映画『TOKYO BURST-犯罪都市-』 で共演した(左から)水上恒司、ユンホ(東方神起) 写真:厚地健太郎(C)ORICON NewS inc.俳優の水上恒司とユンホ(東方神起)が出演する映画『TOKYO BURST-犯罪都市-』が、5月29日に公開する。同作は、ハリウッドでも活躍する韓国俳優マ・ドンソクが製作・主演を務める韓国累計動員4000万人超えの人気シリーズ『犯罪都市』を、日本オリジナルストーリーでユニバース化した作品。2人がタッグを組み、“最恐ヴィラン”と対決する物語で、ハードなアクションも注目される。作品にかける熱い思いを聞いた。
新宿・歌舞伎町を舞台に『犯罪都市』シリーズの魂を継承しつつも、日本オリジナル要素が加わったノンストップ・アクションエンターテインメント超大作に仕上がった。元暴走族総長で新宿中央署のルーキー刑事・相葉四郎を水上、相葉の最強のバディとなる韓国からやってきたエリート刑事・チェ・シウをユンホ。さらに国際指名手配犯のボスである村田蓮司を福士蒼汰、その右腕となるキム・フンをオム・ギジュンが演じる。『ナイトフラワー』『マッチング』「全裸監督」の内田英治氏が監督を務めた。
【動画】“破天荒!”水上恒司&ユンホ(東方神起)キャラ紹介シーン■ユンホ、水上恒司の“ギャップ”に驚き「どっちが本物!?」
――根強いファンを多く持つ『犯罪都市』シリーズのユニバース作品です。ブランドを背負うプレッシャーはありましたか。
【水上恒司】背負う背負わないでいくと、やっぱり意識はしてしまいます。もちろん表に立つのは僕らで、そうしたところを全く考えずに作品に臨むことはあり得ないです。でも、そういったことは製作の方々に任せていいのではないかなと思いつつ…。変に気負いすぎてよからぬ方向に行くよりも、いい意味でほかの人に委ねて、自分がやるべきことを全うする、ということを考えていました。
【ユンホ(東方神起)】僕は、日本映画に出演することが初めてだったので、迷惑をかけずにがんばろうと思いました。『犯罪都市』は有名なブランドになっているけれど、それはそれで、ここはここのユニバースだと思っているから。新しいストーリーを作ってみようっていう覚悟を決めて、楽しんで撮りました。
――お2人は本作が初共演です。お互いの印象を教えてください。
【水上】めっちゃいい人です。“いい人”っていうのも…そういわれることがもはや特別なことではないくらい、今の俳優業って“いい人である”がベースにあるんですけど。そういう役者さんと今まで数多くの方々とお会いして、お仕事をさせてもらってきたんですけども、その中でもズバ抜けていい人というか。本当に細かく、スタッフさんにもキャストにもエキストラさんにも。それ以外の、(通行を)止めて撮影させてもらっている中で、撮影には全く関係ない一般の方々など、いろんな人に対する細かな配慮や心配りが随所に見られるというのが、とても印象的でした。
【ユンホ】恥ずかしいです、ありがとうございます。相葉という人(キャラ)はタフなイメージで、水上くんと最初に会った時にどんな性格かなって。そしたらすごく真面目で、(役に入る)スイッチとのギャップがすごくて。どっちが本物!?って(笑)。さっき、自分のことをこう言ってくださったんだけど、実はすごく周りのスタッフさんに本当に優しいんですよ。すごくマナーもいいし、親切だし。一番印象に残ってるのは、男としての価値観がすごく真面目で、毎回どうやってこういう世界で続けるのか、何を築けるのか。悩みとかもすごく考えている、20代なのに。上から目線ではなくて、本当にパートナーとしてもすごく頼もしい人だな、と僕は感じました。すごいです。水上くんが主演でよかったですね。
【水上】うれしいことです。
――お2人が演じたキャラクターは、すぐに暴走してしまう無茶なところもあるけれど、人情味を感じさせる温かい人柄で、ヒーローとしての魅力が詰まっていました。役をどうとらえ、ご自身に落とし込んでいきましたか。
【水上】こうした(相葉のような)男の生き方って、絶対誰しも憧れると思うんです。国々によってそれぞれあると思いますが、日本だと生きづらい世の中になってきていると僕は感じたりするので、その中で相葉のように生きるってなかなかできないことだと思うんですね。映画ならではのキャラクターをもってして、見てくれたお客さんたちが相葉のことを好きだなって思ってもらえるような…アホさというか、まっすぐさというか、ダメさみたいな。自分の中で「こうかな」って思うことを、落とし込むというよりも選んで選択していった連続に、この作品が出来上がった。“僕の相葉”が出来上がったなっていう感じです。
【ユンホ】僕は、エリート系で無口なキャラの役でした。それを自分なりに、1人で何のために日本まで来たのかというサブテクスト(背景)を作ることを考えました。ただのスマートなキャラというよりは、少し田舎の出身でエリートまで成長して、(犯人を追って)日本に来た。ちょっといい意味で乱暴な感じがあるんじゃないの?って思って、さらにそこから相葉四郎とぶつかると、もっと面白くなるかなって。それをヒントに、内田さん(監督)といろんな話をしました。
なまりとかも…以前『パイン ならず者たち』っていうドラマでヤクザ役を演じたんで、もちろんちょっと違うんだけど、韓国刑事のワイルドさをちゃんと伝えるために、それが一番必要じゃないかなと思って。そういうバランスが、難しい部分もあったんですけどすごく楽しかったです。
■福士蒼汰の体づくりに「感服」、オム・ギジュンとは「いいシナジーになりました」
――舞台は新宿のど真ん中。撮影は大規模で、大通りを封鎖したり数百万円ぶんの札束をばらまいたりと、これまでにないシーンの連続でした。
【水上】本当に、制作部やコーディネーターの方々などの尽力のおかげですよね。邦画史上初めてらしいんですけど、旧アルタ前を封鎖して合計800万円ですか?数百万をばらまくみたいなこと。かなりリスキーというか、なかなか挑戦的な撮影だったんです。それも、本番の10日前までその場所でのロケ撮影ができるかどうかわからないなみたいなことがあったらしいので。そうした作品に携われて、もう光栄だなと。今の時代、CGでいくらでもできる世の中ですけれども、俳優部としては、実際の生きた場所で撮影できるというのは何よりの材料になります。制作部とコーディネーターの方々の功績だと思うので、そちらの方にも興味関心が向いてくれればいいなと思います。
【ユンホ】日本の映画撮影に参加するのは初めてなので、どんな環境かなっていう部分もあって。そしたら人数がすごくて!この人数…コントロールできるの?ってびっくりして。それに、ばらまいたお金が本物だったんですよ。しかも撮影後、全部集まっていて(回収できていて)びっくりしました。みなさんすごいなと思って。みんなお金、守ってる。みんな優しいなぁって(笑)。
――ハードなアクションも見どころです。とくに印象に残っているエピソードを教えてください。
【ユンホ】リハーサルが結構…厳しかったですね。(本番シーンを)見たらすごいですよ!(プロレス好きの主人公・相葉は)プロレスの技をちゃんとやっているし、ワイヤーアクションもあったので…本当に大丈夫なの?って。情熱をもってリハーサルをがんばっている(水上の)姿を見て、「僕も負けないぞ」って思いました。(敵対する)オム・ギジュンさんとも演じて、それもいいシナジーになりました。
【水上】以前もアクション映画には出演していましたが、アクションは作品によって個性というものがあって、それを要素とした良し悪しがあると思うんです。総じて思うのが、“なぜ拳を振るうのか”という理由みたいなものがはっきりと面白く描かれていないと、アクション映画として成り立っていかない。昔のジャッキー・チェンとか、礎を築いた方々の作品をもってして、今のアクション映画はとても豊かになっている。だからこそ、そこのレベルってそんなに変わらないなっていうことはあって…。つまり、『犯罪都市』だからこうだったというよりも、アクションをいかに扱うか、というところが僕の中ではすごく大事だと思っていました。
今回印象的だったところは、相葉が石頭であるっていう特徴があって、結構頭突きをするんですね。当然、ほとんど当てていません。当てないとバレてしまうアングルの時は当てていますけど。それで、手や足だったら見えますが、(頭突きは)目線がブレるんです。「気をつけないと」と思いつつ、撮影後半ぐらいに(敵対する)福士蒼汰さんのアゴに当てちゃって…。それも、振りかぶって(上を向くしぐさで)こういう感じだったんで、この(上向き)時点で福士さんがどこにいるかわからなかったんです。めちゃめちゃ謝りました。「大丈夫だよ」って言ってくださったんですけど…練習不足を否めないなっていうエピソードがありました。
【ユンホ】僕の役は、回し蹴りが得意な刑事。昔からキックボクシングや合気道をやってきたので、それをアレンジして、内田監督と話しながら頑張ってみました。面白いエピソードは、初めて(相葉と)出会った時ですよね。そこで回し蹴りのシーンがあったんですけど、思ったよりちょっと燃えて…滑っちゃったんですよ、実はちょっと痛かったんです(苦笑)。でも初対面だから「大丈夫、全然問題ない!」って。でも、シーンは本当にかっこよく完成できたのでよかったです。
――迫力のアクションで、危険なシーンもたくさんありました。お2人の体格も増した印象でしたが、どんな体作りやトレーニングを行いましたか。
【ユンホ】僕は、アーティスト・ユノとしてはちょっと違うんですよね。アーティストとしては、もっと痩せていて、ダンスをするためには絞らなきゃいけない部分もあって。でも今回は刑事なので、役作りのために体格を調整しました。それに『犯罪都市』は刑事がすごくタフなイメージがあるから、それをシルエットで見せることができたらOKだと思った。それで普段よりガーッと食べて、ガーッと落とした思い出があるんですよね。それが本当につらかったです、痩せるより…。
【水上】痩せるより増やすのがきついですよね(ユンホに共感)。僕はいつも通りの増やし方で、限られた時間の中でやったっていうだけなんですけど。ただ、ユニバース作品として撮っていますし、(これまでのシリーズの)リメイク作品ではないですよ、ということはちゃんと提示していかないといけない。何が正解かわかりませんけれども、福士さんの体づくりが、ダントツにずば抜けてしっかりと作られていたなという意味では感服しましたね。僕はもう、普通にやれることをやっているっていうだけでした。
――難しいアクションシーンもたくさんありました。特にここは難しかったというシーンと、どう乗り越えたかを教えてください。
【水上】僕は頭突きですね。先ほど申し上げたように、目を切っちゃうので…正直カメラがどこにあるのか分からなくなってしまう時もあるんです。もうちょっと豪快に振りかぶってほしいなど、内田さん(監督)のリクエストがあったりする時に、そこは今までのアクションになかった要素だったので、結構難しかったです。
【ユンホ】僕は逆にキャラとしてのシーンで。ナイフが(身体に)刺さっちゃって、その後に戦うシーンに悩みがあったんですよね。普通はあんなに刺さったら…あんなに戦うのは無理ですよ(笑)!でも、これはアクションエンターテインメントだから、もうちょっと大げさにしてもいいよって。(監督と)そういう話をしながら演じたので、それが逆に難しかったんです。
■「情熱を持ってひとつの作品を作り上げる」万国共通の映画づくりへの思い
――ヴィラン役の福士蒼汰さん、オム・ギジュンさんとは相反する立場ですが、現場はどんな雰囲気でしたか。
【水上】この中でいくと僕が一番年下なんですけど、そういう立場でいうと、いいお兄ちゃんたちという感じでした。作品に関わる者として、現場でマナーや礼儀、リスペクトを持つことは当たり前なんですけど、その当たり前のことがちゃんとできている現場だった印象です。
どんな作品であれ、僕は撮影スタイルとして毎回変わらないんですけど、基本的にあんまり喋らないんです。喋れないというわけではなく、みなさんの方が手慣れですし、その中に僕の立ち位置で入っていくにしてはまあ…くっちゃべってる場合でもないと思ったりするので…。自分がやるべきこととか、何が足りていないかということを考えています。そういうスタイルはありつつも、アクションはちゃんと話してコミュニケーションを取らないと一人ではできないことなので。そこはちゃんと積み上げられたかなと思います。
【ユンホ】僕は、出演者がみんな一生懸命にいい映画を作りたいって研究していて。一体感があって、この現場いいなって思いました。オム・ギジュンさんは、韓国語でも有名な俳優さんで僕は初対面だったんですが、マナーがよくて、役に集中している姿がすごくていい勉強になりました。共演できて光栄でした。
――日韓のエンタメファンをつなぐ作品にもなっていると思います。今作の出演は、今後のご自身のキャリアの中で、どう励みや成果につながっていくと思いますか。
【水上】映画というものを一旦取り外すと、いろんな意見があったり、国と国っていろんな歴史がありますからそこに対しての解釈だったり。いろんな考え方があります。でも、映画を作る人たちって一緒なんですよね。万国共通で、ただただ情熱を持ってひとつの作品を作り上げる。この作品が日韓合作ということよりも、今横にいらっしゃるユンホさんをはじめとした、いろんな国の人たちと出会えたっていうことが、何よりの励みになっていくんじゃないかなと思います。僕らは、これが結果的に韓国と日本の橋渡しになったとか、そんな大それたことはきっと考えてないです。あくまでも現場の人間たちが出会って、それでお客さんたちを楽しませるっていうことだけで、一致団結して一緒の時間をともに過ごせたということが、何よりの励みになるんじゃないかなと思いますね。
【ユンホ】キャリアよりは、やっぱり初めての日本映画だったので、いい思い出を作ったという表現がふさわしいと思います。チェ・シウとちょっと似ている部分もあったんですよね。日本語だけでなく、英語も韓国も使って。初経験でしたけど、本当にみんないい人たちで、みんなが集まって円陣を組むと、いいシナジーができるんだっていうのが、確かにわかった作品だから。それをありのまま伝えると思うので、みんながこの映画を見ていい作品だってわかってくださると、それでOKだなって。結果ももちろん大切ですが、まずは作品の魅力が伝わることが一番だと思います。
水上恒司:ヘアメイク/Chie(H.M.C)、スタイリスト/藤長祥平
ユンホ(東方神起):ヘアメイク/中島康平、スタイリスト/佐藤修一