19番グリッドからの逆転を果たしたルーカス・ディ・グラッシ 2025/26年フォーミュラE第13戦上海E-Prix
7月5日に中国・上海で行われたABB FIAフォーミュラE世界選手権の第13戦『上海E-Prix』で、ローラ・ヤマハABTフォーミュラEチームが参戦2シーズン目にして初勝利を挙げた。決勝ではルーカス・ディ・グラッシが19番グリッドから力強い走りを見せ、大逆転を果たして首位でチェッカーフラッグを受けた。
フォーミュラEは、電動レーシングカーによる世界選手権。エネルギーマネジメントと戦略性が勝敗を左右するカテゴリーであり、ヤマハ発動機は2025年からローラと協業し、パワートレイン供給を含む技術参画を開始した。2年目の今季は、現行マシンGEN3 Evoの熟成を進めるなかで上位争いが増え、連続でポイント獲得を続けていたなかでの快挙となった。
上海の決勝は雨の影響を受け、路面状況が刻々と変化する難しいコンディションだった。フォーミュラEのタイヤはオールコンディション用のワンメイクだが、そのうえでディ・グラッシはドライのセットアップを選択。レース後半のコンディション回復を予想し、序盤は下位集団でエネルギーを温存する作戦を採った。
想定通りに路面が乾き始めるとディ・グラッシはペースを上げ、ライバル勢が1度目のアタックモードを使い終えた頃になってアタックモードを投入。15番手から一気に3番手へ浮上した。
さらに終盤には、僚友ゼイン・マローニ(ローラ・ヤマハABTフォーミュラEチーム)がサスペンションの故障でストップしてしまい、フル・コース・イエロー(FCY)が導入された。
残り2ラップでFCYが明けるタイミングで、優勝を争うのは首位ジャン-エリック・ベルニュ(シトロエン・レーシング)、2番手ジョエル・エリクソン(エンビジョン・レーシング)と、3番手のディ・グラッシとなり、僅差でラストスパートに突入した。
このなかで、唯一2回目のアタックモードを残していたディ・グラッシが圧倒的優勢の立場となり、残り2周でエリクソンを、ファイナルラップでベルニュを次々とオーバーテイク。19番手スタートからの逆転劇でチームに初勝利をもたらした。
レース後、ディ・グラッシは「最高の日になった。とても厳しいレースで、19番グリッドからのスタートでしたが、チームにとっての初勝利を達成することができたよ。半分はレインコンディション、半分はドライコンディションという難しいレースで、何度も『もうダメか』と思った瞬間があったけど、それでも信じ続け、最後までプッシュし続け、最終ラップでトップに立ち、優勝できた。
応援してくれたファンのみなさん、そしてチームのみんな、本当にありがとう。この勝利は私たちにとって、とても大きな意味がある。最後まで全力を尽くし続けるよ」とコメント。
すでに今季限りでの引退を発表しているフォーミュラEレジェンドにとって、この勝利はキャリア14勝目となり、ロキット・ベンチュリで走っていたシーズン8以来4年ぶりの美酒。さらに41歳328日での勝利として、フォーミュラE史上もっとも成熟したキャリアでのウイナーとして記録された。
ついに初勝利をあげたローラ・ヤマハABTフォーミュラEチームは、7月25日・26日に開催される東京E-Prixへ向けて準備を進めており、ホームレースでのさらなる躍進が期待される。
[オートスポーツweb 2026年07月06日]