無念のデイリタイアとなった勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1) 2026年WRC第9戦ラリー・エストニア 7月17日(金)、2026年WRC世界ラリー選手権第9戦『ラリー・エストニア』が開幕した。デイ1として、エストニア南部タルトゥのラーニに設けられたサービスパークを起点に7本のステージ(合計103.42km)が行われ、TGR-WRT2のサミ・パヤリ/マルコ・サルミネン組(トヨタGRヤリス・ラリー1)が全7ステージを制する完全制覇で首位に立った。
TOYOTA GAZOO Racingワールドラリーチーム(TGR-WRT)のオリバー・ソルベルグ(トヨタGRヤリス・ラリー1)が14.7秒差の総合2番手、アドリアン・フルモー(ヒョンデi20 Nラリー1)が16.5秒差の総合3番手につけた。セバスチャン・オジエ(トヨタGRヤリス・ラリー1)は総合5番手、エルフィン・エバンス(トヨタGRヤリス・ラリー1)は総合9番手でデイ1を終えた。
勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1)はSS5終了時点で総合6番手につけていたが、SS6でタイヤにダメージを負いデイリタイアとなった。スペアタイヤが残っていなかったためやむを得ない判断だったが、デイ2での再出走を予定している。
ラリー・エストニアは超高速グラベルステージが特徴の大会だ。前戦アクロポリス・ラリー・ギリシャが荒れた未舗装路を走るサバイバル色の強いラフグラベル・ラリーだったのとは対照的に、スムースかつハイスピードなコースが戦いの主舞台となる。デイ1のステージはドライコンディションで行われ、路面表面にはルーズグラベルが厚く堆積していた。
この日の戦況を大きく左右したのが出走順だ。ドライバーズ選手権の上位者ほど先に走り、ルーズグラベルを掃き飛ばす役を担わされる。出走順1番手のエバンス、2番手の勝田、3番手のオジエはいずれも不利な条件での走行を余儀なくされた。一方、選手権4位のパヤリは好位置からスタートし、その恩恵を最大限に活かした。
デイ1に先立つシェイクダウンでは、ドライバーズ選手権首位のエバンスと選手権4位のパヤリが最速タイムをシェアした。勝田は3番手、ソルベルグは4番手、2021年以来のエストニア出場となるオジエは5番手のタイムを記録し、全車が午後からの本番に備えた。
午後から始まった競技では、オープニングのSS1からパヤリが全体ベストをマークして首位に立った。続くSS2、SS3でも連続してベストタイムを刻み、3本のSSを終えた時点でソルベルグに4.1秒の差をつけてトップを固めた。
タイヤフィッティングゾーンを経た午後の再走ステージでもパヤリは揺るがなかった。SS4、SS5、SS6の3本の再走ステージを全て制してソルベルグとの差を14.1秒に拡大した。デイ最終戦のスーパーSSでも全体ベストをマークし、デイ1の全7ステージを最速で駆け抜けるという歴史的な快挙を達成した。
ソルベルグはパヤリのペースにはやや及ばなかったが、スーパーSS以外の6ステージで全て2〜3番手のタイムを安定して刻み、総合2番手を守り切った。3番手フルモーとの差はわずか1.8秒で、デイ2も目の離せない接戦が続く。
2021年以来5年ぶりのエストニア出場となったオジエは確実性を優先した走りで初日を乗り切り、総合5番手でデイ1を締めた。エバンスは出走順1番手という最大のハンデを辛抱強く走り抜き、総合9番手につけた。出走順が改善されるデイ2での巻き返しが期待される。
チーム代表代行のユハ・カンクネンは、パヤリの全SS制覇を振り返り「サミは今日、素晴らしい走りを見せてくれました。全ステージで最速タイムを記録したのは本当に驚くべきことですし、素晴らしいことです」と称えた。「シェイクダウンの段階から彼はクルマのフィーリングに満足していて、何も変更する必要はありませんでした。笑顔でリラックスして楽しんでいるので、このまま好調を維持してくれることを願っています」と続け、翌日以降への期待を示した。
オジエとソルベルグについては「安定していましたし、明日はさらに力強い走りができると確信しています」と言葉を続けた。出走順が改善されるエバンスへの期待も大きく、「エルフィンも明日は出走順が少し改善されるので、より良い走りができるはず」と語っている。勝田については「貴元は今日は不運でしたが、気持ちを切り替えて前に進まなくてはなりません」と述べ、デイ2での再出走に向けて気持ちの切り替えを促した。
翌デイ2は7月18日(土)に行われる。全18本のステージのうち7本(合計約150km)が設定され、今大会最大の山場となる長丁場だ。デイ1全勝の圧倒的な走りを見せたパヤリがどこまでリードを拡げるか、そして出走順1番手というハンデを背負う勝田が再出走からどう巻き返すかが最大の焦点となる。
[オートスポーツweb 2026年07月18日]