
兵庫医科大学、関西学院大学、自然科学研究機構に所属する研究者ら国際学術誌「Scientific Reports」で発表した論文「Respiratory phase alignment across memory encoding and retrieval improves task efficiency」は、テストなどで答えを思い出すスピードが、内容を覚えたときの呼吸のタイミングと思い出すときの呼吸のタイミングに影響されることを明らかにした研究報告だ。
実験では、30人の健常な参加者を対象に、鼻に気流を計測するためのチューブ(鼻カニューレ)を装着して呼吸を計測しながら、記憶テストを実施した。具体的には、最初に40枚の画像を覚えてもらい、少し時間を空けた後(20秒後)に、新しい画像を交えた80枚の画像について、先ほど見た画像かどうかをイエス・ノーのボタンで答えてもらう。
実験データを呼吸のタイミングごとに詳しく解析した結果、テストで答えるときの呼吸が息を吐く後半のタイミングだった場合に、回答スピードが最も速くなることが分かった。
しかし、答えるときが息を吐く後半でも、その画像を覚えたときのタイミングが息を吸う瞬間(または息を吸う前半)とずれていた場合は、回答スピードが著しく遅くなった。反対に、覚えるときも答えるときも両方が息を吐く後半のタイミングでそろっていた場合に、最も素早く答えを引き出せることがわかった。
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この結果から、覚えるときの呼吸のタイミングが記憶形成に関連する“足場”として作用し、思い出すスピードを変化させている可能性があると考えられる。このメカニズムを踏まえると、声を出して英単語や詩を暗記するという学習方法は、声を出すことで必然的に息を吐く後半に記憶をインプットすることにつながるため、理にかなった効果的な方法だと言えるだろう。
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