2026年F1第9戦イギリスGP ランド・ノリス(マクラーレン) マクラーレン・マスターカード・フォーミュラ1チームは、今週末のF1第10戦ベルギーGPでランド・ノリスが10グリッド降格ペナルティを受けることを認めた。これにより、タイトル争いへの復帰を目指すノリスの戦いは、さらに困難なものとなる。
マクラーレンがスパ・フランコルシャンでノリスのマシンに4基目のパワーエレクトロニクス・ユニットを投入すると選択したことで、このコンポーネントの使用数は、2026年のレギュレーションにおいて年間で3基までと定められている使用可能な数を超えることになった。これでノリスはペナルティを受けることが決まったのだ。
ペナルティは自動的に科されるものだが、その背後にある状況は、信頼性のせいで繰り返しノリスの戦いが台無しにされてきたことを物語っている。シーズン序盤の第2戦中国GPでは、当初搭載されていたパワーエレクトロニクス・ユニットに致命的な故障が発生し、ノリスはスタートを切ることさえできなかった。その後、第3戦日本GPのフリー走行中に問題が発覚したため代替ユニットが投入されたが、修理されたはずのそのユニットも最終的には第6戦モナコGPのフリー走行2回目で再び故障し、マクラーレンは窮地に立たされた。
ペナルティを受けることが決まっているにもかかわらず、マクラーレンは今ペナルティを受けることが、シーズン残りのレースに向けてダメージを最小限に抑える最善策だと考えている。チームは声明のなかで、スパで新しいコンポーネントを投入することを決定した理由を説明した。
「日本で投入し、マイアミ以降すべてのセッションで使用してきたパワーエレクトロニクスユニットは、安定して機能してきたが、メルセデスAMG・ハイパフォーマンス・パワートレインズはその後、新しいパワーエレクトロニクス・システムに一連の信頼性改善策を導入した」
「しかしこれらの改善の恩恵を受けるには、ランドのマシンに新しいユニットを装着するのに10グリッド降格ペナルティを受けなければならない。ハンガリーとザントフォールトで開催される次の2レースとは違って、オーバーテイクが比較的多いベルギーのサーキットで我々はその措置を取ることにした」
マクラーレンの長期的な目標は明確で、それは、シーズン後半にさらに手痛いペナルティを科される事態を回避することだ。今回導入する最新のハードウェアによって必要な耐久性を確保し、ノリスがこれ以上の強制的なコンポーネント交換を行うことなくシーズンを完走できることをチームは望んでおり、「ランドへの競技上のペナルティを最小限に抑えつつ信頼性を最大化するため、今後はこの4基目のパワーエレクトロニクス・ユニットをシーズンの残りのレースで使用する計画だ」と説明している。
それでもなお、この決定はマクラーレンが置かれている厳しい状況を浮き彫りにしている。2025年はドライバーズ選手権とコンストラクターズ選手権の両方を制したマクラーレンだが、今シーズンはフラストレーションの溜まる戦いに耐えている状況で、コンストラクターズ選手権では首位のメルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チームに大きく差をつけられ、3位にとどまっている。ドライバーズ選手権においても、ノリスは首位のアンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)と82ポイント差の5位につけており、挽回すべき差は大きい。
スパには長いストレートとオーバーテイクのチャンスがあるので、グリッドペナルティを緩和できるサーキットのひとつではあるが、ノリスには依然として、激しい競争を勝ち抜くという困難な課題が待ち受けている。シーズンはまだ半ばであり、もし追加のコンポーネントが必要になった場合は、さらなるエンジン関連のペナルティを科される可能性も否定できない。
[オートスポーツweb 2026年07月17日]