国旗損壊、処罰対象の曖昧さに懸念=「感情が保護法益」に批判も―識者
4
2026年07月17日 21:01 時事通信社

日本の国旗を傷つける行為を禁じる国旗損壊処罰法が17日、成立した。法案提出に当たっては「国旗を大切に思う国民感情を守ること」が保護法益だとされたが、識者からは処罰対象が不透明だとの批判も出ている。
同法は国旗を「燃やす」「切り刻む」などの行為が損壊に当たる一方、「新品の靴で踏み、何ら不潔にすることがない場合」は該当しないなどと定める。参院内閣委員会の参考人質疑では、野党推薦の憲法学者2人が処罰基準の曖昧さなどを理由に「合憲性の論証が困難」と指摘した。
一橋大の本庄武教授(刑事法学)は「感情という曖昧なものを保護法益と考えるから、処罰対象が不透明になる」と話す。日本国旗が何を象徴しているかについても人によって評価が分かれるとして、「日の丸を損壊させるとわれわれの感情が傷つくという社会的コンセンサスがあるのかどうか疑わしい」と語った。
実際に国旗が燃やされるなど処罰対象となり得るケースがどの程度あるかは不明で、本庄教授は「立法の必要性や正当性の根拠となる『立法事実』に乏しい」と指摘。今後、国論を二分するような政策を巡ってデモなどが起きた際、同法が拡大解釈して適用される可能性があるとして、表現の自由の侵害に懸念を示した。
Copyright(C) 2026 Jiji Press, Ltd. 記事・写真の無断転載を禁じます。
掲載情報の著作権は提供元企業に帰属します。