石井隆の幻の脚本を城定秀夫監督が映画化『雨のエトランゼ』12.4公開 井筒しま×東出昌大×毎熊克哉の出会い映す特報解禁

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2026年07月30日 10:10  クランクイン!

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映画『雨のエトランゼ』ティザービジュアルA (C)2026「雨のエトランゼ」製作委員会
 2022年に逝去した鬼才・石井隆が遺した幻の脚本を城定秀夫監督が映画化した『雨のエトランゼ』が、12月4日に公開されることが決定。あわせて、2種のティザービジュアルと特報映像が解禁され、主演の井筒しまをはじめ、東出昌大、毎熊克哉、城定監督からコメントも到着した。

【動画】鬼才・石井隆が遺した幻の脚本を映画化! 『雨のエトランゼ』特報映像

 『死んでもいい』『ヌードの夜』『GONIN』から遺作『GONINサーガ』まで19本の監督作を遺し、2022年にこの世を去った鬼才・石井隆。しかし、遺したものはそれだけではなかった。生前、映画化の機会をうかがいながら書き溜めていた数々の脚本だ。そのうちの一作が、劇画家として名を馳せた1970年代に発表した劇画を自ら脚本化し、晩年には病床でも繰り返し推敲を重ねていたという『雨のエトランゼ』。1979年に生み出されたこの物語が、令和の時代によみがえる。

 石井の長年にわたる執念と遺志を受け継ぎ、映画化を実現させたのは、今年に入って『名無し』『藁にもすがる獣たち』を手がけた城定秀夫監督。城定の描く愛と孤独、石井が刻み込んだエロスとタナトス、さらにバイオレンス描写が響き合い、男と女の愛の切なさ、わからなさ、そして怖さまでも滲ませる。

 とある撮影スタジオ。撮影に立ち会っていたサブカル雑誌の編集長・村木(東出昌大)は、週刊誌のスキャンダル記事で話題となっている「人気女優の仁科陽子がかつてエロ本のヌードモデルだった」ことについて、「村木さんが発掘した女でしょ」と聞かれるが、「覚えてないな」と答える。しかし村木は知っていた。その女優こそ、かつてモデル募集の広告を見て編集部の面接に訪れた、当時大学生の土屋名美(井筒しま)だった。

 3年前、面接で「お金が必要だからヌードモデルも辞さない」と話す名美に対し、村木はいったん帰宅するよう促す。しかし、ちょうど編集部に居合わせたフリーカメラマンの川島(毎熊克哉)が、村木の目を盗み、カメラテストと称して名美に襲いかかる。怒った村木は川島を追い払い、一時は名美と心を通わせるようになる。だが、川島から村木に妻がいることを知らされた名美は、村木の前から姿を消してしまう…。

 雨が絶え間なく降るその日、どこからともなく現れた、「土屋名美」と名乗る女。過去の愛に傷つき、彷徨い、さらに何度も傷つき壊れていく名美。そんな彼女にどうしようもなく惹かれ、やがてそれぞれの形で運命を狂わされていく編集長・村木とカメラマン・川島。

 彼らにとって天使とも悪魔とも、あるいは無自覚な地獄への案内人ともいえる名美を演じるのは、本作が初主演となる井筒しま。ハードなシーンにも果敢に挑みながら、見る者を射抜くような大きな瞳を印象づけ、“運命の女”を見事に体現する。

 また、名美に翻弄される2人の男には、それぞれ石井と城定に縁のある俳優を起用。村木を演じるのは、『GONINサーガ』で主演を務め、石井最後の現場を知る東出昌大。川島を演じるのは、城定監督作品の常連・毎熊克哉。「名美のわからなさ」に翻弄されながらも囚われ続ける姿を、それぞれの形で痛切に表現している。

 あわせて、2種のティザービジュアルも解禁された。ティザービジュアルAでは、降りしきる雨の中でひとり踊る名美の姿を描写。刹那の美しさと危うさをまとった幻想的なビジュアルが、石井隆の描き続けた“名美”という存在を令和の時代によみがえらせる。

 一方、ティザービジュアルBは、名美、村木、川島の3人が初めて出会う夜の編集部を切り取った一枚。静寂の中に張り詰める緊張感が、この先に待ち受ける抗えない数奇な運命を予感させる。

 映画『雨のエトランゼ』は、12月4日公開。

※キャストと城定秀夫監督のコメント全文は以下の通り。

<コメント全文>

■井筒しま/名美

 「生きていて良かった」と毎日思っていました。

 名美と向き合う時間はとにかく生きること自体に精一杯で、いつもギリギリを生きている感覚でした。周りの人は当たり前のように真っ直ぐ歩いていくのに、自分はどれだけ必死になっても真っ直ぐには歩けない。一歩ずつ、歪にしか進んでいけない。名美を生きるのはそんな感覚でした。

 彼女を通して、私自身の中にある弱さや汚さにも沢山気付いてしまった。けど、このために生きてきたんだと思うくらいずっと幸せでした。

 チーム全員で作品に向かっていく力強さと誠実さの中でお芝居ができて、とにかく嬉しかった。信頼できたから飛び込めた瞬間が何度もありました。この作品と、関わるすべての方に心から感謝しています。

■東出昌大/村木

 「石井隆作品の主人公『名美』はファムファタルであらねばならない」。私も参加したスタッフ会議で一同そう話し合い、主役オーディションを開催する運びとなった。オーディションには素敵な女優さんが数多く参加して下さり、素敵なお芝居の瞬間も沢山あった。

 だが、井筒しまは特質だった。彼女が演技を始めると、なんてことない会議室が映画世界になった。愛しい人を見つめる横顔、本音を隠したまま微笑んだ時間、相手の心を掻き乱す言葉、すべてが切実で妖艶で、名美だった。彼女を主演に迎えて突き進んだ今作、関係者一同が彼女で良かったと今も考えています。令和の名美を、お楽しみになさって下さい。

■毎熊克哉/川島

 石井隆さんの世界を城定秀夫監督が撮る。こんな面白い企画に声をかけていただき、喜んで参加させていただきました。これまで何度も映画をご一緒させていただいている城定監督のもとで、“石井さんならどう撮ったのかな?”と想像しながらシーンを重ねていくのも楽しかったです。雨や人間から発せられる湿度の高さと、どこか寂しげな空虚が映画的な魅力を放っている、そんな作品になっているかと思います。ぜひスクリーンでご覧ください。

■監督:城定秀夫

 「今の時代に本作を作る理由は何か?」そんなことを聞かれました。恐らくはこれからも聞かれると思います。でも、僕にとっては時代もなにも関係ありません。「石井隆の漫画と映画が昔から好きだから」理由はそれだけです。

 渡された脚本は極めて石井隆的であると同時に自分には極めて難しいもので、「これ、石井監督が撮ったやつでみたかったな…」などとも思ったのですが、迷うことなく引き受けました。断る道理がありません。石井隆ですから。

 とはいえ、映画は愛だけでは作れません。解釈を問おうとしても作者は雲の上です。苦難は多く、石井監督に叱られるようなことをしでかしてしまっているかもしれませんが、僕なりに精一杯、死力を尽くし戦ったつもりです。みてください。
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