WEC最終2戦は中東か、欧州代替開催か。チームは2パターンの物流計画に奔走、決定は来週?

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2026年07月17日 15:20  AUTOSPORT web

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フェラーリ499P 2026WEC第4戦サンパウロ
 今季のWEC世界耐久選手権の最終2レースのスケジュール確定が不透明な状況下、フェラーリは2通りの物流計画を策定する際に伴う「コストと労力」について説明した。


■欧州代替開催の場合の有力候補2サーキット

 中東情勢の悪化により、主催者はすでに開幕戦として予定されていた『カタール1812kmレース』を3月から10月へと延期せざるを得なくなっていた。

 しかし、当該地域での紛争が続いていることで、変更後の日程や11月開催予定の最終戦バーレーンにも不透明さが生じている。そのため、選手権運営側はバックアッププランを策定した。これは、シーズン終盤の2戦をヨーロッパで開催するというもので、開催地としてはスペイン・バルセロナのカタロニア・サーキットとイタリアのモンツァが有力視されている。

 どのカレンダー案が採用されるかについての最終決定は、来週にもFIA世界モータースポーツ評議会に提出・承認される段階で下される見通しだ。

 フェラーリAFコルセのチームマネジャー、バッティ・プレリアスコは、スケジュールの不透明さゆえに、チームがどちらの状況にも対応できるよう機材輸送の代替案を策定せざるを得なかった経緯を詳しく語った。

 9月の第5戦『ローン・スター・ル・マン(アメリカテキサス州オースティン)』および第6戦『富士6時間』よりも後のスケジュールが未定であることの難しさについて、第4戦ブラジルの現場で取材に応じたプレリアスコは次のように述べた。

「どのチームも、シリーズ運営側や(物流パートナーの)DHLと協力し、機材を2セット用意する『プランB』をすでに策定していると思う」

「たとえば我々は、富士へ直接送る機材をすでにこちら(ブラジル)に送っている。一方で、オースティンへ向かう2セット目の機材もキープしており、それはカタール、バーレーン、あるいはヨーロッパのどこへ向かうことになるかを見極めながら待機させているんだ」

「というのも、海上コンテナ輸送を利用して両方の地域へ安全に、かつ輸送ルートの滞りなく機材を届けるには、そうするしかないからだ。つまり、ある程度の問題はあらかじめ想定していたわけだ」

「もちろん、それにはコストも労力もかかる。しかし、我々はすでに話し合いを重ね、これらふたつの計画を実現させるための準備を進めてきた」


■獲得ポイント&選手権争いにも影響する代替開催

 最後の2戦の開催地が不透明となっていることは、獲得可能なポイント数についてもチームが確信を持てない状況を招いている。

 中東でのふたつのレースはいずれも長距離で行われるため、伝統的に通常より多くの選手権ポイント(1.5倍)が設定されてきた。

 しかし、10月や11月にヨーロッパで開催する場合、気温の低下、変わりやすい天候、日照時間の短縮といった条件が重なる。そのため、欧州開催の場合は10時間や8時間という長距離のレース時間は撤廃され、通常の6時間レースに変更されるだろうと考えられている。

 アジアの他の開催地であれば、長距離レースの形式を維持できた可能性もあったが、プレリアスコはそれもまた問題含みだったと述べている。

「セパンや中国など他の場所へ行くとなれば、物流や輸送、莫大なコストといった同じ問題に直面することになる。たとえばオースティンにいる場合、機材を航空便で輸送しなければならないが、どこかで足止めを食らう恐れもある」と彼は説明した。

「これは我々の業務や、どこで開催するかといった決定よりも重要な、地政学的な問題だ。何よりも安全が最優先であることを考えなければならない」

「もし立ち往生してしまったら──この冬、1月や2月にバーレーンやカタールへ送ったコンテナ(テストや開幕戦用)が戻ってこられなくなった時のように──レースが中止になり、我々の仕事やフェラーリのあらゆる努力と投資が台無しになるリスクがある。リスクを冒すよりも、チャンピオンシップを存続させることの方が重要なのだ」

 プレリアスコは、フェラーリが当初シーズン最終戦として予定されていたふたつのサーキットを「気に入っている」と述べ、「どちらも我々が常に高い競争力を発揮できるコースだ」と付け加えた。

 しかし、シーズンをヨーロッパで締めくくることになれば、それはハイパーカー・マニュファクチャラーズ・タイトル争いにおいて、フェラーリがトヨタやBMWとのポイント差を縮めるチャンスを減らすことも意味する。

[オートスポーツweb 2026年07月17日]

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