首相官邸に入る高市早苗首相=22日午前、東京・永田町 ナフサなど石油関連製品について、高市早苗首相が供給不安の払拭に躍起だ。不足すれば国民生活や経済が混乱し、政権批判につながりかねないためだ。ただ、一部企業がナフサ由来のインクの調達不安で、商品パッケージを変更するケースが出てきた。首相は「流通の目詰まり」と強調しているが、政府の説明通りに供給が可能なのか疑う声もある。
「代替調達の進展により原油やナフサ由来の製品も含め、石油製品は年を越えて供給の継続は可能だ」。首相は21日の中東情勢に関する関係閣僚会議でこう強調。その上で「流通過程に物資の目詰まりが発生している」として、対策に全力を挙げる考えを示した。
関係閣僚会議はこの日が8回目。首相は政府の対応を発信する場として位置付けているようで、石油の国家備蓄放出や関係省庁へのナフサ確保策の検討指示、医療用手袋5000万枚の放出など矢継ぎ早に打ち出してきた。実際、これまでは国民生活に大きな混乱は生じていない。
だが、12日になってカルビーが「ポテトチップス」など主力商品の包装を白黒に切り替えると発表。カゴメも「トマトケチャップ」の外装パッケージの大部分を透明なものに変更する。いずれも国民に身近な商品で、それだけ政権への衝撃は大きい。幹部が「カルビーにとってはすごい宣伝効果だろう」と皮肉ったのは、焦りの裏返しとみられる。
自民党からも政府の対応を疑問視する声が上がり始めている。21日のイラン情勢に関する党会合では、出席者から「現場では『これが足りない』『あれが足りない』という声しか聞かない」「目詰まりを解消するためにどういう努力をしているのか」との不満が漏れた。