ル・マンの話は出ていない/中国メーカーがアルピーヌの施設を買収し参戦?/活発化するデータ共有etc.【スパ走行前日Topics】

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2026年05月07日 18:50  AUTOSPORT web

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今季は毎レース、カラーリングが変更される69号車BMW M4 GT3エボ
 4月にイタリアのイモラで開幕したWEC世界耐久選手権は、5月7〜9日、例年通り土曜日決勝となるベルギーのスパ・フランコルシャンでの第2戦を迎える。走行前日のスパは寒く、雨の降る天候となったが、各チームは週末の6時間レースに向けて準備を進めていた。

 そんな水曜日のスパのパドックから、各種トピックスをお届けする。


■スパが今季初レースになるドライバーたち

 先月の開幕戦イモラ6時間レース以降のエントリーリストの変更点として、シェルドン・ファン・デル・リンデとドリース・ファントール(ともにBMWチームWRT)、ジャック・エイトケン(キャデラック・ハーツ・チームJOTA)、エドゥアルド・バリチェロ(ハート・オブ・レーシング・チーム)の4名が加わった。

 彼らは開幕戦の同週末にロングビーチで開催されたIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権のレースを優先したため、スパが今季のWEC初レースとなる。

 さらに、首の手術から回復中のアレックス・リンに代わり、ルイ・デレトラズが12号車のキャデラックに乗り込むことになっている。

 4度のヨーロピアン・ル・マン・シリーズLMP2チャンピオンであるデレトラズにとって、今回がWECハイパーカーデビューとなる。デレトラズは、リンがマクラーレンに移籍するという噂が流れる中、ル・マン24時間レースへの参戦、あるいは今シーズンの残りのレースに出場する可能性を軽視している。

「僕は指示されたことは、何でもやるつもりだ」とデレトラズ。

「もちろん、ハイパーカーでのル・マンは素晴らしいだろうが、AO・バイ・TFのLMP2プログラムも充実している。アレックスはル・マンで復帰する予定だ。彼の成功を祈っているし、どうなるか見てみよう。僕がル・マンに参戦するという話は何も出ていないので、様子を見たい」


■「ル・マン前のレース」が減る中で

 TF Sportのチーム代表、トム・フェリエは、当初開幕戦として3月に予定され、その後延期されたカタール1812kmレースを考慮すると、来月のル・マン24時間レースまでのトラックタイムが限られていることを踏まえ、今週末のレースで2台のシボレー・コルベットZ06 GT3.Rで好成績を残せることを期待していると述べた。

「カタールが延期になったことで、ル・マン前には2レースしかないことになった。そのため、チームとしては裏方でやらなければならないことが山積みだ。スパは、ご指摘の通り、コースの特性上、ル・マン前のレースとしては良いサーキットだ。しかし、どのチームも同じ条件で戦わなければならないことを忘れてはならない」

「3月に雪が降る前に、ここで良いテストができた。天候以外は、その好調が続くことを願っている!」

 シェルドン・ファン・デル・リンデは、チームWRTがシーズン序盤のIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権に参戦したことが、ル・マンに向けてチームにプラスに働く可能性があると考えている。

 特に、BMW MハイブリッドV8の最新エアロパッケージと、2026年から新たに採用されているミシュラン・パイロットスポーツ・エンデュランスタイヤの理解を深める上で役立ちそうだという。

「どのチームもレース数がひとつ減っているが、僕らはIMSAにダブル参戦している。ダブル参戦を続けているチーム(マニュファクチャラー)は数少ないからね」とファン・デル・リンデはSportscar365に語った。

「ダブル参戦しているメーカーは2、3社しかないので、今年は間違いなく大きなアドバンテージになると思っている」

 2度目のダブル参戦となるファン・デル・リンデは、BMWのGTPとハイパーカーの両プログラムがヴァンサン・ボッセ率いるチームによって運営されるようになったことで、両プログラム間のデータ共有がさらに活発になったと考えている。

「間違いなく透明性が高まったと思う。以前から透明性は高かったと思うが、同じチームが運営するようになったことで、両プログラムを運営する同じメンバー間の情報共有がよりオープンになったのは当然のことだ」

「これは僕らにとって大きなプラスになる。透明性を確保することは常に目標だったが、今ほどオープンになったことはなかった。これは僕らにとって大きなアドバンテージだ」


■ウエットコンディションを望むジェネシス

 ジェネシス・マグマ・レーシングのドライバー、ダニエル・ジュンカデラは、イモラでの印象的なデビュー戦を足がかりに、スパでも好成績を収めたいと語っている。

「実際のパフォーマンスには、自分たちでも少し驚いた」とジュンカデラ。

「このコースは今回も僕らのマシンに合っていると思う。高速域ではライバルに比べてかなり優位に立てたと感じているからね。天候も不安定になりそうなので、また新たな展開が生まれるだろう。ウエットレース、あるいはどこかでウエットのコンディションをぜひ経験してみたいね。昨年のWEC、例えばCOTAでは、最下位と最上位の間に大きなタイム差があった。ウエットコンディションでシステムをどのように調整できるかを見極めたいんだ」

 ジュンカデラは、ジェネシスが現在注力している主要分野のひとつはシステム開発だと付け加えた。

「ブレーキシステムに関しては、バランス、そして最終的にはパフォーマンスの面で改善できる点がたくさんある」と彼は述べた。

「イモラから次のレースまでの期間が短いので、大幅な変更を加えることはできないが、システム面でどのようにマシンを改善し、パフォーマンスを向上させることができるかをより深く理解できれば、それは非常にプラスになるだろう」


■金曜日にマクラーレンがドライバー発表か

 マクラーレンは金曜日に2027年のハイパーカークラスで起用するふたり目のドライバーを発表する予定だ。このドライバーは、ミケル・イェンセンに続いて、ユナイテッド・オートスポーツが運営するチームに加わることになる。

 マクラーレンの新型マシン『MCL-HY』は月曜日と火曜日にヴァラーノで、イェンセンとマクラーレン・ドライバー・デベロップメント・プログラム(MDP)メンバーのグレゴワール・ソーシーのドライブで、無事ロールアウトを完了している。


■BYDのハイパーカー参戦可能性は?

 中国の自動車大手であるBYDがハイパーカークラスに参戦する可能性、しかも早ければ2028年にも参戦するのではないかという憶測が、ここ数週間で強まっている。

 ドイツの大手自動車専門誌『モータースポーツ・アクチュエル』は、BYDが、フランスのヴィリー・シャティヨンにあるモータースポーツ・エンジニアリング施設を含む、アルピーヌA424プログラムの資産買収の可能性について協議が行われたと報じている。

 BYDは、スポーツカーレースプログラムを検討または計画している少なくとも4社の中国自動車メーカーのうちの1社だ。他は、奇瑞汽車(EXEEDブランド)、吉利汽車(Lynk & Coブランド。すでに自社開発のTCRカーを開発済み)、そして最近GT3カーの開発計画を発表した長城汽車だ。


■水素関連の展示も充実。スペシャルドライバーも登場?

 ACO、WEC、ミッションH24、そしてパートナーであるオートモティブ・スキルズ・アライアンス、グリーン・スキルズ・フォー・H2、ハイドロジェン・ヨーロッパ・リサーチは今週末、スパ・フランコルシャンで第3回水素技術フォーラムを開催する。

 水素専門家による理論および実践セッションに加え、観客はファンゾーンに設置された『水素ビレッジ』を訪れ、金曜日と土曜日にサーキットで水素燃料車のデモンストレーションを見学することができる。

 また、トヨタGRヤリスH2コンセプトも展示され、土曜日のレース開始前に「スペシャルドライバー」がステアリングを握り、パレードラップを行う予定だ。

 WECに28回出場したルーカス・ディ・グラッシは先日、2026年ABB FIAフォーミュラE世界選手権シーズンの終了をもってレースから引退することを発表した。ブラジル出身のディ・グラッシは、14年間この電気自動車レースシリーズに参戦したほか、2013年から2016年まではアウディスポーツに所属し、LMP1クラスで2勝と14回の表彰台を獲得した。

[オートスポーツweb 2026年05月07日]

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