ポルシェ・ファクトリードライバーのケビン・エストーレ 2025年限りでWEC世界耐久選手権ハイパーカークラスから撤退したポルシェ963。当初はプライベーターによる参戦継続も模索されたが、WECの規定となる『1メーカーあたり2台』という規定のハードルもあり、2026年のWECではそのマシンの姿は見られなくなった。
そしてWECに年間出場していないことから、シリーズ最大の一戦となる6月の第3戦ル・マン24時間にも、ポルシェ963はエントリーが許されていない。
この事態を受け、ポルシェ所属のファクトリードライバーたちが、ル・マン24時間レースにLMP2クラスから出場する動きが目立ち始めている。なお、WECのシリーズ戦はハイパーカーとLMGT3の2クラスでレースが行われているが、ル・マンのみはLMP2クラスが設けられており、ELMSヨーロピアン・ル・マン・シリーズに参戦するチームを中心に、エントリーを集めている。
4月上旬、ジュリアン・アンドラウアーのデュケーヌ・チームからのLMP2参戦が発表されたのに続き、ケビン・エストーレが11年ぶりにLMP2クラスからル・マンに挑むことが明らかとなった。2024年のWEC王者であるエストーレはTDSレーシングと契約を結び、マティアス・ベッシェ、そして初参戦となるトビアス・リュトケとともにオレカ07・ギブソンをシェアする。
ベッシェはTDSチームからル・マンに散発的に参戦しており、昨年はクレメント・ノバラック、ロドリゴ・サレスととともにLMP2プロ/アマクラスで準優勝を果たしている。
また、エストーレと同じく、IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権でポルシェ963をドライブしているラウリン・ハインリッヒは、アルガルベ・プロ・レーシングからのLMP2出場が決まった。
ハインリッヒにとってはこれがLMP2クラス初参戦。彼は、すでに参戦が決定しているレギュラードライバーのジョージ・カーツとアレックス・クインとともに、クラウドストライク・バイ・APRの4号車オレカで、LMP2プロ/アマクラスに出走する。
カーツとクインは今シーズン、IMSA開幕戦のデイトナ24時間レースでLMP2クラス優勝を果たしており、ハインリッヒ自身もポルシェ・ペンスキー・モータースポーツのポルシェ963で同レースの総合優勝を飾っている。
そして、ポルシェ・フォーミュラEチームのレギュラードライバーであるニコ・ミューラーも、ル・マンでのLMP2参戦が決定した。彼はインターユーロポル・コンペティションのセカンドラインナップに加わる。
ミューラーは、チームのELMSドライバーであるビジョイ・ガルグとレシャド・デ・ジェラスとともに343号車オレカでル・マンに参戦する。ミューラーにとっては、2022年にベクター・スポーツからデビューして以来のLMP2クラスでのレースとなる。
「ル・マン24時間レースは、どのドライバーにとっても常に憧れのレースであり、再びル・マンに戻れることを大変嬉しく思う」とミューラーはコメントしている。
「ハイパーカーとLMP2の両方でル・マンに参戦した経験があるので、チームメイトとともにLMP2で優勝を目指せることに興奮している。ル・マンでこれほど実績のあるチームと仕事ができるのも素晴らしいことだし、全力を尽くす準備はできている」
[オートスポーツweb 2026年05月01日]