イングラシアが5年ぶり電撃復帰。オジエとの伝説コンビがフィンランドに帰ってきた/WRC第10戦フィンランド シェイクダウン

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2026年07月30日 23:00  AUTOSPORT web

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5年ぶりにタッグを組むセバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア組(トヨタGRヤリス・ラリー1) 2026年WRC第10戦ラリー・フィンランド
 7月30日(木)、フィンランドのユヴァスキュラ近郊で2026年WRC世界ラリー選手権第10戦『ラリー・フィンランド』のシェイクダウンが行われた。舞台は4.12kmにわたり、フィンランドらしい個性が凝縮されたルーヒマキ(Ruuhimäki)。TOYOTA GAZOO Racingワールドラリーチーム(TGR-WRT)の勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(トヨタGRヤリス・ラリー1)が3走目で2分11秒7のトップタイムをたたき出し、『第2の故郷』での週末に向けて最高の滑り出しを見せた。

 2番手はヒョンデ・シェル・モービスWRTのアドリアン・フルモー(ヒョンデi20 Nラリー1)とTGR-WRTのオリバー・ソルベルグ(トヨタGRヤリス・ラリー1)が同タイムの2分12秒6で並んだ。勝田のトップタイムとの差は0.9秒。続く4番手にはエルフィン・エバンス(トヨタGRヤリス・ラリー1)が2分13秒4で入り、上位4台のうち3台をトヨタ勢が占めた。

 シェイクダウンが行われたルーヒマキは、道幅の狭いトリッキーなセクションと、クルマが豪快に宙を舞う大ジャンプを生む超ワイドな高速区間が目まぐるしく切り替わる、ラリー・フィンランドを象徴するステージだ。

 フィンランドのグラベルは林業・農業用の重機によって極限まで踏み固められており、地元では『ファーマーズ・ターマック(農家の舗装路)』と称されるほどの硬い路盤を誇る。しかしその固い地盤の上に深く積もったルーズグラベルが、出走順による有利・不利を生み出す大きな要因になっている。

 シェイクダウン当日のユヴァスキュラは眩しいほどの晴天に恵まれたが、事前に期待された火曜・水曜の雨は降らずじまいで路面は乾燥状態のまま。出走順が早いほどルーズグラベルを掻き分けながら走る『クリーニング走行』を強いられるこのラリーで、ドライバーズ選手権首位のエバンスは本戦でもっとも過酷な1番手出走を課せられる。天候の変化に一縷の望みを託す状況だ。

 1走目でまず存在感を放ったのはTGR-WRT2のサミ・パヤリだった。前戦エストニアでWRC初優勝を飾り、まさに絶好調のままホームラリーへと乗り込んできたパヤリが2分14秒4で暫定トップを奪取。オジエが0.3秒差の2分14秒7で続き、エバンスが2分15秒6の3番手、ソルベルグが2分15秒9の4番手と、1走目ではトヨタ勢が上位を独占した。

 このセッションでひときわ注目を集めたのがオジエだ。本来の相棒ヴァンサン・ランデが個人の事情で急遽欠場となり、引退から5年近くが経つ伝説のコドライバー、ジュリアン・イングラシアと電撃コンビを組んで出走した。

 イングラシアはオジエとともに8度の世界タイトルを勝ち獲った盟友で、2021年末の引退以来となる本戦復帰だ。ハイブリッドシステムやデータ管理など現代のラリー1マシンは大きく進化しているが、百戦錬磨のコンビが持つ揺るぎない信頼感は、1走目のタイムが早くも証明してみせた。

 各ドライバーが走行本数を重ねタイムを削るなか、セッションの流れを決定的に塗り替えたのが勝田の3走目だった。2分11秒7という圧倒的なタイムで一気に全員を突き放し、それまでの暫定トップだったパヤリから実に2秒以上の差をつけた。フルモーとソルベルグが3走目でともに2分12秒6まで詰めてきたが、勝田の座を奪うには至らなかった。

 最終的にエバンスは2走目のベストで4番手の2分13秒4。前戦のペース不足を受けてインターバル中に自身のオンボード映像を徹底的に研究してこの週末に臨んだエサペッカ・ラッピ(ヒョンデi20 Nラリー1)が4走目で2分13秒6まで伸ばし、ヒョンデ勢最速の5番手に入った。1走目でトップに立っていたパヤリは最終的に2分13秒6の6番手。ティエリー・ヌービル(ヒョンデi20 Nラリー1)は2分13秒8の7番手だった。

 Mスポーツ勢では、ジョン・アームストロング(フォード・プーマ・ラリー1)が2走目で2分13秒9の8番手をマーク。ラリー1カーでフィンランドの高速グラベルに挑むのは今回が初体験だが、走行を重ねるごとに着実なペースアップを見せた。ジョシュ・マッカーリーン(フォード・プーマ・ラリー1)は9番手の2分14秒8、マルティン・セスクス(フォード・プーマ・ラリー1)は10番手の2分14秒1で続いた。

 なお、オジエは1走目のベストが最終タイムとなる11番手で締めくくった。イングラシアが最新のラリー1マシンとの感覚を取り戻しながらのセッションとしては十分な内容であり、本戦でどこまで本領を発揮するかが週末の大きなみどころとなる。

 今夜はユヴァスキュラ市街地のハルユ(Harju)ステージ(2.58km)でスーパーSS(SS1)が行われる。翌31日(金)のデイ2からは最長区間を含む8本のステージが連続する本格的なグラベル戦が幕を開ける。

 シェイクダウン最速の勝田がそのままアドバンテージをキープできるか、そして出走順の不利を背負うエバンスが天候の変化で状況を覆せるか——『農家の舗装路』を舞台にした熱い攻防が、いよいよ始まろうとしている。

[オートスポーツweb 2026年07月30日]

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