インリンさん 2000年代、「エロテロリスト」として一世を風靡したインリンさん(50歳・旧芸名:インリン・オブ・ジョイトイ)。
プライベートでは2008年に日本人男性と結婚、現在は生まれ故郷の台湾で3人の子どもたちと一家5人で暮らしています。
今回女子SPA!は、来日中のインリンさんにインタビュー。台湾での生活や3人の子育てについてたっぷりと語っていただきました。
◆現在は台湾在住。日本には仕事の度に訪れる
──インリンさんは現在、台北市内にお住まいとのことですが、日本にはお仕事の度に来ているんですか?
インリン:そうなんです。短期間の滞在も多いですが、日本にいる間はありがたいことにテレビの収録や取材など忙しくさせていただいています。
実は今、高校生になる長男は日本の学校に通っているので、滞在中は長男と一緒にゴハンに行くこともありますね。「せっかくお母さんが日本にいるんだから、なにか美味しいもの奢ってよ」って、おねだりされることもあります(笑)。
──すごくいい関係ですね!
インリン:長男が日本へ旅立つときは、なにかとバタバタで寂しさを感じる暇がなかったのですが、いざ離れてみると、ふとした瞬間に寂しさが襲ってきましたね。
たとえば買い物に行って、子どもたちが好きな飲み物をカゴに入れようとしたとき、「あ、長男の分はもう買わなくていいんだ」と気づいて、「本当に巣立ってしまったんだな」と少し切なくなることも(苦笑)。
今でこそ笑って話せますが、長男は小さい頃、喘息がひどかったり、すぐに激しいかんしゃくを起こしたりと、なかなか手がかかる子だったんです。
◆「なんで私だけ……」孤独だったワンオペ育児の日々
──初めてのお子さんですし、それは何かと心配になりますね。
インリン:長男が生まれてからの半年間、日本で暮らしていた時期は本当にメンタルが崩壊しかけていました。ちょっと泣くだけで、「何か悪い病気なんじゃないか」と不安でたまらなくなって、夜中に何度も緊急外来へ駆け込んだこともありました。あまりに私が頻繁に訪れるので、やがて先生に顔を覚えられて「お母さん、まずは落ち着いてください」となだめられたことも(笑)。
産後のホルモンバランスの乱れや寝不足でなんともしんどい毎日でした。夫も仕事で忙しく、悪気はないけれど夜泣きに気づかず寝続けるので、当時は「なんで私だけ……」と孤独を感じていたのを覚えています。
──その後、台湾に拠点を移したんですね。
インリン:はい。長男が6か月のときに台湾へ戻ったのですが、実家が近かったことがなによりの救いでしたね。何かあればすぐ母親に相談できるし、「助けてくれる人がいる」という安心感は大きかったです。そこでようやく心に余裕ができました。
◆思春期を迎えた双子は「本当に仲が良い」
──長男さんとは3歳差で、双子のお子さん(男の子と女の子)をご出産されていますね。
インリン:おもしろいことに下の双子は、最初からほとんど手がかからなくて(笑)。小さい頃はおもちゃの取り合いで叩き合ったりもしていましたが、物心ついてからは本当に仲が良くて、お互いに宿題を教え合ったり、同じ学校に通っているのでどちらかが忘れ物をしても片方が必ず覚えていたり。「もし神様がいるとしたら、うまく采配してくれたのかな、上のお兄ちゃんが大変だった分、下の子たちは育てやすくしてくれたんだな」って感謝しましたね。
──そんな双子ちゃんも今は中学1年生。思春期真っ只中ですね。
インリン:そうなんです。そうそう、少し前にこんなことがありました。実は、娘(双子の姉)に対して、とある男の子が「片思いをしているらしい」という噂が、彼女の耳にも入ったみたいなんです。
その話を彼女が家で「私のことを好きな男の子がいるんだって〜」と、次男(双子の弟)にしていたら、彼が「え!? もし告白されたら付き合うの? どうなの?」って、急に怒りながら詰め寄っていて(笑)。
私は離れた部屋でふたりの会話を聞いていたのですが、長女が私のところにすぐにやってきて、「ねえ、私が誰を好きになろうが私の勝手でしょ?」「ママからも弟に、私の恋の邪魔をしないよう言ってくれる?」と真剣に言ってきて。双子でいくら仲良くてもそこはまた別の話なのね、と思わず心の中で笑ってしまいました(笑)。
◆朝は6時起き。電動チャリで市場へ買い出しの日々
──本人たちは至って真剣なのでしょうが、なんとも微笑ましい光景ですね(笑)。お子さんも徐々に手が離れてきたとはいえ、5人家族の生活を日々回していくのは大変かと思います。ここでインリンさんの1日のルーティンを教えてください。
インリン:朝は毎日6時に起きて、双子のお弁当と朝食づくりから始まります。朝ごはんは台湾の蛋餅(ダンピン:卵を薄い生地で巻いた料理)を作ることが多いですね。偏食気味な娘には少しでも栄養を摂ってもらうために、子ども用のプロテインを飲ませています。
子どもを送り出したら、電動自転車で市場へ買い出しに。野菜やフルーツ、お魚はスーパーより市場の方が新鮮なんです。買い出しのあとは、午前中のうちに掃除や洗濯を一気に済ませます。でも最近は本当に体力がなくて、1時間ほど昼寝をしないと持たないことも(笑)。
子どもたちは16時頃には帰ってくるので、それまでに今度はスーパーに行っておやつや足りないものの買い物に。その後はすぐに夕飯の準備や、習い事がある日は送り迎えをしていますね。
基本的に夜までバタバタなので、ひとりの時間はとても貴重。朝、子どもたちを送り出した後にカフェに立ち寄るのですが、唯一の癒しタイムになっています。
◆『愛エプ』ではワースト常連。今では「土日は夫にお任せ」
──日本と台湾の子育てや家事の違いを感じるところはありますか?
インリン:台湾には「早餐店(ザオツァンディエン)」と呼ばれる朝ごはん屋さんや夜市があって外食文化がものすごく充実しているので、日本のように「お母さんが三食手作りをするべき」という考えの人は少ないかも。小さい子どもがいる家庭でも、朝は外で食べてから学校に行く家庭も珍しくありませんね。
ご存じの方もいらっしゃるかもしれませんが、私も昔は『愛のエプロン』(テレビ朝日系)というバラエティ番組で、「ワースト常連」になるほど料理が大の苦手だったんです。
──懐かしいですね! ただ結婚後は料理を学び直して、台湾で国家調理師資格を取得したとか。すごい努力です。
インリン:でも、やっぱり毎日の料理は大変〜! 平日は、子どもたちが好きな親子丼やハンバーグ、カレー、スパゲッティといった定番の数パターンをローテーションで回して、適度に手を抜きながら乗り切っています。
我が家では「土日は私の休み」と決めていて、週末の昼と夜はすべて夫がご飯を作ってくれます。これが本当にありがたくて。アヒージョとか揚げ物のようなちょっと手の込んだ料理も作ってくれるし、料理しながら洗い物をするなど段取りも上手なので、私もそれを見て真似するようになりました。
──インリンさん流の家事を乗り切るコツはありますか?
インリン:コツというほどではないかもしれませんが、便利なのが、台湾の万能炊飯器「大同電鍋」ですね。
平日の負担を少しでも減らすために、週末にはおかずの作り置きをして冷凍しているのですが、電鍋に入れておくだけで、蒸したり温めたりできるので、すごく助かっています。他にも煮たり、炊いたり、いろんな調理ができるので、「日本でももっと広まればいいのに〜」と思っていますね(笑)。
<取材・文/アケミン 撮影/林紘輝>
【アケミン】
週刊SPA!をはじめエンタメからビジネスまで執筆。Twitter :@AkeMin_desu