黒木メイサ、11年ぶり連ドラ単独主演 俳優人生第2章、頭の片隅に「逃げていい場所」確保

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2026年07月19日 08:00  日刊スポーツ

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Hulu配信ドラマで主演を務める黒木メイサ。どのカットも大変美しく、写真のセレクトに迷うほどでした(撮影・鈴木みどり)

俳優として新たなスタートを切る。黒木メイサ(38)が、24日からHuluで独占配信されるオリジナルドラマ「八神瑛子−上野中央署 組織犯罪対策課−」で11年ぶりに単独主演を務める。5年ぶりに東京に拠点を移し、26年1月期のTBS日曜劇場「リブート」にも出演。物語のキーパーソンとして、唯一無二の存在感で注目を集めた。俳優として再び歩み始めた今、原動力を聞いた。【加藤理沙】


★「刑事役多いんです」


多種多様な文化が共存する東京・上野を舞台にした警察小説が原作。“警察小説の金字塔”とも称される深町秋生氏の大人気シリーズが実写化された。


「いろんなものを抱えている中で戦っていく人物像が昔から好きなので、台本を読んでぜひ演じさせていただきたいと思いました」


黒木演じる組織犯罪対策課の刑事・八神瑛子は、不可解な死を遂げたフリージャーナリストの夫の死の真相を追いながら、夫とともに亡くした我が子、二重の復讐(ふくしゅう)に突き進む。暴力団や中国マフィアを利用し、刑事としての一線を越えかねない危険な捜査へと踏み込む。「最近気付いたんですけど私、刑事役多いんですよね」と笑い、役作りへの思いを語った。


「今回は警察の人間でありながら、組織犯罪対策課にいるので裏との駆け引き、グレーな部分との関わりもある。真実を追い求めるため手段を選ばず使えるものは使うという部分も、真っすぐな正義を貫く警察とは少し違う一面だと思います。瑛子は一言で言うと、『かっこいい女性』なんですが、抱える悲しみや孤独、そこからにじみ出る人間性を大事にしました。男社会である警察組織では見せない姿も表現する上で大事でした」


★3カ月かけ筋力UP


アクションシーンにも力を入れた。日頃からトレーニングはしているが、「普段は『毎日やる』ことが目標。今回は作品に向けて動ける筋肉を作った」と話す。約3カ月にわたり鍛練を積み、スタントなしで挑んだ。


「キックボクシングを習いにいかせてもらい、並行して実際に作品の中で使うアクションを身体に入れていきました。アクションシーンは相手とのやりとりなので、撮影前に他のキャストの方ともアクション練習する機会を作ることができたので、撮影をスムーズにできたのだと思います」


八神に迫る最凶最悪の敵・グラニソを演じたAぇ!Group小島健とは初共演。息の合った圧巻の対人アクションを披露した。互いの練習には「スケジュールが合う限り顔を出した」と。


「事前に練習できたので、お互いに空気感や動きを確認できて、撮影ではお芝居に集中できました。アクションが段取りにならず、表現や見せ方に集中できて良かったです」


11年ぶりの連ドラ単独主演も「今さら主演だったと気付く感じで(笑い)まだまだ自分にいっぱいいっぱい」と笑って振り返った。


「役と向き合うことでいっぱいで。ただ、役と真摯(しんし)に向き合って集中していくことが結果的に現場の空気につながっていたらとは思います」


★15歳で舞台主演抜擢


印象的な存在感を持つ黒木はモデルとしてデビュー後、15歳で舞台作品の主演に大抜てきされた。「デビューから10年はがむしゃらに全力。消耗しきって疲れた時もありました」と振り返る。


「年を重ねて物事を少し冷静にみられるようになった気がしますね。例えていうと、100メートル走をゴール後も走っているのが10代。30代はうまく走り抜くためにバランスを意識できる。走り切るために抜くところを作るようになったと思います」


家庭と仕事を両立する現在。仕事と私生活のバランスの取り方を聞くと「こうみえて意外と真面目で頑張ろうとしてしまうんです」と打ち明けた。


「もっと人に頼って、お願いしていいことがたくさんあると思うんです。昔は1人で抱えたりしたけど、年を重ね友達に頼り、親戚を頼り、気持ちにも余裕が出てきました。いろんなことを経験してたどり着いた感じ。今回演じた、八神瑛子もですけど、多くの人が1人で頑張ろうとしていると思います」


それでも、つらいときには。


「上京して数年経った時『東京で生活して仕事するの無理かも』と、母に連絡したんです。母は『じゃあチケット取るから明日帰っておいで』って。逃げていい場所があるならもう少し頑張れるかもと思って、ここまで続けてこられました。3人の姉との会話もデトックスですね。仕事もプライベートも、“しんどいなら島で生活しよう”って。頭の片隅に置いています」


今後の俳優人生への向き合い方をどう考えているのか。


「1つ1つの仕事に集中して深みを出す、そんな向き合い方がしたいですね。どこにチャンスがあるか分からないので、いつでも対応できるように気持ちも体力も準備をしたい。演じる仕事は終わりも正解もないので」


再び歩み始めた俳優人生。その新章を告げる一作となりそうだ。


▼廣木隆一監督


黒木さんとは本作が初めてでしたがとても撮影はスムーズでした。(1話目に)ワンカットでアクションを撮りたいということはお伝えしましたが、それ以外は大まかなところだけお伝えして、そんなに指示はせずとも、キャリアがある方なのでそのままのスタイルで集中してやっていただきました。俳優によって演技の伝え方は変えていましたが、黒木さんには細かくいうこともないかなと思いました。それがうまく表現できていたかと思います。黒木さんは、足も長いし本作の大規模なアクションシーンで非常に迫力がありましたね。足の上げ方などとても自然でした。


◆黒木(くろき)メイサ


1988年(昭63)5月28日、沖縄県生まれ。沖縄アクターズスクールに通い、04年女性ファッション誌「JJ」モデルに。同年、舞台「熱海殺人事件・平壌から来た女刑事」で舞台初出演にして主演。その後、映画「クローズZERO」「昴−スバル−」「ルパン三世」、日テレ「1ポンドの福音」、フジテレビ「任侠ヘルパー」NHK大河「八重の桜」など出演。06年、第44回ゴールデン・アロー賞新人賞。165センチ、血液型A。

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