ANAのシンプル運賃って「そういうプラン」なの? ネットで囁かれる“後回し”の臆測を広報は全否定

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2026年06月16日 07:40  ITmedia NEWS

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 全日本空輸(ANA)は6月11日、国内線サービスのリニューアルで利用者に不便と心配をかけたとして公式サイトなどに謝罪文を掲載したが、そこで触れられていない部分がある。6月上旬からSNSでは、オーバーブッキングで飛行機に乗れなかったという投稿が相次ぎ、プチ炎上状態となっていたことだ。さらに新しい「シンプル運賃」プランは搭乗の優先度が低いのではないか、といった憶測も流れた。実際はどうだったのか、ANA広報に聞いた。


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 なお、取材はメールで行ったため、一部に繰り返しや会話になっていないようにみえる部分もあるが、語弊が生じるのを避けるため、そのまま掲載している。


 特定のキーワードに関するXへの投稿を計測できる「Yahoo!リアルタイム検索」で「ANA オーバーブッキング」で検索してみると、過去30日間で2200件ほど投稿があった。その背景には、5月19日に行われた国内線サービスのリニューアル──つまり大規模なシステム移行と新たに導入された3つのプランがある。


 新プランは、安い代わりに出発24時間前からしか座席指定ができない「シンプル」、基本的なオプションを付加した「スタンダード」、フルオプションの「フレックス」。例えば、ある日の東京→沖縄の直行便は、シンプルが1万7960円、スタンダードは2万1700円、フレックスは5万8275円という具合だ。同じエコノミークラスで倍以上の料金差がある。


 オーバーブッキングの報告はシンプルで多く、中には、窓口で「そういうプランで予約されたから」と言われたケースもあったという。投稿は6月7日をピークに前後3〜4日に集中していることから、台風6号によって欠航などの影響が出たことで、一気に表面化したとみられている。


ITmedia NEWS:6月7日前後にSNSを中心にANAのオーバーブッキングが話題になっていました。主に「シンプル」プランを選んだ人が「席がない」と言われて搭乗を断念したケースが多いようですが、原因が分かっていれば教えてください。またシステムエラーが出たという報告も複数ありました。当時のシステムの状態も併せて教えてください


ANA広報:シンプル運賃のため、座席をご提供できないといったことはございません。ご予約をお持ちのお客様の数が座席数を上回り、座席が不足した場合はフレックストラベラー制度を活用し、便の変更にご協力いただけるお客様を募り、協力金をお支払いさせていただいております。WebサイトやANAアプリの動作においては、ご不便とご迷惑をおかけしておりますこと、お詫び申し上げます。 航空券予約など、システムの機能については日々お客様からいただいたご意見をもとに継続して改善を進めており、性能向上とサービスの品質改善に努めてまいります


ITmedia NEWS:座席がないと言われた人の中には、窓口で「そういうプランで予約されたから」と説明されたケースもあったようです。これは、シンプルプランは席確保において優先度が低く、スタッフの間で共通認識となっていると解釈できそうですが?


ANA広報:シンプル運賃の優先度が低いということはございません。シンプル運賃は、「座席番号の指定ができるのがご搭乗の24時間前」となります。なお、万が一ご予約をお持ちのお客様の数が座席数を上回り、座席が不足した場合は「フレックストラベラー制度」を活用し、便の変更にご協力いただけるお客様を募り、協力金をお支払いさせていただいております。原則、お客様の自主的なお申し出に基づき、ご協力いただいております。搭乗手続き済みのお客様に対し、ご了承なくお断りすることはありません


 フレックストラベラー制度とは、オーバーブッキングが発生した際に、自主的に後続便へ変更してくれる人を募集する制度。応じてくれた人には航空会社からインセンティブが提供されることが多い。そしてANAの約款上、募集しても足りなかった場合には“ANAの定める優先順位で調整”されることになっている。


 シンプル運賃の場合、料金が安くなる代わり、無料手荷物が23kg以内の1個のみ(エコノミークラスの場合)、前述の出発24時間前に始まるオンラインチェックインで座席を確定しなければならないといった制約はあるが、SNS上で広がっていた「料金が最も安いシンプルプランの客が後回しにされやすい」といった見方についてANA広報は明確に否定した。


 では、実際の優先順位はどう決まるのか。また約款では「予約システムで座席を確保した時点で予約が成立する」となっているが、シンプル運賃の場合はお金を払っていても出発前日まで“予約”ではないのだろうか?


ITmedia NEWS:約款にある優先順位は、どういった基準で決めているのか教えてください


ANA広報:予約を取得した日時、予約した座席クラス、お客様のマイレージステータス、航空券の種類等といった様々な情報と、各便の状況を踏まえて、決定させていただいております


ITmedia NEWS:シンプルプランは搭乗24時間前にならないと“座席の確保”はできないと思うのですが、お金を払っていても席を確保するまでは“予約”ではないのでしょうか?


ANA広報:全ての運賃において「予約をした時点で成立する」というご認識で間違いございません。シンプル運賃も同様ですが、「座席番号の指定ができるのがご搭乗の24時間前」となります


 その予約が成立するタイミングを確認したつもりだったが、明確な回答は得られなかった。


●ANAはオーバーセールスを約款に明記


 オーバーブッキングで目的の飛行機に乗れないリスクがあるのは他の航空会社も変わらないが、ANAの場合は以前から約款で「オーバーセールス」(直前にキャンセルされる分を見込んで、実際の座席数よりも多く予約を受け付ける販売方法)について明記している。さらには「搭乗を断る場合がある」ともあり、素人目にはオーバーブッキングにより乗れないケースも生じやすい構造のようにみえる。


ITmedia NEWS:オーバーセールスを行うことは理解できますが、利用者にはそういった認識がないため、席が確保できなかった人がSNSで不満を語っている状況に見えます。今後のPR活動等で周知するお考えはありますか?


ANA広報:繰り返しとなり恐縮ですが、ご予約をお持ちでもご都合により空港にお越し頂けないお客様もおられます。過去の便の搭乗実績に基づき、空席になると想定される座席を、実際にご利用を希望される一人でも多くのお客様にご搭乗頂けるよう、一部の便で座席定数よりも多くのご予約を承っています。万が一、ご予約をお持ちのお客様の数が座席数を上回り、座席が不足した場合は「フレックストラベラー制度」を活用し、便の変更にご協力いただけるお客様を募り、協力金をお支払いさせていただいております。原則、お客様の自主的なお申し出に基づき、ご協力いただいております。搭乗手続き済みのお客様に対し、ご了承なくお断りすることはありません。本制度については、HPでお知らせをさせていただいております


 最後にオーバーブッキングで予定が狂った人も多くいたと思われるため、PR面で個人的に気になっていたことを質問した。


ITmedia NEWS:5月20日のプレスリリースの画像において、シンプル運賃は「予定はしっかり決まってる!」人におすすめとあります。どのような意図でこうした文言にされたのか教えてください


ANA広報:シンプル運賃はお支払額が抑えられる、かつ「予約変更が不可」であるため、ご予約が決まっていて予約変更のサービスが不要なお客様に、お得な料金でご利用いただけるメリットがございます。この背景から、HP上の記載をさせていただいております。なお、搭乗に際して運賃によって不利益が生じることはありません


 今回の取材を通じ、少なくともシンプル運賃について、1)優先度が低いことはない、2)搭乗に際して運賃によって不利益は生じない、ことが確認できた。今後、もし窓口で「そういうプラン」と言われることがあれば参考にできそうだ。



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