3年目の開催を迎えたフォーミュラE東京E-Prix 7月24日、2025/2026年ABB FIAフォーミュラE世界選手権シーズン12の第14・15戦『東京E-Prix』が行われる東京ビッグサイト周辺会場で、シリーズ首脳陣が記者会見を実施。共同創設者兼チーフ・チャンピオンシップ・オフィサーのアルベルト・ロンゴ氏が、3年目の開催を迎えている東京大会の状況や今後の展望について質問に答えた。
東京都より開催許可を経て、2024年に初開催された東京E-Prixは、今年で3年連続の開催となり、2027年大会の開催継続も決定している。会見に参加した国内メディアから、開催収益の状況と、東京以外の開催候補地の有無についての質問が飛ぶと、ロンゴ氏は赤字の事実を認めつつ、収益状況と改善方針を次のように語った。
「東京都で開催することに関する契約を更新したので、むこう幾年かは同じロケーションでレースを開催するということは決まっています」
「ただ、収益化の難しさの一因には、限られたエリアという面でグランドスタンドの座席数を設置する限度がある点が挙げられます。とはいえ、我々はグローバルなシリーズとして、それでも東京でレースを開催することの価値は大きなものがあると考えています」
「もちろん、収支面の損益計算は大事ですし、開催初年度から比べればどんどん改善もしています。希望としては、次の契約の最後ぐらいには利益もプラスになるのではないかと期待していますが、まだ赤字であったとしても、東京での開催を継続する価値はある」とし、東京大会単体での利益と、シリーズ全体での収支状況を分けて考えているようだ。
さらに、フォーミュラEは来季シーズン13からより高出力なニューマシンであるGEN4の導入を決めている。その中で、6月に明らかになった2026/2027年のシーズンカレンダーでは、これまでよりもストリートコースでの開催が減り、イギリスのブランズハッチやオランダのザントフォールトなどのクローズドサーキットが増加。タイトなサーキットはモナコと東京の2カ所となった。
そこで、「GEN4のスピード域に対応して東京のコースを拡大する案は検討しているのか、また開催への影響はあるのか」という問いが飛ぶと、ロンゴ氏は「GEN4の導入は東京都での開催を止める理由にはならない」とし、コースへの懸念について説明した。
「実際、東京のストリートコースがGEN4にとってタイトなトラックであることは否めませんし、すでにトラックの幅を拡張する案なども検討はしたのですが拡大の余地がなく、現実的ではなかったというのが現状の結論です」
「ただ、FIAとともにすでに数千回のシミュレーションを行っており、安全面の担保や、非常に逼迫したレースになる可能性についても理解していますので、さらにワクワクするバトルをファンに届けられるのではないかと予想しています」
「FIAとしてもフォーミュラEとしては、安全面において大会の開催に影響はないというところはお伝えしておきたい点です」
さらにロンゴ氏は、「現在は80以上の開催希望都市がある」と明かし、そのなかでもカレンダー構成の中では東京での開催に重きを置いていることを強調していた。さらにジェフ・ドッズCEOも、詳細には明かさなかったが、「GEN4での参戦に興味を示しているマニュファクチャラーは日本にもある」と語り、さらにはGEN4導入2年目となるシーズン14からは現在のフォーミュラEの下位カテゴリーとしてジュニアシリーズの創設も検討していることを示唆した。
また「日本のモータースポーツファンの数は1030万人、その内のフォーミュラEのファンは150万人と推定している」と話したのは、同じく会見に出席した最高マーケティング責任者のエリー・ノーマン。その推定数の正確性はともかく、日本でフォーミュラEのファンの拡大余地や、課題がまだまだあるのは間違いない。
[オートスポーツweb 2026年07月24日]