2025年限りでWEC世界耐久選手権のハイパーカークラスから撤退したポルシェ963(ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツ) ポルシェ・モータースポーツの責任者であるトーマス・ローデンバッハは、FIA国際自動車連盟、ACOフランス西部自動車クラブ、IMSA国際モータースポーツ協会がトップクラスのテクニカル・レギュレーションをひとつに統合する計画は、ポルシェにとって2030年のWEC世界耐久選手権ハイパーカークラスへの復帰を検討するうえで「重要な役割を果たすだろう」と述べた。
先週、ル・マンで開催されたACOの年次記者会見で明らかにされた、まだ最終決定されていない新しいテクニカル・レギュレーションの基本方針は、共通のシャシー規則、四輪駆動車の廃止、そしてメーカーが独自のシャシーやハイブリッドシステムを構築する選択肢を求めている。ただし、これらは現在のLMDhプラットフォームからある程度引き継がれる予定の既製品と同等のパフォーマンスレベルに制限される。
数年前に単一プラットフォームを最初に提唱したメーカー幹部のひとりであるローデンバッハは、この進展は「良い方向」に向かっていると述べたが、世界選手権のトップクラスへの復帰を果たす前に考慮すべき他の要因があると強調した。
同氏は先週末、Sportscar365を含む一部の記者団に対し次のように語った。「LMH(ル・マン・ハイパーカー)とLMDh(ル・マン・デイトナ・h)を廃止するというステップ、そしてそれは大きなステップだが、我々の見解では確実に非常にポジティブなことだ」
「他にも満たされるべき境界条件がある。しかし、我々はそれを注視しており、また非常に明確な声明として、我々は決してル・マンに背を向けたことはないと言ってきた」
「私たちはは2025年以降に撤退するという決断を下した。そして、その方針に従っている。我々は(将来に向けて)意見を述べており、それは正しい方向に向かっている」
ローデンバッハは、この規則が将来のハイパーカー・プログラムの決定におけるひとつの要因になることを認めた。
「それは役割を果たすだろう」と彼は述べた。「私たちが関与を止めたのには理由があった。当然、復帰を考えるなら、さまざまな側面を考慮しなければならない」
「もちろん、ひとつは『技術ルールはどうなっているか? シリーズはどうなっているか?』ということだ」
「確かに、技術ルールがひとつしかないという点はプラスに作用する。ただし、それがどれほど影響するかについては、他にも考慮すべき側面がある」
彼はさらに付け加えた。「全体的な方向性は良いと思う。重要なのは技術規則をひとつだけにすることだと思う。基本的にLMDhもLMHも存在しなくなる。それは良い一歩だ」
「また、四輪駆動を排したLMDhの方向に少し近づき、マシンの複雑さを取り除くことも、コストを考えるうえで進むべき正しい道だと思う」
「それは確かに良いことだ。我々もそのフィードバックを伝えた。しかし、詳細がなにも決まっていないため、規則について話すのは時期尚早だと言わざるを得ない」
「決めるべきことはまだたくさんある。基本方針では独自のハイブリッドシステムを作ることできるとなっているが、これについてどのようにルールが設定されるのだろうか? 当然、それによって利益を得られないようにすることが目標でなければならない」
「特注のシャシーも同様だ。私の知る限り、安全基準の関係で誰もが新しいシャシーを作らなければならないが、それは問題ない」
「(新規則の骨子は)良い方向を向いているが、これからが正念場だ」
■2027年の復帰は「期待しないでほしい」
ロジャー・ペンスキーは以前、ポルシェとともにル・マン24時間レースに復帰したいという野望を表明した。そのためにはWECへのフルシーズン参戦が必要となるが、ローデンバッハはすでに来年のそのような計画を否定している。
「私たちはペンスキー氏の意向を理解している」と彼は述べた。「私が言える唯一のことは、我々は決断を下したということだけだ。そして、その決断は絶対だ。現時点では、これ以上言うことは何もない」
「可能性が決してないとは言い切れないが、これは(ポルシェがハイパーカークラスを去った最初のシーズンの)わずか3戦目が終わったところだ。新たな決定事項などはない」
「我々が発表した内容と相反する決定はないんだ。来年、我々がそこにいることに期待しないでほしい」
しかし、ローデンバッハは、少なくとも2027年シーズンの終了まで、IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権にポルシェのワークスチームとして参戦し続けることを改めて表明した。
[オートスポーツweb 2026年06月19日]