画像:『真剣遊戯!THEバトルSHOW』フジテレビ公式サイトより 活動終了を控え、現在開催中のラストツアーも好評な嵐。4月20日には櫻井翔さんがMCを務めるバラエティ番組『真剣遊戯!THEバトルSHOW』(フジテレビ系)が新たにスタートしました。
昨今はMCやキャスターとしてのイメージが強い櫻井さんですが、“プレイヤー”としての魅力も健在であることを再確認させられた本番組。櫻井さんが嵐活動終了後も「司会業」だけで終わらないという底力を感じることができます。
◆キャスターとして多くの番組に抜擢
2006年から『news zero』(日本テレビ系)の月曜レギュラーを務め、選挙特番も担当するなど、報道キャスターとして長年活動している櫻井さん。
司会業での活躍はジャンルを越え、2008年からは日本テレビのオリンピック特別番組などスポーツ大型イベントでのキャスター、『NHK紅白歌合戦』(NHK総合)や『ベストアーティスト』(日本テレビ系)など音楽特番での司会、『櫻井・有吉 THE夜会』(TBS系)などバラエティ番組のMCも務めてきました。
専業の司会者以上の強みは、その分野に興味の無い人にも「櫻井さんが出演しているから見よう」と思わせられるところでしょう。国民的人気の櫻井さんだからこそ成立することでもあります。
◆大舞台を任せられる司会者へ成長
ですが、櫻井さんはお飾りの“アイドル司会者”なだけではありません。慶應義塾大学出身の頭脳派で、報道では論理的で説得力のあるコメントをし、スポーツや音楽では安定感と共に華やかさを添え、バラエティではゲストの個性を最大限に引き出し相手を立てる姿勢を見せてきました。
櫻井さんは、生まれ持った知性、長年の経験、抜群の人気・知名度を備え、安心して大舞台を任せられる司会者へと成長を遂げてきたのです。
◆『VS嵐』を彷彿とさせる“プレイヤー”の姿
そんな彼が新たにMCに挑戦する『THEバトルSHOW』では、単なる司会進行役の枠に収まらないプレイヤーとしての姿を見せてくれています。ゲストが「アイドル俳優軍」と「芸人バラエティー軍」に分かれ、アトラクション型ゲームで対戦を繰り広げる同番組。
櫻井さんのプレイヤーとしての最大の魅力は「知性・完璧さ」と「親しみやすさ・泥臭さ」の絶妙な共存にあります。MCとして的確なツッコミもするけれど、意外に自身がいじられキャラだったり、真面目すぎてズレた発言もする。
例えば、各軍1回のみ使える助っ人システム「櫻井チャンス」でゲームに参加した際のこと。ランダムに並んだ文字を正しい順番に並べ替えるゲームでは、時に切れ味鋭く正解を導き出したかと思えば、勢い余って誤答を連発し、味方を混乱させてしまうことも。
思えば2008年から2020年に放送されていた『VS嵐』(フジテレビ系)での櫻井さんも、ゲームで冷静にルートを判断したり、状況を見て狙いを変えるなど頭脳プレーが光っていました。一方で、メンバーが大爆笑してしまうような珍プレーも多かったり、成功した際には全力ガッツポーズを見せたり。
そんな櫻井さんの振る舞いが再び見られるとあって、SNSでは「アイドルバラエティの立ち居振る舞いが観れて貴重」「バラエティの櫻井さんめっちゃ面白い」「恥ずかしそうな姿かわいすぎた」「回す力、盛り上げ方、一歩引くタイミングまでもが天才」などの声が溢れていました。
◆視聴者への配慮も忘れないリアクション
体当たりなゲーム展開の中で、櫻井さんは負けず嫌いな勝負師としての一面もしっかりと覗かせます。しかしどんなに勝負に没頭しても、決して品位を失わず、スマートさを保ったまま戦う。この品を持ったままの熱さこそが、彼がオーラを放ちながらプレイヤーとして君臨できる理由です。
大げさすぎず、でもしっかり盛り上げる「ちょうど良い加減」のリアクションで、視聴者が状況を理解しやすくしている点も、司会業の経験が豊富な櫻井さんならではの配慮なのでしょう。
『VS嵐』から18年を経た今でも、この完璧そうに見えて時々見せる天然さや不器用さのギャップは健在。視聴者に圧倒的な親近感を抱かせ、人間味溢れる生々しい魅力に昇華されているのです。
◆『THEバトルSHOW』でパブリックイメージを更新
『THEバトルSHOW』と『VS嵐』の決定的な違いは、後者において櫻井さんは常に嵐チームの一員で、ゲストチームと対決しているという点。ゲーム進行や作戦面において声をかけてチームを引っ張る場面も多く、嵐チームの精神的な支柱だったのです。
『THEバトルSHOW』では、櫻井さんがどちらのチームにとっても味方であり敵であることで、ゲームの行方を分からなくさせています。初回では、Snow Man・宮舘涼太さんとの直接対決において、櫻井さんはスターらしからぬ弱腰を覗かせたり、滑稽なまでの必死さを露呈しつつも、最終的には華麗な活躍を見せてしまう。「櫻井チャンス」を使うことが「吉と出るか凶と出るか分からない」不安定さこそが、番組に予測不能な緊張感と高揚感をもたらしていました。
総じて櫻井さんは、俯瞰して場を回す主宰者としての安定感を持ちながら、同時に全体を活かす立ち回りができる稀有なプレイヤーでもある。自分が目立つことだけを考えず、周りの強みを引き出す動きは、長年のグループ活動で培われた真骨頂と言えるでしょう。
彼は今、これまでの「司会の櫻井翔」というパブリックイメージを、自らプレイヤーとして戦うことで更新し続けています。
◆俳優としての表現にも繋がるはず
さらに、嵐活動休止中には、ドラマ『占拠シリーズ』(日本テレビ系)で不器用なヒーローを、『笑うマトリョーシカ』(TBS系)で不気味な存在感を放つ政治家役を好演。バラエティで見せる予測不能な緊張感は、役者としての危うい演技にも繋がっているようです。
進行役として、プレイヤーとして、俳優として、表現者の魅力に溢れた櫻井さんは、グループ活動終了後も勢いを継続しそうです。
<文/こじらぶ>
【こじらぶ】
ライター・コラムニスト。上智大学大学院外国語学研究科修了・言語学修士。ドラマ、男性&女性アイドル、スポーツ、エンタメ全般から時事ネタまで。俳優、アイドルなどのインタビューも。X: @kojirabu0419