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「あの娘と会えそうな六本木〜。甘い香りに誘われて〜♪」
まるで長年連れ添った夫婦のように息のあった演歌をデュエットするのは、“アイフルおじさん”の愛称で親しまれた俳優・清水章吾(82)と、内縁の妻で演歌歌手の水沢巡美(65)だ。
チワワの「くぅ〜ちゃん」と共演したアイフルのCMで一世を風靡した清水。しかし近年は闘病や生活苦が報じられ、一方の水沢も清水の元妻に対する脅迫や名誉毀損事件で有罪判決を受け、現在は控訴中という渦中の人でもある。
波乱万丈な人生を送る二人が、6月中旬に群馬県前橋市で開かれたコンサートにゲスト出演した。本誌は、その舞台裏に密着した。
二人を招いたのは、地元で活動するシンガーソングライター・小暮哲朗氏が主催するコンサート。会場となったホテルの宴会場には100人近い観客が集まった。
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この日のために前日、床屋で散髪してきたという清水。出番を待つ清水に「緊張しますか?」と尋ねてみると、「全然」と一言だけ返ってきた。芸歴65年以上。数え切れないほどの舞台や撮影現場を経験してきたベテラン俳優にとっては、愚問だったようだ。
俳優としての印象が強い清水だが、若い頃には都内のクラブで歌っていた経験もあるという。「芸能界に入った頃に歌の特訓を受けたんだ。芝居とは別に歌も習えって言われてね」と懐かしそうに振り返る。その横で水沢は、「章吾さん、最近は物忘れがひどくて、歌詞を忘れちゃうのだけが心配なんですよ」と笑いながら歌詞カードを手渡した。清水は何も言わず、その歌詞カードをじっと見つめ、本番に備えていた。
そして迎えた出番。艶やかなアロハシャツ姿の清水がステージへ姿を現すと、客席からはこの日一番の歓声が上がった。“アイフルおじさん”の知名度は今なお健在だった。
最初に披露したのは、冒頭のフレーズで始まる二人のデュエット曲『すきすき六本木』。演歌歌手として活動する水沢の歌唱はもちろん、清水も味のある歌声を響かせる。ただ、その左手には先ほどの歌詞カードがしっかり握られたまま。結局、曲のほとんどを歌詞カードに目を落としながら歌い切った。ベテラン俳優も迫りくる年齢には勝てないのかもしれない。
一方、ステージを巧みに回していたのは水沢だった。社会人になりたての頃はバスガイドをしていたというだけあって、マイクトークはお手のもの。
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観客からおひねりを受け取ると、「ありがとうございます。でも後で私たちが生活費にしちゃいますからね」と笑わせ、「章吾さんも見ての通り今もハンサムなんですが、髪だけは薄くなりまして」と清水をいじる。そのたびに会場は笑いに包まれ、当の清水も終始ニコニコと笑顔を浮かべていた。
■「すき屋で朝ごはんが唯一の贅沢」
続いて披露したのは、水沢が作詞・作曲した『愛降る人生』。どこか聞き覚えのあるタイトルに会場から笑いが起こるなか、二人は息の合った歌声で歌い上げあっという間にステージは幕を閉じた。
終演後、現在の暮らしについて尋ねると、水沢はこう切り出した。
「章吾さん、’00年に『やまとなでしこ』(フジテレビ系)に出演したとき、主演の松嶋菜々子さんからプレゼントをいただいたそうなんです。でも、それを松嶋さんの大ファンだったお友達にあげちゃったんですって。もったいないでしょう? で、松嶋菜々子を捨てて選んだのが、これ!」
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こう言って水沢は自分の顔に指をさしておどけた。それに対して清水は呆れ顔で「面白い人でしょう?」と一言。
さらに水沢は「お金がないので、たまに二人ですき家で朝ごはんを食べるのが唯一の贅沢。11時までに行くと安いんですよ。付き合った当初から料理は私がしてますよ。まあ、最近なんかはお味噌汁もお湯を注ぐだけのインスタントを出しちゃってますけどね」と打ち明けると、「出た!言っちゃった!」と、すかさず清水が笑顔でツッコミを入れる。
ステージに上っても降りても、まるで「夫婦漫才」のような掛け合いを見せる二人。お金はなくとも二人の間には笑顔があふれているようだ。
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