アズコナが今季2度目の予選最速から初優勝。母国開催でクレーレも悲願成就/TCRワールドツアー第3戦

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2026年07月06日 17:40  AUTOSPORT web

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ミケル・アズコナ(BRCレーシング/ヒョンデ・エラントラN EV TCR)が、今季2度目の予選ポールポジション獲得からレース1で“ライト・トゥ・フラッグ”のシーズン初優勝
 フランス・ポールリカールの3.8kmレイアウトにて、7月3〜5日に争われた2026年のFIA TCRワールドツアー第3戦は、会期直前に発効したワールドツアー独自のBoP(バランス・オブ・パフォーマンス/性能調整)により強豪チームの明暗が分かれる展開に。

 第2戦ヴァレンシアで“クリーンスイープ”の3連勝を飾ったサンティゴ・ウルティア(ジーリー・シアン・レーシング/ジーリー・プリフェイスTCR)が苦戦を強いられるなか、同じくBoP調整の入ったヒョンデ・エラントラN EV TCRを走らせるミケル・アズコナ(BRCレーシング)が、今季2度目の予選ポールポジション獲得からレース1で“ライト・トゥ・フラッグ”のシーズン初優勝を飾ってみせる。

 そして最終ヒートのレース2では、地元フランス出身の“伏兵”テディ・クレーレ(チーム・クレーレ・スポーツ/クプラ・レオンVZ TCR)が、終盤の数周にわたりマ・キンファ(ジーリー・シアン・レーシング/ジーリー・プリフェイスTCR)からの激しいプレッシャーを跳ね除け、FIA TCRワールドツアー初優勝を飾っている。

 この第3戦を前にTCRカテゴリー最新の技術規定(テクニカル・ブリテン)が発行され、今季よりTCRワールドツアーに投入された新型『ジーリー・プリフェイスTCR』と、現状は世界戦のみで使用されているアップデート版の『ヒョンデ・エラントラN EV TCR』に対し、出力と重量の数値が変更に。吉利汽車(ジーリー)製最新モデルは出力レベルが97.5%から95%に引き下げられ、最低重量は10kg増加して1295kgに。一方のヒョンデも最低重量が10kg増加して1295kgとなり、出力レベルは100%から97.5%に引き下げられた。

 さらに戦績に応じて搭載される都合40kgのコンペンセーション・ウエイト(補償重量)を抱えた選手権首位ウルティアに続き、ランキング2位の同僚テッド・ビョーク(ジーリー・シアン・レーシング/ジーリー・プリフェイスTCR)は30kgとなり、前戦の3ヒート中で2回リタイアを喫した王者ヤン・エルラシェール(ジーリー・シアン・レーシング/ジーリー・プリフェイスTCR)は、補償重量の搭載が免除に。一方のヒョンデ陣営はアズコナの搭載量が10kg、そして僚友ノルベルト・ミケリス(BRCレーシング/ヒョンデ・エラントラN EV TCR)が20kgに留まり、オーレリアン・コンテ(SPコンペティション/クプラ・レオンVZ TCR)が30kgを搭載する条件となった。

 そのコンテの僚友で日本でも活躍を演じたジャン-カール・べルネイは、依然として怪我の回復途上にあり今回の地元戦を欠場。代わってフランス出身ドライバーのジル・ショーヴァンとヴィクトル・ウェイリッヒがワールドツアーデビューを飾り、FFSAフランス・ツーリングカー選手権に参戦するショーヴァンはSPコンペティションから、一方でTCRヨーロッパ参戦中の新鋭ウェイリッヒはエレロ・レーシングで、それぞれクプラ・レオンVZ TCRのステアリングを握る。

 するとレースウイーク走り出しのFP1では、このフレンチ軍団が先制攻撃を仕掛け、世界戦初挑戦のウェイリッヒが先輩コンテと王者エルラシェールを従え、フランス・トリオでの1-2-3を完成させる華々しいデビューを飾る。

 しかしミケリスがやり返したFP2以降は、大径タービンを装着した“アップデート版”たるエラントラN EV TCRが、現状の世界戦専用車らしい速さを披露し、続く予選では僚友アズコナが「わずか10kg軽い」分のアドバンテージを活かし、母国戦エルラシェールをも0.099秒差で退け、今季2度目の予選最速を記録してみせた。

「マシンのバランスは最高だったよ」と予選中はセッションの大半でトップに立っていたアズコナ。「予選中に行ったいくつかの変更によって、マシンの調子は走るたびに良くなっていった。ドライバーとして最高のマシンを手にできたおかげで、限界まで攻めて最速ラップを記録し、ポールポジションを獲得することができたね」

「チームの成果をうれしく思うが、やるべきことはまだたくさん残っている。自分が何をすべきかは分かっているし、あとはそれを実行するだけ。正直なところ、あまりプレッシャーを感じすぎないようにしているし、僕はプレッシャーがない状態が好きだ。余計な心配をしない時の方が、たいてい物事はうまくいくからね。ぐっすり眠って、明日はいいスタートを切ることさ!」

 一方、この予選を終えた段階でウルティアとマ・キンファのふたりは、開幕からの戒告処分が累積3回に到達したことで、それぞれ10グリッド降格のペナルティを受け、グリッド後方からスタートすることになった。

 これでさらに重圧の減ったアズコナは、明けたレース1で盤石のドライブを披露。スタートを決めターン1でエルラシェールを抑え込んだオープニングラップでは、後続のアクシデントによりセーフティカー(SC)が発動するものの、3周目のリスタートでも動じず。そのままスタートからフィニッシュまでトップを走り続け、待望の今季初優勝を手にした。

「スタートが鍵だった。最大の目標は最初のコーナーで首位の座をキープすることだったが、その後はヤン(・エルラシェール)が激しく迫ってきて、決して楽な展開ではなかったよ」とアズコナ。

「彼のペースは素晴らしく、とくに最終セクターでは僕よりもはるかに速かった。ただセクター1では僕の方が速かったので、そこでギャップを維持しようと努めた。かなりプッシュする必要があったし、後続でパンクが発生していたことや、追撃をかわすために縁石を乗り越えなければならなかったことから、左フロントタイヤの状態が心配で仕方なかった。非常に暑く、過酷な条件だったけど、ポールポジションからチームに優勝をもたらし、選手権に向けた重要なポイントを獲得できたことをうれしく思うよ」

 続いてリバースグリッドのポールシッターが出遅れ、後続集団に飲み込まれてターン1で接触ハーフスピンを喫したレース2は、その後も4番手を争うビョークとコンテが激しい“コンタクト・バトル”を演じるなど肉弾戦の様相に。

 前戦グリッド降格のロスを取り戻したいウルティアは、そのレース1勝者アズコナと王者エルラシェールに対し3番手を巡る激しい争いを繰り広げ、アズコナの追撃を懸命に抑え込み、チャンピオンシップのライバルに対し重要なポイントを死守する。

 その前方では、グリッド2番手と3番手から発進したクレーレとマ・キンファが一騎打ちとなり、終盤には2番手のプリフェイスTCRがクプラとの差を急速に詰め、最後の数周はリヤバンパーに張り付くほどの接近戦を演じる。

 しかし今季より世界戦に兄弟スポットのプログラムで参戦するクレーレは、最終的に中国人ドライバーの猛追を凌ぎ切り、わずか0.153秒差でFIA TCRワールドツアー初優勝のチェッカーを受けた。

「チームとこれまで積み重ねてきたすべての努力が報われて本当にうれしい」と、これまで兄ジミーとともにTCRを戦ってきたテディ。「スタートは本当に上手く行き、発進が良かった。TCRではターン1までに多くのことが起こり得るから、良いスタートを切ることが鍵になるんだ」

「マ(・キンファ)に対しては、相手がリスペクトを持って戦ってくれるドライバーだと分かっていたので、アウト側の並走は可能だと確信していた。フェアな戦いで、お互いに必要なスペースを確保し合っていた。でも残り2周というところで彼が追いついてきた。最後にはなんとか逃げ切れたけれど、あのタイミングでレースが終わってくれて本当に助かったよ……」

 これで第3戦の週末を終え、ウルティアは依然としてランキング首位を維持したものの、そのリードはレース1勝者アズコナに対してわずか6ポイント差にまで縮まることに。続くFIA TCRワールドツアー第4戦は、次週バック・トゥ・バックの連戦でポルトガルのヴィラレアル市街地で争われる。

[オートスポーツweb 2026年07月06日]

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