小山美姫、さまざまな状況でニュル24時間を戦い「経験値が増えた」。GT300との“相乗効果”も実感

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2026年05月31日 12:00  AUTOSPORT web

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フォーメーションラップ中の170号車トヨタGRスープラGT4
 5月16〜17日に行われたニュルブルクリンク24時間レースのSP10クラスに、TOYO TIRES with Ring Racingから参戦した170号車GRスープラGT4 Evo2(ジュリアーノ・アレジ/小高一斗/小山美姫/奥本隼士)。日本で活躍するドライバーを起用し、4月に行われた前哨戦の予選レース(4時間)ではクラス優勝を果たしていたこともあり、本戦での好成績も期待されたが、不運としか言いようのないアクシデントに見舞われ、総合42位/クラス5位でチェッカーを受けた。

 ニュルブルクリンク耐久シリーズ(NLS)ならびにニュル24時間レースにおいて、昨年から始まったトーヨータイヤとTGR-DCのコラボレーションプログラムを起点に、今季も若手ドライバーが起用されている170号車。若手育成を掲げるとはいえ、実力派ぞろいのラインアップであり、奥本以外は昨年も“世界屈指の難コース”であるニュルブルクリンク・ノルドシュライフェ(北コース)で経験を重ねてきている。

 170号車にはTGRからミハエル・クルムが加わりアドバイザーを務めるほか、4月の予選レースでは1名、そして今回の本戦では2名のエンジニアがトムスからサポートに加わっており、体制面の補強も図られたなかでの24時間レース本番となった。


■厳しいニュル・ウェザー「乾いたラインは1本のみ」

 2026年はスーパーGT・GT300クラスで開幕から2戦連続で表彰台に登壇するなど注目される小山は「あまり日本とか、海外とか、こだわって活動しているわけではないのですが、かつてWシリーズに出ていたことを知っている方が声をかけてくれることもありますし、スーパーGTのマシンのモデルカーを持ってきて『サインしてほしい』という方もいます。ヨーロッパでたくさんの人に知ってもらえるきっかけになればいいなと思っています」とニュルでのレース活動について話す。

 14日から始まったレースウイークは、4月の予選レースとはうって変わって雨混じりの寒いコンディションに見舞われた。

 そのなかで170号車は、予選レースで課題のひとつとなっていたタイヤの内圧設定に試行錯誤し、よい感触を得た。予選はコード60や雨のタイミングにも恵まれず総合79番手(クラス9番手)となるも、GT300でも小山のチームメイトである小高は「晴れてさえくれれば、表彰台争いできるスピードはある」と読んでいた。果たして170号車は、決勝ではそのとおりの好走を見せることとなった。

 決勝ではアレジがスタートドライバーを務め、はじめは全員が1スティント、その後は2スティント連続での走行に入っていくという走行プログラム。小山の最初の出番は、スタートから45分後に早くも訪れた。

「昨年から24時間やNLSを走らせてもらっていますが、今回のコンディションはかなり難しかったです。いつもはレースが始まってしばらくすると路面が良くなっていくのですが、今日は走っている場所によってグリップが良かったり悪かったりで……途中からは弱い雨も降ってきましたし、この先も難しくなりそうですね」と最初のスティントを終えた小山は語った。

 その後、小高のスティントまでにクラス6番手付近にまで追い上げるも、ここで水圧低下のアラームが点灯。砂利と思われるデブリがラジエターを直撃し、破損が生じてしまったのだ。チームは素早く修復作業を行ったものの、170号車はクラストップから4周ほどの遅れを喫してしまった。

 予想外の修復によってドライブプランも若干押し気味となり、小山の2回目の乗車は暗くなっていくタイミングで、その頃にはコースの全域が雨で濡れていた。

「去年は雨もありましたが、今年に入ってからは本当にアウト/インくらいでしか雨を走っていなかったので、暗くなってからの雨は結構怖かったです。その後はドライパッチも出てきたので、スリックタイヤに変えたのですが、真っ暗な中で乾いているラインが1本しかなくて……。でも、GT3が来たときはラインを外して譲ったりもしていました。彼らも2〜3台でバトルしているグループが多かったので、中途半端に譲ってしまうと当たるのではと感じていました。そのあたりはメリハリをつけてレースできたと思います」

 深夜帯はひとり2スティントずつ回したこともあり、小山も4時間ほど睡眠を取れたという。朝の走行もスリックタイヤで雨がポツポツと落ちてくる難しい時間帯となったが、小山は慎重にマシンをつないで、チームの追い上げに貢献した。

 最後のスティントを終えた小山は「レースとしては、車両にトラブルが出てしまった分がそのまま(最終結果に)影響してしまったので悔しいですが、それを除けば全員が大きなミスやクラッシュ、ペナルティなどなくレースができたので、そこはすごく良かったです」と2026年のニュルブルクリンク24時間を振り返った。

 その中では、個人としても確かな収穫を得られたという。

「私としては、雨が降る中や、暗い中でドライアップしていくタイミング、そして日中も路面の変化が激しい時間程を走ることができ、自分の経験値が増えて、ドライビングに関しても幅がまたひとつ広がったと感じています」

「また、これだけの台数(約160台)がいる中ですが、混走については“よく見える”ようになりました。速いクルマが来たときの駆け引きみたいな部分についても、GT300とニュルというふたつのシリーズに出ていることで、相乗効果のようなものを感じています。GTがあってニュルが走れているし、ニュルがあってGTが走れている。それを今回すごく実感できたので、改めてこの環境で走らせてもらっていることに感謝しています」

[オートスポーツweb 2026年05月31日]

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