スペイン自動車連盟とRMCモータースポーツが2027年型ラリー1マシンを共同開発へ FIAは4月23日、スペイン自動車連盟(RFEDA)とRMCモータースポーツが手を組み、2027年から始まる次世代レギュレーションに対応した新型ラリー1マシンを開発し、WRCの最高峰カテゴリーへの参入を目指すプロジェクトを正式に発表した。ラリー・イスラス・カナリアスの会場で明らかにされたこの計画は、スペイン勢として初のラリー1プログラムとなり、WRC27の新規則が生み出した新たな参入事例として位置づけられる。
WRCは2027年から大幅な技術規定改定を迎える。車体はチューブラー・セーフティセルを基礎に、ダブルウィッシュボーン式サスペンション、四輪駆動、そして持続可能燃料を使用する1.6リッターターボエンジンを搭載することが義務付けられ、メーカー系ワークスだけでなく、独立系コンストラクターやチューナーにも参入の門戸を開くことが最大の狙いだ。
ボディワークについては、規定の基準容積に収まるスケールであれば比較的自由なデザインが使用可能。さらにパワートレインについても、将来的にはエンジンやハイブリッド、完全電動など多様な形式が許可される見込みで、現在よりもより多くの自動車メーカーやコンストラクターにも参戦の枠組みを広げていく方針が導入される形だ。車両価格の上限を34万5000ユーロに設定したコストコントロール型の新プラットフォームとしての狙いも兼ねている。
今回のRFEDAとRMCモータースポーツの取り組みは、昨年12月にベルギーを拠点とするプロジェクト・ラリー・ワンが参戦計画を発表したのに続き、WRC27規定下で参戦を表明した2番目の新規コンストラクターとなる。約10年にわたり国内外の選手権で活躍してきたグループN5マシンの開発経験を持つRMCは、今回のプログラムで車両の設計、製造、開発を主導する。
さらに、このプロジェクトが特筆されるのは、FIA加盟クラブであるRFEDAがコンストラクター参戦を積極的に支援する初のケースである点だ。FIAスポーツ担当副会長のマルコム・ウィルソン氏は「RFEDAとRMCモータースポーツが主導するこのプロジェクトは、FIA世界ラリー選手権の将来にとって明るい兆しとなる」と述べ、「FIA加盟クラブの支援を受けていることは選手権史上初であり、WRCの方向性に対する各連盟の信頼の明確な表れだ」と評価した。
RFEDA会長でありFIA副会長(欧州担当)のマヌエル・アビニョ氏も、「RMCのようなチューナーがラリー1車両を製造できる機会を逃すわけにはいかなかった」と語り、スペインのモータースポーツ産業強化と若手育成の両面で重要なプロジェクトであると強調している。RMC創設者のロベルト・メンデス氏も「このプロジェクトはRMCの歩みの集大成。現在精力的に開発を進めており、近く技術的な詳細を共有できる」と意欲を示している。
参戦にはプログラム完遂とWRC27規定に基づくホモロゲーション取得が前提となるが、スペイン自動車連盟とRMCモータースポーツの協業に関するFIAの発表は、コスト管理とアクセス性を重視したWRC27が実際に新規参入を呼び込んでいることを示す象徴的な動きと言えるだろう。
WRC27をめぐってはすでに複数の独立系プロジェクトが名乗りを上げており、2027年のWRCはこれまでにない多様性を備えた新時代となる可能性が高い。ベルギーのプロジェクト・ラリー・ワンに加え、また新たに動向が注目を集めるコンストラクターがまたひとつ増えた。
[オートスポーツweb 2026年04月24日]