2026年F1第8戦オーストリアGP フランコ・コラピント(アルピーヌ) 2026年シーズンのF1において、フランコ・コラピントはBWTアルピーヌF1チームのドライバーとして着実な進歩を見せている。しかしチームのマネージングディレクターを務めるスティーブ・ニールセンは、単なる進歩だけではコラピントが2027年以降もシートを確保できる保証にはならない、ということを極めて明確にしている。
ニールセンはコラピントの立場について率直な評価を下し、F1には感情が入り込む余地はないと強主張した。すべては結果次第ということである。2024年にウイリアムズから9戦に出場し、2025年はジャック・ドゥーハンに代わって起用されたコラピントは、この年は苦戦を強いられポイントを獲得することはできなかった。
それでもアルピーヌは、2026年に向けて23歳のコラピントを信頼し続け、その決断が実を結び始めている。第9戦イギリスGP終了時点で、ピエール・ガスリーがアルピーヌの持つ60ポイントのうちの42ポイントを獲得してチームを牽引する一方で、コラピントも5戦で入賞し18ポイントを獲得。これにより、アルピーヌはコンストラクターズ選手権5位の座につけている。
とはいえニールセンは、将来の契約は与えられるものではなく、勝ち取るものであることを明確にしている。コラピントは2027年のシートを確保するのに十分な活躍をしているかと問われたニールセンは、「誰もがさらなる結果を求めるものだ」と答えた。
「あえて言うなら、フランコはスロースターターなタイプのドライバーだ。しかし彼はよくなっているし、今年はすでに何度か素晴らしい走りを見せている。マイアミや中国はよかった。彼は成長している」
「彼が実力でその地位にいることは確かだし、時期が来れば我々は判断を下すことになる。もし彼が十分な働きをしていれば残留するだろうし、そうでなければよりよい選択肢があるということだ。それがF1というものだ」
■ガスリーとの互角の戦いが評価を高める
ニールセンは、コラピントにはまだ成長の余地があることを認めた一方で、最も重要な要素のひとつである安定性に関して、コラピントが大きな進歩を遂げたと評価した。コラピントは時々速さを見せるのではなく、レースの週末を通じてより信頼できるドライバーになったという。また経験豊富なガスリーに近いパフォーマンスを維持するその能力は、アルピーヌ首脳陣の注目を集めている。
「特にレースにおける彼の安定感は以前よりもよくなったし、ピエールに食らいついていく能力もそうだ」とニールセンは説明した。
「昨年もそうした場面は少しあったが、昨年の我々のマシンはいいものではなかったので、それ(コラピントの能力)を見分けるのは難しかった。だが今年は、彼がピエールと互角に渡り合った場面を何度か見ている。それは素晴らしいことだ」
そうしたパフォーマンスはコラピントの評価を高めたが、ニールセンの言葉は、満足していられる余地はほとんどないことを示唆している。ガスリーと互角に渡り合える場面があるのは心強いことだが、それを定期的に実現できるかどうかが、アルピーヌがコラピントを長期的な将来の戦力と見なすかどうかを決めるだろう。
■レーシングブルズとの開発競争
アルピーヌの妥協を許さない姿勢は、ドライバーのラインアップにとどまるものではない。アルピーヌは現在コンストラクターズ選手権で5位につけているが、イギリスGP終了時点でビザ・キャッシュアップ・レーシングブルズF1チームとの差はわずか1ポイントとなっており、F1の中断グループの争いは依然として予断を許さない状況だ。
ニールセンは、今この段階で気を緩めることは大きな代償を伴う過ちになるだろうと見ており、イギリスGPの前には、「シーズンはまだ折り返し地点にも達していない。気を緩めることはできない。これまでに何度かあったようなちょっとした混乱が生じれば、もしレーシングブルズに先行された場合は彼らが大量にポイントを獲得する可能性がある」と語っていた。
「リラックスする状況には程遠く、我々はレーシングブルズとの開発競争の最中だ。アストンマーティンやウイリアムズといった他のチームも大規模なアップグレードを投入してくるという話を耳にしているので、今後の展開を見守る必要がある」
「(シーズンは)まだ長く続いていく。当たり前だと思えるものはない」
これが、2026年シーズンに向けたアルピーヌのアプローチを象徴する哲学だ。コンストラクターズ選手権の5位争いについてであれ、今シーズン以降のコラピントの将来についてであれ、ニールセンのスタンスは揺るがない。つまり過去の評判はほとんど意味をなさず、継続的なパフォーマンスだけがグリッド上の地位を確保するのに必要なものだということだ。
[オートスポーツweb 2026年07月13日]