葉緑体のゲノム編集で光合成の効率を高めたと記者会見する東京大大学院農学生命科学研究科の有村慎一教授(左)と矢守航准教授=19日、東京都文京区 植物の葉緑体の主要な酵素「ルビスコ」をゲノム編集と呼ばれる遺伝子操作方法で改良し、光合成の効率を高めて大きく成長させることに初めて成功したと、東京大と立命館大、神戸大、大阪大の研究チームが19日発表した。
対象は植物研究によく使われるシロイヌナズナ(アブラナ科)だが、東大大学院農学生命科学研究科の矢守航准教授は「将来はイネやコムギ、ダイズ、トマトで実現し、生産性を向上させたい」と話している。
ルビスコは触媒として、二酸化炭素(CO2)を利用して有機物を生み出す反応を促す。遺伝子にゲノム編集を行い、アミノ酸の種類を一部変えたところ、反応速度が向上。栽培実験で大きく成長し、葉の総面積や種子の量が増えた。
葉緑体は祖先のシアノバクテリアが植物細胞に取り込まれて小器官になったと考えられており、独自のDNAを持つ。ルビスコは葉緑体側と植物側の遺伝子がそれぞれ生み出した部品が組み合わさって機能しており、改変したのは葉緑体側の部品だった。論文は英科学誌ネイチャー・コミュニケーションズに掲載された。