“愛子天皇”待望論を徹底無視する政府の“皇族数確保策”に識者が喝! 旧宮家も「もう関係ありませんから」

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2026年06月18日 18:10  web女性自身

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これで本当に、皇統が断絶する危険性は避けられるのか――。



6月10日、衆参両院議長らがとりまとめた「皇族数の確保をめぐる立法府の総意」。(1)「女性皇族が結婚後も皇族の身分を保つ」、(2)「戦後、皇籍離脱した旧宮家の男系男子を養子として皇族に迎える」の2案が「いずれも了」として、11日、高市早苗首相に手渡された。



「皇室の方々は現在16方。うち女性が11方です。(1)案は、独身の女性皇族が結婚して皇族を離れればさらに減ってしまうため、結婚後も皇族として認めようというものです。一方、(2)案は約80年前に皇籍を離れた旧11宮家の男系男子を養子として皇族に迎え入れ、現在5方しかいない男性の皇室の方々を少しでも増やそうというものです。しかし、これらの方策によって実際に皇族数が増えるのかどうか、まったく確証はありません」(宮内庁担当記者)



では、専門家はどうみるか。皇室研究家で神道学者の高森明勅さんは、こう問題点を指摘する。



「まず、とても『立法府の総意』といえるものではないということです。13の党派が集まって全体会議を続けたわけですが、そのうち賛成に回ったのは7党派だけ。『日本国民の総意に基づく』という天皇のお立場に鑑みれば、前回の特例法のように国会での『全会一致』を目指すべきなのです。その意味で、今回の全体会議は失敗だったと言わざるを得ません」(高森さん、以下同)



そもそも議論の土台となった政府案が“あまりにお粗末”だという。



「第一に、本来の課題であった『安定的な皇位継承』については、まったくの白紙回答でした。つまり、女性・女系天皇を認めるかどうかという、安定的な皇位継承のための議論がまったくなされていない。第二に、女性皇族が結婚後も皇族の身分を保つのはいいとしても、その配偶者とお子様を『国民』とするという、近代以降では前代未聞の家族のあり方を押し付けようとしていることです。日本の社会で唯一、家族で身分が違うという異例の扱いを政府案として押し付けようとしているわけです」



もっとも問題なのは、旧宮家の男系男子を養子として迎え入れる第2案だという。



「あまりに無茶な案なので、批判が多いのも当然です。民間人の養子に皇族の身分を与えるなどということは、皇室の長い長い歴史の中でも、まったく前例がないことです。混乱を招く可能性が十分予想されるので、明治の皇室典範から今の皇室典範、そして小泉内閣の有識者会議の報告書でも『弊害が多い』ということで否定されていました」



旧宮家で皇籍を離脱した者が皇統に復帰できるという前提自体に、高森さんは疑問を呈する。



「明治憲法下の美濃部達吉の憲法教科書などをみれば、『皇籍を離脱した者は、もはや皇統に属さない』と書いてあります。政府は『皇統に属する男系男子を養子縁組する』と言っているわけですが、近代憲法下の通説では旧宮家はすでに皇統には属しません。政府の説明は正当性に重大な疑義があるわけですが、そうした養子案を無理やりに押し込もうとしているのです。しかしもともと問題が多い案なので、選挙対策などで与党は第1案と主張していたものの実際の取りまとめでは慎重な扱いになるなどトーンダウンしました」



そして、未婚の女性皇族がいるのに民間人との養子縁組を持ち出すのは皇室に対して“非礼”ではないかと高森氏は憤る。



「現に愛子さまや佳子さまなど未婚の女性皇族がいらっしゃって、お若くて、これから結婚されてお子様も生まれるかもしれないという状況の中で、親の代から国民である旧宮家の民間人を養子に取るというのは、ものすごく本末転倒で失礼な話です」



さらに、こう問題点を指摘する。



「女性皇族を差し置いて、民間の男子を養子として皇族に入れ、子どもが生まれたら、そちらに皇位継承資格を認める。一方、皇族の身分はない男子と結婚した女性皇族は、結婚後も皇族の身分が残るものの、そのお子さんには皇位継承資格はないわけです。



この違いの根拠は男女の違いだけです。あくまで『男系男子』にこだわる政府の男尊女卑の姿勢が、こうした逆転現象を招く原因です。国民の中で旧宮家系だけを特別扱いして線引きするのは、『門地(家柄や血筋)による差別』を禁止する憲法14条にも違反します。さらに養子の子に皇位継承資格まで認めると女性皇族との本末転倒ぶりが決定的に際立つ。おおっぴらに認めると大騒ぎになることがわかっているので、政府は言ってみればごまかしているわけです」



ところが、森英介衆議院議長が8日の記者会見で思わず“本音”を漏らしてしまった。



「森氏は、『養子となった旧11宮家の男子に男の子が生まれれば、その子は皇位継承権を持つことになる』と言ってしまったのです。後で、この発言について『現在の皇室典範の解釈を述べたもの』と弁明しましたが、これは政府と与党がグルになって隠してきた本音をポロっと言ってしまったわけで、森氏は正直だっただけですね」



皇族数の確保の議論において、絶対に欠かせないのは当事者である皇族自身のご意思だろう。天皇陛下は11日、オランダとベルギー公式訪問を前に記者会見され、「制度への言及は控える」と前置きされたうえで「国民の皆さんの理解が得られるものとなることを望んでおります」と述べられた。



「ちょっと異例の表現ですが、陛下は、今の議論が『国民の理解が得られる』ようには進んでいないことを心配されているのでしょう。“国民の理解”と言えば、様々な調査で『愛子天皇』を容認・賛成する意見が多くを占めています。ところが、政府はこうした流れにまったくそっぽを向いたことをやろうとしている。陛下のお言葉は、そうした政府にくぎを刺す意味も込められていたと思います。天皇陛下のお言葉は、政治性を前面に出しておられないので、政府も面と向かって反論できないでしょう」



もう一方の当事者である旧宮家の人々の意思はどうか。本誌はかつて旧宮家よりも現皇室に近いとされる元皇族の人たちに取材を試みたことがある。1人は大阪・北新地でワインバーを経営する男性(当時30代)。皇籍復帰についての取材意図を告げると、従業員らしい女性の背後から「『忙しい』っていうとけ」と男性の声が聞こえた。もう一人、大阪・河内長野市内の神社で神職をしている男性(当時30代)に電話すると、母親と名乗る女性が出た。「皇族の子孫とお聞きしましたが」と聞くと「はあ? 知りません。もううちは関係ありませんから」との答えだった。



高森さんが解説する。



「私が知る限り、旧宮家系の男子たちはほとんどが、皇籍取得の意思はないと断っています。俗世間の生活しか知らないから当たり前です。皇籍取得となると人生が激変するわけです。もし、ほいほいと養子になろうとする人がいたら、逆に怖い。そんな人の子供が天皇になる可能性があるとしたら、誰が尊敬できますか」



国民の声に背き、天皇陛下や旧宮家の人々といった当事者の声にも耳をふさいで、ことを進めようとする高市政権。果たして、その先にはどのような皇室の未来が待っているのか――。

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  • 確かに養子は無理があると思う。80年前に皇族から降りたのに、その子孫で国民が納得する方が見つかるのか、さらに、そのような立場になることを望む方がいらっしゃるのか疑問。
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