井上正大がモーション担当した「VRスーツヒーローショー」 (C)oricon ME inc. 7月11日から26日まで開催される世界最大級のメタバースイベント『バーチャルマーケット2026 Summer』に青山商事が初出展する。会期を前に実施されたメディア向け先行体験会では、『洋服の青山』と『SUIT SQUARE』の合同ブースを公開。VRならではの没入型アクションショーやアバター試着を通じて、若年層との新たな接点づくりを目指す取り組みが満載。広告を見るのではなく、ブランドを"体験する"ことを重視した、新たなコミュニケーション施策の一部を取材した。
【写真】”盛れる”角度を探したくなる!? ヒーローと記念撮影に挑戦 ■「動けるスーツ」をヒーローショーで表現 井上正大の本格アクションが没入体験を演出
ブースでは、スーツの機能性を"体験"として伝えるため、VRならではのコンテンツを多数展開。その中でも目玉となるのが、“青山メタスーツシアター”と題した没入型のVRスーツヒーローショーだ。
参加者は舞台を客席から眺めるだけではなく、自らストーリーの登場人物として空間に入り込む。スタートすると、闇のヒーローに捕らわれた状態から物語が始まり、光のヒーローが救出。目の前で迫力あるアクションが繰り広げられ、参加者自身もステージを自由に歩き回りながら観劇できる。
ヒーローは『みんなのスーツ』を着用した光のヒーローと、「ドレススーツ」をまとった闇のヒーローで構成。男女それぞれ選択できるため、組み合わせは全4パターンを用意。ショーではストレッチ性やウォッシャブルといった機能性を必殺技の演出に落とし込み、「スーツを着たまま自由に動ける」という商品の特徴を、映像ではなく体験として伝えている。
モーションアクターには、元『仮面ライダー』主演俳優の井上正大を起用。本格的なアクションによって、スーツの機能性をエンターテインメントへと昇華させた。
ブースではこのほか、『みんなのスーツ』を着用した人気アバター「しなの」や「楽」も展示。VR空間で実際にスーツを着用し、鏡の前で360度確認できるほか、展示されたスーツを手に取り、生地の質感など細部まで再現された3Dモデルを実物を手に取る感覚に近い視点で観察できるのも見どころだ。
さらに、「人の第一印象は何秒で決まる?」「ジャケットの正しい着用方法は?」などビジネスマナーを学べる「ミニ青山クイズ」も設置。楽しみながらスーツや身だしなみに関する知識を身につけられるコンテンツとなっている。
■若年層との接点を"広告"から"体験"へ メタバースを新たな入り口に
今回の出展について青山商事は、商品販売そのものよりも、20〜30代の若年層との新たな接点づくりを重視しているという。
担当者は「一番の目的は、これまで十分にリーチできていなかった若い世代にブランドを知ってもらうこと。メタバース空間で体験してもらい、現実世界で『洋服の青山で見たスーツだ』と思い出してもらえる入り口になれば」と狙いを説明した。
ブース内ではあえて商品の販売は行わない。来場者の反応やアンケートを通じてリアルな声を収集し、今後の購買体験づくりへ生かす考えだ。また、オンラインストアへ遷移できる導線も設け、VRでブランドに興味を持ったユーザーを現実の購買へ自然につなげるOMO施策も検証する。
共同でブースを制作した株式会社HIKKYも、従来の広告との違いを強調する。同社担当者は「広告は数秒でスキップされることも多いが、バーチャルマーケットでは企業ブースの平均滞在時間が10分を超える。利用者は広告を見せられている感覚ではなく、楽しい体験の中で自然とブランドを知っていく機会になる」と説明した。
『バーチャルマーケット』自体は2018年にスタートし、現在では延べ130万人以上が来場する世界最大級のVRイベントへ成長。企業主体ではなくユーザーコミュニティから発展したイベントであることから、来場者の熱量も高く、企業は双方向のコミュニケーションを図れる点が特徴という。
青山商事も今回の初出展を「メタバース領域への第一歩」と位置付ける。老舗スーツブランドのイメージを維持しながらも、ヒーローショーやアバター試着といったVRならではの演出を取り入れることで、『洋服の青山』や『SUIT SQUARE』の新たなブランドイメージを発信していく考えだ。
『バーチャルマーケット2026 Summer』は7月11日から26日まで開催。青山商事のブースは企業出展会場「パラリアルブロードウェイ」に設置され、VR機器のほかWindows PCからも無料で参加できる。会期中は社員アバターによる接客イベントや座談会も予定されており、リアルとデジタルを融合した次世代の顧客体験に挑戦する。