
雑音が数多く意識に入ってくるということは、それだけ多くの情報を脳が処理しているため、創造性を与えるとも指摘されています。
私たちは情報が入る際に、“感覚情報のゲーティング”と呼ばれる、情報の取捨選択を自動的に見分けてフィルタリングしています。
また、雑音を拾いがちな人は、本来であればフィルタリングされ、シャットアウトされるかもしれなかった情報に気がつくため、創造性の豊かな人物になりえる可能性があるとも言われています。
イリノイ大学のメータらの研究によると、比較的静かな環境(50デシベル/書店の店内や役所の窓口周辺など)よりも、適度な周囲の雑音(70デシベル/カフェの店内など)がある場所のほうが、創造性を求められる仕事においては、被験者たちのパフォーマンスが向上したという報告もあります。
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ただし、騒音に近い雑音(85デシベル/パチンコ店内やゲームセンター店内など)においてはパフォーマンスが低下してしまうという結果も明らかになっています。
あまり雑音を気にせず、雑音があるくらいのほうが仕事がはかどるという方は、人よりもいろいろな情報が入ってくるため、結果的にそれらを結合して、思いもよらないアイデアを思いついたりすることができる可能性を秘めています。
そのような方にとっては、雑音以上、騒音未満こそ創造力を向上させ、ストレスにならない空間と言えるでしょう。
●騒音で太る・脳の働きが弱くなる
また、「騒音の大きい場所に住むと太る」というスウェーデンのカロリンスカ医科大学のピコらの研究があります。
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5156人を対象に、騒音と肥満の関係性を統計的に調べたところ、空港、鉄道、大きな幹線道路などの近くに住む人は、相対的に体脂肪の量が多いことがわかりました。
個人差もあるでしょうが、女性だけで言えば、騒音が5デシベル上がるごとにウエストが1.51センチ増えることも明らかになりました。
騒音の刺激を受けると、ストレスによってコルチゾールが分泌されます。
コルチゾールが増えると食欲は増し、睡眠の質も下がります。そのため太りやすくなってしまう――。
過剰なコルチゾールの分泌は、プランニングや論理分析に関わる脳の前頭の働きを邪魔するとも言われています。音がうるさくて集中力が欠けてしまうのは、こういった理由があるからなのです。
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(堀田秀吾、言語学者、明治大学教授)
※この記事は、書籍『科学的に証明された すごい習慣大百科』(堀田秀吾/SBクリエイティブ)に、編集を加えて転載したものです。なお、文中の内容・肩書などは全て出版当時のものです。
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