映画界の超一流たちに共通する「価値基準」とは ワーナージャパン元社長が明かす仕事の流儀

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2026年06月23日 18:10  BOOK STAND

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『日米映画の架け橋 ラストサムライ2393億円の男』ウィリアム・アイアトン 双葉社
 映画の最後に流れるエンドロールを見て、「この1本にこれほど多くの人が携わっているのか」と驚いたことがある人は多いのではないでしょうか。ワーナー・ブラザース映画の日本代表を務めたウィリアム・アイアトン氏も、そうした映画関係者の一人です。『マトリックス』『ハリー・ポッター』『ラスト サムライ』『硫黄島からの手紙』など、彼が手がけてきた作品の総興行収入は優に2000億円を超えるといいます。今回紹介する『日米映画の架け橋 ラストサムライ2393億円の男』は、そんなアイアトン氏の"世界基準の仕事術"について明かした一冊です。

 半世紀近くにわたって映画の世界に身を置いてきたアイアトン氏。本書では、彼が現場で目撃した映画スターたちのエピソードについても惜しみなく披露されています。

 第1章の最初に登場するのは、ハリウッドの名優にして監督でもあるクリント・イーストウッド。『硫黄島からの手紙』は日本人俳優を起用して撮影したことで話題となりましたが、アイアトン氏は彼のスピーディーな撮影手法や、俳優のアイデアを積極的に採用する演出、大々的な宣伝活動をおこなわないスタイルなどを高く評価しています。

「妙な宣伝はしなくても、いい映画は必ずヒットする。その信念のもと、イーストウッドは半世紀以上にわたって映画を作り続けてきました」(本書より)

 日本人の母とアメリカ人の父を持つアイアトン氏。この映画は、「いつか日本とアメリカの架け橋になるような映画を作りたいと思っていました。その意味でも忘れることのできない作品」(本書より)と記します。

 同じく第1章で取り上げられているのがトム・クルーズです。彼が親日家で何度も日本を訪れていることは有名ですが、映画のプロモーションの舞台裏を知ると、そのファンサービスぶりに改めて驚かされます。

 ほかにも、キアヌ・リーブス、ケビン・コスナー、ブルース・ウィリス、ブラッド・ピット、トム・ハンクスなど、そうそうたる海外スターの知られざるエピソードが明かされています。これまでのイメージを裏付けるようなものもあれば、意外な一面が見られるものもあり、非常に興味深い内容です。

 アイアトン氏は、何よりも大切なのは「人と人とのつながり」だとし、以下のように記します。

「華やかなスクリーンの裏側は、誰かを信じ、夢を託し、共にリスクを負う相互の信頼によって成り立っています。これから新しい道を切り拓いていく若い読者の皆様には、業界の表層的なきらびやかさだけでなく、その背後にある『人と人とのつながり』や、現実的なビジネスのダイナミズムから、何か意味のあるものを受け取っていただけたら」(本書より)

 アイアトン氏によると、一流のスターたちに共通するのは「自分だけの価値基準を持っている」ことだそうです。クリント・イーストウッドの基準は「演技、トム・クルーズの基準は「ファン」。さらに、日本が生んだ二人のスター、渡辺 謙と真田広之の基準には「リスペクト(敬意)」を挙げています。

 皆さんにとって、仕事をするうえで最も大切な価値基準はなんでしょうか。この機会に、アイアトン氏や海外スターといった超一流たちの流儀を参考に、自身の仕事観について考えてみるのもよいかもしれません。

[文・鷺ノ宮やよい]



『日米映画の架け橋 ラストサムライ2393億円の男』
著者:ウィリアム・アイアトン
出版社:双葉社
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