ニセ警察詐欺などの被害防止に向け、国際電話をブロックできる防犯アプリの使用を呼び掛ける警察庁のホームページ(同庁サイトより) 特殊詐欺の手口の中で被害が多い「ニセ警察詐欺」の東京都内1〜5月の認知件数が前年同期比38.8%減の548件、被害額が同38.3%減の61億7069万円と、いずれも約4割減少したことが6日、警視庁への取材で分かった。
ほぼ同じ時期に、同庁が被害防止のため利用を呼び掛ける防犯アプリのダウンロード数が倍増したことも判明。同庁幹部は「被害防止策の効果が出始めている」と手応えを語る。
警察官に成り済まして電話をかけ、うその逮捕状を示すなどして金をだまし取るニセ警察詐欺は、2023年ごろから全国的に猛威を振るっている。
警察庁によると、統計を取り始めた25年の被害額は985億円に上り、特殊詐欺全体の約7割を占めた。1日当たりの平均被害額は2.7億円。その多くは「+1」などで始まる番号からかかってくる国際電話が被害のきっかけだった。
警視庁は、国際電話の不要な着信を止めれば被害が減らせると考え、対策を検討。昨年12月、同庁の防犯アプリ「デジポリス」に携帯電話への国際電話を遮断できる新機能を搭載した。活用を呼び掛けたところ利用者が急増し、それまでの約10年間で計約100万件だったダウンロード件数は約7カ月で倍増した。
新機能による着信拒否件数は、把握できるアンドロイドだけで約42万件に上り、「iPhone(アイフォーン)も含めると相当数の電話を防いでいる」(同庁幹部)とみられる。
同庁は固定電話への対策にも力を入れており、管内の住民に対し、国際電話の着信を拒否できる無料サービスの利用も促している。
ただ、警察庁によると、全国的には被害に歯止めがかかっておらず、1〜5月の被害額は前年同期比24.2%増の403億円に上る。警察庁が推奨する民間防犯アプリも3月に運用が始まったが、5月末時点のダウンロード数は約114万3000件。今後、いかにアプリの利用者を増やせるかが被害防止の鍵を握りそうだ。

警視庁本部=東京都千代田区