証拠使用の制約、野党修正迫る=高市首相「丁寧な説明」強調―再審見直し法案

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2026年05月27日 07:32  時事通信社

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再審制度を見直す政府の刑事訴訟法改正案が審議入りした衆院本会議で答弁する高市早苗首相=26日午後、国会内
 自民党内で激論が繰り広げられた再審制度の見直しは、論戦の舞台を国会に移して「第2幕」が始まった。野党は政府提出の刑事訴訟法改正案について、「証拠の目的外使用の禁止」など冤罪(えんざい)被害者の救済を妨げかねない規定が残るとして修正を要求。高市早苗首相は丁寧に説明すると強調したが、政府答弁は野党の提起に否定的な態度に終始した。

 「私自身、強い思いを持って取り組んできた。十分に審議いただき、速やかに成立するよう政府として説明を尽くす」。首相は改正案が審議入りした26日の衆院本会議でこう力説した。

 だが、発言と裏腹に首相や平口洋法相の答弁は素っ気なさも目立ち、修正を拒絶する意志を示すものだった。

 野党は、検察側から開示された証拠を再審手続き以外の目的で第三者に提供することを罰則付きで禁じる目的外使用禁止規定を一斉に追及。中道改革連合の平林晃氏は「袴田巌さんの事件では証拠を支援者や専門家と共有し、検証を重ねたことが再審無罪につながった」と指摘。国民民主党の小竹凱氏は「『将来の袴田事件』の救済をかえって困難にする」と問題視した。

 これに対し、首相は「支援活動や報道の意義を否定するものではない」と強調。証拠の概要を口頭で伝えることは目的外使用に当たらないとして、「禁止によって不当な事態が生じることはない」と反論した。

 野党は再審開始決定に対する検察官の不服申し立て(抗告)も取り上げた。自民内の審査で修正が重ねられ、「十分な根拠」がある場合に限って例外的に抗告を認める「原則禁止」に落ち着いた。

 平林氏は「検察官の不服申し立てを例外なく禁止する必要がある」と主張。法相は「全面的な禁止は三審制の下で確定した有罪判決を一回限りの判断でやり直すこととなり、相当でない」とはねつけた。

 本会議後、中道、立憲民主、公明の3党は袴田さんの姉ひで子さんらを招き、合同法務部会を国会内で開いた。中道の西村智奈美副代表は検察官抗告の全面禁止や目的外使用禁止規定の削除を目指すとし、「総力を挙げて論戦を挑む」と宣言。ある出席者は「修正は不可避だ」と気勢を上げた。

 国民民主の玉木雄一郎代表も記者会見で、検察官抗告や目的外使用を挙げ、「修正を実現できるようにしたい」と述べた。

 政府案に対しては、なお問題が残るとの声が自民にもある。制度改正に取り組んできた稲田朋美元政調会長は26日にひで子さんと面会し、「冤罪被害者からすればまだ不十分だ」と語った。 

中道改革連合、立憲民主党、公明党の合同法務部会に出席した袴田ひで子さん(中央)=26日午後、国会内
中道改革連合、立憲民主党、公明党の合同法務部会に出席した袴田ひで子さん(中央)=26日午後、国会内


再審制度の見直しを巡り、袴田ひで子さん(右)と面会する自民党の稲田朋美元政調会長=26日午後、国会内
再審制度の見直しを巡り、袴田ひで子さん(右)と面会する自民党の稲田朋美元政調会長=26日午後、国会内

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