事務所史上初のソロドームツアー『Ryosuke Yamada DOME TOUR 2026 Are You Red.Y?』の様子 公式Instagramより 山田涼介が、7月26日の東京ドームでの公演をもって、6月26日の京セラドームを皮切りにスタートした自身初のソロドームツアー「Ryosuke Yamada DOME TOUR 2026 Are You Red.Y?」を完走。4公演で20万人を動員、大成功のもとフィナーレを迎えた。
ソロのドームツアーは、自身初であると同時に、実は事務所初の偉業でもある。
◆山田涼介がソロで達成した“快挙”とは
旧ジャニーズ事務所、STARTO ENTERTAINMENTの歴史の中で、言うまでもなく多くのソロアーティストや、グループと並行してソロ活動をおこなうタレントが存在した。
しかし、ソロとしてドーム公演を行ったのは山田涼介が初めてのこととなり、その歴史に新たな1ページを刻んだ。
説明する必要はないかと思うが山田はHey! Say! JUMPのメンバーであり、2007年12月のJUMPのデビューコンサートは「いきなり!in東京ドーム」と公演名に冠せられたように、東京ドームで華々しく行われている。
その後も東京ドームはじめ、4大ドームツアーなどドーム公演を幾度となく開催してきた慣れたステージではあるはずだが、一人でドームを複数公演開催できる動員力はさすがとしか言いようがない。
前述のように事務所の長い歴史の中でこれまで存在しなかったソロのドーム公演、ドームでのソロ公演を開催できるというすごさとはどのぐらいのものか。
過去に東京ドームで公演した日本人男性ソロアーティストの代表例としては、こんな顔ぶれだ。
長渕剛、尾崎豊、矢沢永吉、氷室京介、吉田拓郎、福山雅治、桑田佳祐、平井堅、小田和正、沢田研二、EXILE ATSUSHI、Nissy、星野源
この錚々たる顔ぶれの仲間入りをしたとなれば、その偉業ぶり、人気ぶりはあらためて実感できる。
かつて、「山田涼介はSTARTO社アイドルの顔的存在となった」という
記事 を書かせていただいたが、奇しくも嵐がグループとしての活動を終了し、DOMOTOもSTARTO ENTERTAINMENTとのエージェント契約を満了したタイミングとも重なるドームツアーの成功は、Hey! Say! JUMPがデビュー20周年を控えるなか、その役どころが実績をともなってますます確固たるものとなったのではないだろうか。
◆アイドル性の“キープ力”がえげつない
山田は大きなスキャンダルもなく、ずっと「優等生」だった。
ステージ、映画やドラマにも主演多数、現在も主演ドラマ『一次元の挿し木』が放送中、NHK大河ドラマ『豊臣兄弟!』に豊臣秀次役で出演予定、バラエティでも活躍し、二宮和也、中丸雄一、菊池風磨とのYouTubeチャンネル「よにのちゃんねる」、自身のゲーム配信チャンネル「LEOの遊び場」の再生数や登録者数も好調、今なお尊敬する先輩、憧れの先輩、事務所に入ろうと思ったきっかけに山田の名があげられることは多い。
山田涼介は、十数年にわたり「アイドルの鑑」であり続けてもいる。これは、旧来のジャニーズアイドルとは異なる個性を放ったSMAPや等身大の部分も含めて親しまれた嵐のメンバーともまた違うだろう。
もちろんバラエティやグループの冠番組、YouTubeの「よにのちゃんねる」などで“素“の部分やポンコツ、天然な一面をかいまみせたりするのだが、「よにの」で“自発光”と呼ばれたりするなど、33歳となる現在もなおアイドル的キラキラオーラを発し続けている。
昭和から平成初期にかけては男性アイドルはある程度のキャリアを重ねたら卒業や解散をむかえたり、大人の魅力やアーティスト性の追求など年齢なりの変化を見せたりするが、山田の基本スタイルは(これはHey! Say! JUMP自体がそうかもしれないが)、成長しつつも今なお大きな変化を感じさせず、永遠のアイドル性を保ち続けているのではないだろうか。
このアイドル性のキープ力はもはや松田聖子の域に突入しはじめているかもしれない。
◆ソロ活動に消極的だった山田涼介を変えたのは
このアイドル性のキープ力は、事務所の期待値とも関係する部分もあるかもしれないが、そこには、自分のやりたいこと以上に、ファンの思いや後輩が憧れる気持ちにこたえないといけないという、山田の強い意志、そしてストイックさがないとなしえないものではないだろうか。
今回のドームツアーで多数のジュニアをバックにつけたのもそのひとつだろう。
想像もつかないほどの大きなプレッシャーがそこにはあるだろう、しかし、そういったことに不平をもらしたりすることもなく、涼やかに理想のアイドルであり続ける。
山田のソロデビューは2013年1月。ドラマ「金田一少年の事件簿 香港九龍財宝殺人事件」主題歌「ミステリー ヴァージン」のリリースによる。
当時、ソロ活動を本人は躊躇したとインタビューなどで語っている。
デビュー当初から圧倒的な人気を誇るものの、あくまでもHey! Say! JUMPのメンバーとしての活動を重視したい、グループを成長させたいという思いがあった。
しかし、その思いのためにもソロを成功させてグループの活動や人気に還元するべきだと背中を押したのがJUMPのメンバーたちだった。
◆「JUMPが大切」ブレない山田涼介が目指す先
そして時が流れ、7月25日の東京ドーム公演の初日に行われた囲み取材で、5大ドームツアーを目標にかかげながら、山田はこう言った。
「まずはそこはJUMPで行きたい」
ことあるごとに「JUMPが大切」と語り続ける山田の思いは、やっぱりブレはなかった。
「やっぱり自分でまず行くのは違うと思うので、そこはハッキリさせておきたいです」
山田涼介個人よりも、どこまでもHey! Say! JUMPとして。我欲感じさせず。そして、自身の人生の「最高到達点」としながらも、自分自身にかける言葉として、「満足するなよ」と言った。
「自分が目指す側じゃなくて、目標にされる側の背中をちゃんと見せられる先輩でいたいなと思うし、アイドルでいたいなと思います」
自分に求められることをすべて受け止め、こたえられるように努力し続ける。
100点満点と思わず99点として、1%の余力や伸び代を常に残していきたいとも語っていた。
この先も自発光、期待する思いがある限り永遠のアイドルであり続ける。これが、山田涼介だ。
<文・太田サトル>
【太田サトル】
ライター・編集・インタビュアー・アイドルウォッチャー(男女とも)。ウェブや雑誌などでエンタメ系記事やインタビューなどを主に執筆。