わずか2秒のマージンでBMWがフェラーリ封じ今季2勝目。マグヌッセンらはハイパーカー初優勝【第4戦後半レポート】

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2026年07月13日 06:40  AUTOSPORT web

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優勝した15号車BMW MハイブリッドV8(BMW MチームWRT) 2026年WEC第4戦サンパウロ
 7月12日、ブラジル・サンパウロのインテルラゴス・サーキットでWEC世界耐久選手権第4戦『ロレックス・サンパウロ6時間レース』の決勝が行われ、4番手からスタートしたBMW MチームWRTの15号車BMW MハイブリッドV8(ケビン・マグヌッセン/ラファエル・マルチェッロ/ドリス・ファントール)が総合優勝を果たした。

 LMGT3では、レーシング・チーム・ターキー・バイ・TFの34号車シボレー・コルベットZ06 GT3.R(ピーター・デンプシー/サリ・ヨルック/チャーリー・イーストウッド)がクラス優勝を飾っている。

 現地時刻11時30分に開始されたレース前半戦は接触やペナルティ、トラブルも多発するなど目まぐるしい展開となり、ピットタイミングをオフセットする陣営が複数発生するも、セーフティカー(SC)導入等はなくレースは進行。接戦の戦いが続いた。

 折り返しとなる3時間を過ぎたところで、15号車BMWを先頭とする通常戦略グループが3度目のルーティンピットへと向かい、一連の作業が終わると変則戦略組である35号車アルピーヌA424(アルピーヌ・エンデュランス・チーム)が首位に立つ。2番手に15号車BMW、3番手には51号車フェラーリ499P(フェラーリAFコルセ)、20号車BMW、12号車キャデラックVシリーズ.R(キャデラック・ハーツ・チーム・JOTA)らが上位グループを形成。ハイパーカークラスは14番手までが首位と同一ラップとあり、天候変化やセーフティカー等があれば大きな順位変動もあり得る状況のなか、後半戦の戦いへと入っていった。


■アウトラップでの“ヒヤリ”相次ぐ

 15号車BMWのラファエレ・マルチェッロはこのピット後まもなく、首位35号車アルピーヌ(アントニオ・フェリックス・ダ・コスタ)のテールに迫り、1秒以内のギャップで周回を重ねていく。マルチェッロは3時間35分経過時点でターン4から5にかけてオーバーテイクを仕掛け一度は前に出るも、コース外を走行してしまったためすぐにポジションを戻した。その約10分後、首位35号車は4回目のピットへと向かった。

 サーキット付近で雨雲も観測されるなか、レースは4時間が経過し、残り2時間の戦いへ。この4時間経過前後で通常戦略組がルーティン作業を行うが、ここでタイヤを替えた51号車フェラーリのジェームス・カラドが、ピットロード出口でバリアにヒット。左フロント部分にバナーの一部と思われるものが張り付いた状態で走行を続けた。

 ノーマル戦略組では、トラックポジションが最も前の15号車BMWが搭載燃料量も多く、有利な状況。序盤にピットでタイムロスを喫するもペースの良い12号車キャデラックは、ウィル・スティーブンスへとドライバー交代するとともに4輪を交換し、終盤の追い上げに備えた。

 15号車BMWは残り1時間50分を過ぎてからのルーティンピットでファントールへと交代するが、そのアウトラップでオーバーランを喫し、背後に迫っていた51号車フェラーリのカラドにオーバーテイクを許す。これにより、ノーマルな戦略を採るグループの首位がフェラーリへと交代するが、51号車は15号車よりも燃料搭載量が少なく不利な状況だ。

 暫定首位の51号車フェラーリは、残り1時間ちょうどのところでピットイン。リヤ2輪を交換し、アウトラップでは変則戦略組の35号車アルピーヌに先行される。これで1回のピットを残す15号車BMWが首位、その5秒後方を12号車キャデラックが走行し、満タン給油をしなくても残りレース距離を走破できるこの2台が、最終ピット後にどのポジションで戻るかが注目されることとなった。

 残り51分で12号車キャデラックがピットイン。右側2輪交換でコースへと復帰すると、51号車フェラーリの約4秒後方となる。首位15号車BMWは残り48分でピットへ。こちらも右側2輪交換を行うと、51号車フェラーリの前方をキープすることに成功した。

 このあと、入れ替わりで首位に立った35号車アルピーヌもピットへと向かい、10番手へとポジションダウン。運に恵まれず、オフセット戦略での上位進出はならなかった。

 残り25分、いよいよサーキットにはわずかに細かい雨粒が落ち始め、レースコントロールからはウエット宣言がなされる。そんななか、15号車BMW、51号車フェラーリ、12号車&38号車キャデラックの上位4台は10秒以内で走行。滑る路面の上でミスの許されない緊張感が続いたが、ファントールはチェッカーフラッグまで確実にマシンを運び、2.254秒の差で逃げ切って優勝。BMWとしては、第2戦スパでの20号車の勝利に続く今季2勝目であり、マグヌッセン/マルチェッロ/ファントールの3人にとってはWEC最高峰クラスにおける嬉しい初優勝となった。

 2位は51号車フェラーリ、3位は12号車キャデラックのものとなり、4番手以下には38号車キャデラック、83号車フェラーリが続いた。

 残り11分、5番手を争っていた20号車BMWのロビン・フラインスと50号車フェラーリのアントニオ・フォコがホームストレートエンドでのサイド・バイ・サイドからターン2で接触。20号車は6番手でチェッカーを受け、接触によりスピンを喫した50号車は8番手でチェッカーを受けている。

 厳しいレースウイークを過ごしたトヨタ・レーシングは、ペナルティもあった小林可夢偉組の7号車TR010ハイブリッドが12位。序盤にアンドレ・ロッテラーの17号車ジェネシスから接触を受け、その後長時間の修復を強いられた平川亮組の8号車は17位でレースを終えている。


■シルバードライバーでスタートしたコルベット

 LMGT3クラスは、3時間経過時点ではシルバードライバーのサリ・ヨルックをスタートドライバーに起用し、その後ブロンズのピーター・デンプシーがドライブするという変則戦略を採った34号車シボレー・コルベットZ06 LMGT3.R(レーシング・チーム・ターキー・バイ・TF)が首位に立っていたが、後半に入ってからはベン・タックのドライブする77号車フォード・マスタングLMGT3(プロトン・コンペティション)がクラス首位に立って優位にレースを進めた。

 しかし、最後の1時間に入って34号車コルベットが再び首位へと浮上。77号車フォード、69号車BMW M4 LMGT3(チームWRT)らが追いかける展開となる。やがて69号車のダニエル・ハーパーがターン11でオーバーテイクを決め2番手へと浮上し、34号車のチャーリー・イーストウッドに迫っていった。

 イーストウッドは終盤のスリパリーな路面にも難なく対応し、約8秒差でチェッカーフラッグへと逃げ切った。77号車フォードはトラックリミット違反により終盤にドライブスルーペナルティが科せられ、表彰台圏内から後退。3位表彰台は92号車ポルシェ911 GT3 R LMGT3(ザ・ベンド・マンタイ)のものとなった。

 次戦、WEC第5戦は9月6日、アメリカ・テキサス州オースティンのサーキット・オブ・ジ・アメリカズで行われる。

[オートスポーツweb 2026年07月13日]

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