知床沖観光船事故の釧路地裁判決を受け、記者会見する被害者家族ら=17日午後、北海道釧路市 「命に見合わない」。北海道・知床半島沖の観光船沈没事故で桂田精一被告(62)を禁錮5年とした釧路地裁判決を受け、乗客家族らは17日午後、釧路市内で記者会見した。判決を評価する声が出る一方、失われた命の重さに量刑が「見合わない」との指摘もあった。桂田被告の即日控訴には「反省がない」などと憤りをあらわにした。
元妻=当時(42)=と一人息子=同(7)=が行方不明となった北海道内の男性(54)は「事故は人災で防げた。桂田被告の責任は誰が見てもはっきりしているので、有罪になって良かった」と評価。その上で、禁錮5年の量刑に関しては、犠牲になった26人の「命の重さに見合うものと受け止められない」と絞り出すように語った。
船上でプロポーズを予定していた鈴木智也さん=同(22)=の父親は、桂田被告の公判での言葉は「何一つ心に響かなかった」と振り返り、即日控訴については「何とも言えない」と言葉少なだった。
道外在住で父親が行方不明の男性は即日控訴に関し、「罪を潔く認めなかったということになる。反省や償おうという気持ちが一切ない」と憤りを隠せない様子だった。
今も行方不明の小柳宝大さん=同(34)=の父親も判決後、取材に応じ「5年だと短いという気持ちはあるが、上限いっぱいだから納得するしかない」と複雑な心情を吐露した。
17日午前の法廷では、禁錮5年の判決が告げられた直後、乗客家族の方からすすり泣く声が聞こえた。ハンカチで目元を押さえる人や判決に聞き入る桂田被告をじっと見詰める家族の姿もあった。