ネルソン・ピケJr.(スクーデリア・バンデイラス/シボレー・トラッカー)がトップチェッカーで今季2勝目 ブラジル中西部マットグロッソ州クイアバで争われたSCBストックカー・ブラジル"Pro Series"第5戦は、フェリペ・マッサ(タイム・ルブラックスTMG/シボレー・トラッカー)やセルジオ・セッテ・カマラ(チームRC/ミツビシ・エクリプスクロス)を抑え切り、フェリペ・バチスタ(スターリング・レーシング/ミツビシ・エクリプスクロス)が土曜スプリントで先勝。
同じくナイター照明のもと開催された日曜メインレースでは、選手権首位で“初代SUVチャンピオン”のフェリペ・フラーガ(ユーロファーマRC/ミツビシ・エクリプスクロス)との攻防を制し、ネルソン・ピケJr.(スクーデリア・バンデイラス/シボレー・トラッカー)がトップチェッカーで今季2勝目。表彰台の最後の一角にはダニエル・セラ(ブラウ・モータースポーツ/ミツビシ・エクリプスクロス)が入り、元“4冠”王者が復活の狼煙を上げている。
州都クイアバに舞台を移し、マットグロッソ・インテルナシオナル・アウトドローモにて争われたシリーズ第5戦は、今大会からバンコ・ブラデスコ(Banco Bradesco)がSCBのタイトルスポンサーに就任し、即日発効で2026年および2027年の2年契約を結んだことがアナウンスされた。
そんな区切りの1戦で輝いたのはピケJr.で、今季も併催の週末は忙しくTCRサウスアメリカ・シリースと掛け持ちする元F1ドライバーは、予選でタイトル候補のガエターノ・ディ・マウロ(ユーロファーマRC/ミツビシ・エクリプスクロス)を退け自身通算3回目、今季初となるポールポジションを獲得する。
一方、予選トップ12が逆転するインバーテッド・グリッド規定でリバースポールを得た元跳ね馬乗りのマッサは、土曜スプリントの最前列からスタートする権利を得るが、激しい雨のためセーフティカー(SC)先導下での始まりとなったレースは、コースコンディションを考慮してレースコントロールが規定されていた義務ピットストップの中止を決定する難しい条件と化す。
その2周後にレースが再開されると、良好な視界を活かして首位を維持したマッサに対し、後方5番手発進だったバチスタが猛烈なペースで追い上げ、素早くセッテ・カマラを抜いて2番手へ。そして6周目にはマッサもかわしてトップに立つ。
ここから終始力強いペースを維持したスターリング・レーシングの121号車エクリプスクロスは、サーキット上の最適なラインを攻略し「この勝利をとてもうれしく思う。レースを通じて非常に力強いペースを維持でき、スタートからフィニッシュまで、まるで予選のようなスピードで走り続けることができた」と、同シリーズ通算5勝目を挙げた。
「チームが用意してくれたマシンのおかげで、レース中ずっと自信を持って攻めることができ、そのパフォーマンスを重要な勝利へと結びつけ、チャンピオンシップ争いに加わることができた」と喜びを語ったバチスタ。「これからも週末の残りのレースに集中し、可能な限り多くのポイントを獲得して、さらなる勝利を目指したい」
同じく表彰台を確保し、タイトル争いに向けた貴重なポイントを獲得したマッサも「良いレースだった。スタートを上手く決め、序盤にリードを築くことができたが、バチスタのペースが勝っていた」と応じた。
「彼が追いついてきた時の速さは圧倒的で、勝利に値する走りだった。たとえ全力を尽くしたとしても、今日の彼を抑え切るのは非常に難しかったと思う。そこから2位の座を守り切り、SC導入後もふたたび後続との差を広げることができた。優勝できれば最高だったけど、ポイントを獲得できたことには満足している」
そしてグリッド上でマシントラブルに見舞われながら「感情が高ぶるレースだった。電気系のトラブルが発生し、一時はスタートすらできないかと思ったからね」というセッテ・カマラも自身2戦連続の表彰台入りを果たした。
「メカニックが土壇場で解決策を見つけてくれたので、正直なところポイント圏内で完走できればそれだけで勝利に等しい。レコノサンスラップ(下見走行)も走れなかったので、序盤の数周はコースコンディションへの適応と把握に努め、表彰台に上がれたことでさらに特別な結果となったね」
明けた日曜メインレース開始前、SCB通算400戦出場という節目を迎えたチアゴ・カミーロ(メルカド・リブレ・レーシング/トヨタ・カローラクロス)を称えるセレモニーがスターティンググリッドで行われ、ベテランには自身のマシンを模った特製ミニチュアモデルが贈呈された。
迎えた決勝はオープニングから3周後にコース上の危険な位置に数台のマシンが停止したため、最初のSCが発動。リスタート後、義務付けられたピットストップのウインドウが7周目に開くと、ポールシッターのピケJr.やセラがピットに入り、コース上では3番手発進から優勝戦線に絡んでいたアラム・コデア(ブラウ・モータースポーツ/ミツビシ・エクリプスクロス)のトラブルで再度SCが介入するなど、目紛しい展開を見せる。
しかし13周目の終わりにリスタートが切られて以降もピケJr.が首位を維持し、セラ、フラーガのトップ3オーダーに。終盤、元王者を仕留めたディフェンディングチャンピオンがピケJr.に勝利を懸けたプレッシャーを掛け始めたものの、最終ラップの仕掛けでもオーバーテイクは叶わず。ピケJr.がSCB通算7勝目をポール・トゥ・ウインで決めてみせた。
「週末を通して、自分たちのマシンが最速ではないことは分かっていた。ポールポジションを獲得できたのは、チームが完璧な戦略を実行してくれたこと、そして雨が激しくなる前にコースコンディションをうまく活かしたラップを走れたおかげだ」とカスカヴァル以来の2勝目を挙げ、ランキングでも6位に浮上したピケJr.。
「好スタートを切り、適切なタイミングでプッシュ・トゥ・パスを使い、ピットストップも完璧にこなし、さらに絶えずコミュニケーションを取りながらタイヤの摩耗やギャップを管理した。フラーガのペースは非常に良く、最終ラップまでプレッシャーを掛けられ続けたし、つねに限界ギリギリの走りを強いられた。この勝利はチームの強さを証明するもので、必ずしも最速のマシンを持つ者が勝つわけではなく、週末のあらゆる局面をもっとも的確に遂行した者が勝つんだ」
そしてトップ3入りから遠ざかっていた長い期間を経て、表彰台に復帰したセラも「表彰台に戻れてとてもうれしい。チームは正しい道を見つけるために懸命に取り組んできた」と勝利を取り戻すためのチームの努力を強調した。
「全員に能力があることは分かっていたし、なぜ結果が出ないのか理解に苦しむこともあった。何時間ものミーティングや、改善のための模索に多くの日数を費やしたし、今週末、僕たちは重要な一歩を踏み出したと確信している」
これで獲得ポイントを499点まで伸ばし、フラーガがランキング首位の座を固めた2026年のSCBシーズン。続く第6戦はサンパウロ州モジ・グアスのアウトドローモ・ヴェロチッタで7月25〜26日にシーズンの折り返し地点を迎える。
[オートスポーツweb 2026年06月26日]