末は、予選レースでリタイアを喫し、レース1を最後尾から発進していた『もうひとりのチャンピオン』ことサットンが無双する展開となり、いつものように驚異的な走りを見せた116号車の新型フォード・フォーカス・チタニウムは、グリッド最後尾からのレース1を一気に駆け上がって2位フィニッシュを決める。

 これが「ほぼ完璧な一日」の呼び水となり、レース2でフロントロウ発進から今季初優勝を飾ると、最終ヒートでもライバルを寄せ付けずに圧勝。連勝を飾って、シリーズ前人未到5度目の王座に向けチャンピオンシップの首位に躍り出た。

「たった24時間でこんなにも状況が変わるなんて」と、自身でも驚きを隠せないと明かしたサットン。「予選レースでグラベルトラップに突っ込んでいったときは、2位からの2勝なんて夢のまた夢だったよ。NAPAレーシングUKのチーム全員が素晴らしいマシンを用意してくれた」

「前夜に大きな変更は加えなかったけど、今朝スタートした瞬間からマシンは活き活きとしていた。素晴らしい週末だったけど、レース1で最後尾スタートだったことを考えると、なおさら特別なものになった」

「貴重なポイントを獲得できたが、新しい予選レースが導入されたことで、今後ポイントは変動していくことは承知している。良いスタートは切れたから、ブランズハッチでもさらに良い結果を出したいね」

 その言葉どおり、続く2026年のBTCC第2戦はブランズハッチのショート版“インディ”レイアウトにて5月9〜10日の週末に争われる。

[オートスポーツweb 2026年04月21日]

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