日本有数の映画ガイド・高橋ヨシキが『遺愛』をレビュー!

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2026年06月26日 17:20  週プレNEWS

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本作はロッテルダム国際映画祭をはじめ各国の映画祭で早くも高い評価を得ている
日本有数の映画ガイド・高橋ヨシキが新作映画をレビューする『高橋ヨシキのニュー・シネマ・インフェルノ』。"愛"と"呪い"の介護ホラー!
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『遺愛』
評点:★3点(5点満点)
©2026「遺愛」製作委員会

端正な恐怖映画が必然的に欠いてしまうもの

映画における恐怖の対象ははっきり画面に映るべきだ、と筆者は考えている。

これは自分にとっては信念と言っても過言ではない。

が、それはあくまで「自分にとって」のことである以上、単なる好みの問題と受け取られても構わない。

ただ恐怖映画において、登場人物がおののき、おびえ、絶望する表情が示されるとき、その人の視線の先にあるものが映し出されないことは、どこか不誠実に感じてしまうということはある。

即物的で安っぽい願望だと言われるかもしれないが、少なくとも映画においては、ほのめかしの先にある恐怖の実体を目にしたいのである。

とある姉妹を中心にした人間関係の輪の中で起こる呪い(?)と死の連鎖を描く本作は端正で上品な映画である。

端正で上品であるがゆえに、そこで描かれる恐怖は婉曲的なほのめかしの向こう側にある「何か」として提示されるし、怪異の連鎖は主に台詞で説明されることになる。

ある意味、文芸的な色合いの強い作品だということは言えるだろうが、「ショック・ヴァリュー(ショッキングな映像が提供する快楽もしくは価値)」に重きを置く立場からすると、いかにも上品すぎて物足りなく感じてしまうこともまた事実なのだ。

STORY:父の死を機に実家に戻り、認知症の母の介護を始めた佳奈。献身的に介護に当たるが、母の不可解な言動は徐々に常軌を逸したものになっていき、周囲で起こる異変にも違和感を覚える

監督:酒井善三
出演:山下リオほか
上映時間:90分

全国公開中

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