命運分けたFCY後のピット作業。終盤のトヨタのペースと戦略が「より優れていた」とデレトラズ/ル・マン24時間

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2026年06月15日 17:00  AUTOSPORT web

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12号車キャデラックVシリーズ.R(キャデラック・ハーツ・チーム・JOTA)と8号車トヨタTR010ハイブリッド(トヨタ・レーシング) 2026ル・マン24時間レース
 ルイ・デレトラズは、ル・マン24時間レースの極めて重要な決定的な局面において、トヨタがキャデラック・ハーツ・チーム・JOTAよりも「優れていた」ことを認めた。彼と12号車のチームメイトたちは、「失望の」4位という結果に終わっている。

 レースを通じてつねに優勝争いに加わり、最終的に381周のうちハイパーカー勢で最多となる128周をリードしたにもかかわらず、デレトラズ、ウィル・スティーブンス、ノーマン・ナトがシェアした12号車キャデラックVシリーズ.Rは、優勝した7号車トヨタGR010ハイブリッドから32秒遅れでフィニッシュし、表彰台も12秒差で逃した。

 キャデラックの3台のうち、リードラップ(トップと同一周回)で完走したのはこの1台だけだった。姉妹車の38号車はパワーステアリングの故障でリタイアし、ウェイン・テイラー・レーシングが走らせた101号車は、日曜午前の時間帯に相次いだペナルティにより2周遅れとなった。

 91号車ポルシェ911 GT3 Rエボのクラッシュによる2度目のセーフティカー・ピリオドを経て、ゴールまで5時間の段階で事実上リセットされた展開を振り返り、デレトラズは、日曜の日中の気温上昇にともない、キャデラックは好調だった夜間のペースを再現することができなかったと述べた。

「我々はレースを通して非常に強く、午前の遅い時間までほとんどの周回をリードしていた」と彼は語った。

「(勝利の)イメージが頭の中に浮かび始めていたことは否定できない。それを無視しようと努めてはいたが、その後の4位という結果は、明らかに失望を感じるものだ」

「トヨタはレース全体を通して強かったが、我々は夜の間にそれをコントロールできるだけの十分な貯金を築いていた。午前中に小さなシステムトラブルに見舞われ、それがドライブスルー・ペナルティを受けた理由だ。こういうことは起こるものだが、そこで少し時間をロスしてしまった」

「僕たちはプッシュし続け、決して諦めなかった。しかし、最後にはトヨタが我々よりもわずかに上回っており、最後のセーフティカーの後は追いつくことができなかった」

「気温が高い日中よりも涼しい夜間のほうが(クルマに)合っていたと思う。それはスタート時にもすでに見て取れた。実際、日中の暑さのなかでは(姉妹車の)38号車のほうが僕たちより速かった。でも、とても楽しかったよ」

「僕たちはつねに先頭でトヨタやBMWと戦っていた。レースの大部分をリードできたことは素晴らしいことだった。もちろん、誰もが4位という結果を誇りに思っているが、全員の頭の中にはそれ以上のものがあったはずだ。我々は皆、あのトロフィーを欲していたんだ」

「大きなトロフィーはしばらくの間、視野に入っていたが、結局は手に入らなかった。それでも、つねに希望は持っているものだ。ル・マンで勝つには運も重要だが、今回はただ単に彼らが僕たちより優れていたということだ」

 デレトラズ、スティーブンス、ナトが表彰台に立てなかった決定的な要因は、21時間目の序盤に23号車アストンマーティン・バンテージAMR GT3エボ(ハート・オブ・レーシング・チーム)がトラブルによりユノディエールでストップしたために引き起こされた、終盤のフルコースイエロー(FCY)だった。

 このFCYによって、優勝した7号車トヨタと12号車キャデラックの両方が、その後のピットストップで緊急作業(エマージェンシー・サービス)を余儀なくされた。

 両車が次周にピットに戻った際、トヨタは満タンまで給油をせず短いピットストップでコースに戻った。これにより7号車は、エマージェンシー・サービス前は先行されていた8号車トヨタや20号車BMW MハイブリッドV8(BMW MチームWRT)の前に出て、さらに彼ら約15秒リードする位置につけた。一方のキャデラックは通常のルーティン作業を実施。さらに、ナトがピットレーンを離れる前にFCYが解除されたため、さらに差を広げられることとなってしまう。

 その後12号車キャデラックは、2台のトヨタとBMWの計3台に対して2周長く走ることができるようになったものの、ナト、そしてスティーブンスには、その差を縮めるためにできることは何もなかった。

「FCYのタイミングに関しては、(レースを通じて)3回も緊急ピットストップをしなければならず、かなり不運だった」とデレトラズは振り返った。

「とくに最後の1回は、僕たちのクルマがまだピットにいる間にトラックがグリーン(FCY解除)になったため、大きなタイムロスとなった」

「もしタイヤ交換をしていなければ(作業時間は)10〜12秒ほど短縮できていただろうし、おそらくFCYが終わる前にコースに戻れていただろう。そこでリーダーたちとの差が開いてしまったんだ」

「ただ、終盤のトヨタのペースを見ると、3分25秒台や26秒台を出していたが、我々にはそこまでのペースはなかった。仮に僕たちが先頭にいれば、また違った物語になっていたかもしれない。ここでは追い越しが難しいからね」

「それが僕たちの戦略のすべてだった。良いトラックポジションを確保し、それをレースを通じてマネジメントしていた。しかしその後、ル・マンは僕たちに対して別の展開を用意していたというわけだ」

[オートスポーツweb 2026年06月15日]

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