
奈良に実家があり縁の深い旅行ジャーナリストの筆者が、今訪れたい奈良の最旬スポットを訪れてきたので紹介します。観光に役立つ情報もお見逃しなく!
星のや奈良監獄が開業、大注目の奈良「きたまち」
2026年4月に開業した国の重要文化財「旧奈良監獄」を活用した奈良監獄ミュージアムは、週末は前売り券が完売となるなど人気。6月25日にはラグジュアリーホテル「星のや奈良監獄」もオープンし話題を集めています。開業イベントでホテルジャーナリストの山口由美氏も「監獄を利用したホテルは海外にもありますが、多くはパブリックスペースのみに継承しています。監獄をそのまま客室として利用しているのは世界的に見ても珍しい」と語ります。
独居房を10室つなげた客室「The 10-Cell」は、監獄の空間を生かした唯一無二の造り。価格は1室14万7000円〜(税・サービス料込み・食事別)。見学して筆者が感じたのは、万人受けではなく、滞在する人を宿も選ぶだろうということ。
明治政府が不平等条約の撤廃の一大プロジェクトとして建築した背景、恵まれた環境の中で自分と向き合い更生を目指した少年受刑者たちの思い、それを見守る看守や地域のひとびと。100年以上にわたる歴史を味わってこそ、価値が生まれる宿だと感じます。
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まずは奈良監獄ミュージアムへ
「星のや奈良監獄」は、宿泊価格やそもそも監獄に宿泊することに抵抗があるなど、敷居が高いのも事実。そんな方は、ぜひ奈良監獄ミュージアムへ足を運ぶことをおすすめします。星のや奈良監獄の宿泊棟とは導線やエリアが分けられていますが、雰囲気を感じるには十分。さらに週末に訪れる方は、「監獄と自由を巡るツアー(有料・要予約・週末開催)」への参加がおすすめです。
旧奈良監獄の歴史や建築にまつわる案内付きで、星のや奈良監獄の一部、中央看守所を見学できるほか、通常は非公開の表門2階など特別な場所の見学も含まれます。
なおツアーに参加するには、別途ミュージアムの入場予約が必要となります。週末は完売の日も多いため、まずはミュージアムの入場予約から始めましょう。見学した後には「監獄」という言葉の印象も、きっと変わるはずです。
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散策も楽しい「きたまち」
両施設があるのは、近鉄奈良駅北側の「きたまち」と呼ばれるエリアです。歴史ある寺社があるほか、元は奈良奉行所だった場所にたたずむ奈良女子大学の記念館や正門が国の重要文化財に指定されているなど、建築好き必見のスポットです。旧鍋屋交番きたまち案内所ではマップを用意しボランティアの皆さんが温かく迎えてくれます。最近は隠れ家的なカフェも増えてきたようで、筆者も帰りにひと休みしました。駅前のにぎわいとは対照的に、まだ比較的ゆったり散策できる穴場エリア。
奈良監獄ミュージアムから近鉄奈良駅までの帰り道は街歩きを楽しみながら徒歩で向かうのもいいでしょう。
大河ドラマ『豊臣兄弟!』の舞台も奈良へ? 豊臣秀長ゆかりの大和郡山城
歴史が苦手な筆者にとって、歴史上の人物を身近に感じられるNHK大河ドラマはありがたい存在。現在放送中の『豊臣兄弟!』も毎週欠かさず見ています。ドラマゆかりの地は数ありますが、これから注目を集めそうなのが、豊臣秀長が城主を務めた郡山城です。天守は消失し「郡山城跡」となっていますが、天守台の石垣が修復・整備され、新たな展望スポットとして公開されています。迫力ある石垣には石塔や石仏などの転用石も使われています。新たな展望スポットに立てば、城下町として栄えた郡山の町並みや遠くの若草山までが一望でき、大和らしい風景が目の前に広がります。
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街中も城下町であった趣が残ります。そして郡山といえばお城とともに有名なのが金魚。日本一の金魚の産地であり、金魚ストリートでは店舗ごとに趣向を凝らした水槽が並び、歩くだけでも楽しめます。
古民家を改装したカフェや飲食店も点在し、駅から徒歩や循環バスで巡りやすいので、お城とあわせて散策してみてはいかが?
まもなく世界遺産登録!「飛鳥・藤原の宮都」
ユネスコの諮問機関であるICOMOS(国際記念物遺跡会議)は世界遺産登録への「記載」が適当と勧告し、7月19日から開催される世界遺産委員会で登録される見込みの「飛鳥・藤原の宮都」。飛鳥宮跡、藤原宮跡、キトラ古墳、高松塚古墳、石舞台古墳など19の構成資産からなり、国内の世界遺産としては27件目、世界文化遺産としては22件目の登録となる見込みです。
実は勧告前に、年に数回開催される「キトラ古墳壁画公開」に申し込んでいた筆者。保存のため石室から取り出された壁画の実物を期間限定で見ることができ、長い眠りから目覚めた壁画を前に思いを巡らせました。
そして、キトラ古墳壁画体験館「四神の館」には無料とは思えないほど充実した展示があります。壁画の保存や発見の経緯、古墳の構造などを映像や体験型展示を通して学ぶことができ、飛鳥時代への理解がぐっと深まります。
「飛鳥・藤原の宮都」を旅する2つのポイント
見学に際して、ぜひ意識したいポイントが2つあります。1つは、資料館などで事前に情報をインプットしてから巡ること。実物として残るものが限られるため、歴史を知ってから訪れると、想像力を働かせながらより深く楽しめます。またVRなどの技術を用い当時の様子を再現するスポットもあるので上手に活用しましょう。
2つ目は移動手段です。徒歩だけで巡るには距離があり、晴れていればレンタサイクル、見どころを循環する明日香周遊バス(かめバス)の利用も検討を。
車は便利ですが、現在でも週末は駐車場が混雑する時間帯や場所もあります。世界遺産を巡る定期観光バスやツアーを利用したり、訪れるスポットを絞ったり、無理のないプランを立てましょう。
奈良旅に役立つおすすめサイト「いざいざ奈良」
奈良には、今回紹介したスポット以外にも魅力がたくさんあります。史跡やイベント情報は奈良県や各市町村の観光協会のホームページが役立ちます。ほかにも筆者が情報収集でよく参考にしているのが、JR東海のWebサイト「いざいざ奈良」です。首都圏では鈴木亮平さん出演のCMでおなじみの「いざいざ奈良」ですが、サイトにはCMで紹介されたスポットやモデルコース、地元で人気のカフェやレストランなど「今だから訪れたい」「最新のスポット」が掲載され、そのセレクトが秀逸。
X(@nara_cjr)やInstagram(@izaizanara_official)でも、旅心をくすぐる内容が投稿されているので、こちらも参考になります。
筆者も足を運ぶたびに新しい魅力にであえる奈良。今回の記事を参考にしながら、自分だけのお気に入りを見つけてみてくださいね。
村田 和子プロフィール
旅行ジャーナリスト。「旅で元気になる」をテーマに活動。親子で47都道府県を踏破し旅育メソッドを提唱。著書に「旅育BOOK(日本実業出版社)」。クルーズコンサルタント、総合旅行業務取扱管理者。大人旅、ひとり旅も得意!(文:村田 和子(旅の準備・お得・便利ガイド))
