サミ・パヤリ(トヨタGRヤリス・ラリー1) 2026年WRC第10戦ラリー・フィンランド 8月2日(日)、フィンランドのユヴァスキュラで開催された2026年WRC世界ラリー選手権第10戦『ラリー・フィンランド』の最終日デイ4が行われ、TGR-WRT2のサミ・パヤリ/マルコ・サルミネン組(トヨタGRヤリス・ラリー1)が総合優勝を飾った。前戦ラリー・エストニアに続く2連勝となり、フィンランド人ドライバーによるWRC通算200勝という歴史的な金字塔も同時に打ち立てた。
TOYOTA GAZOO Racingワールドラリーチーム(TGR-WRT)のオリバー・ソルベルグ(トヨタGRヤリス・ラリー1)が総合2位、エルフィン・エバンス(トヨタGRヤリス・ラリー1)が総合3位に続き、TGR-WRTが昨年大会に続く表彰台独占を達成した。一方、日本の勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1)は最終SS20でコースオフを喫し、総合6位でフィニッシュした。
デイ4は、サービスパーク南西エリアを起点とする今大会最長の30.02kmステージ『Himos-Jämsä』を、ミッドデイサービスなしでSS19とSS20の2回走行するタフな構成だった。最終SSのSS20はトップ5のドライバーとマニュファクチャラーに選手権ボーナスポイントが与えられるパワーステージに設定。夏の北欧らしい爽やかな晴天のもと、路面はドライコンディションに恵まれ、最終日に相応しい舞台が整った。
前戦から続く好調を背景に、デイ3終了時点でソルベルグに46.4秒、エバンスに1分36秒3という大きなリードを抱えて最終日に臨んだパヤリは、1本目のSS19でリスクを最小限に抑えた走りを選択した。全体ベストタイムはソルベルグが刻み、エバンスが2番手、勝田が3番手タイムを記録。パヤリは4番手タイムでまとめ、ソルベルグとの差は36.4秒へと縮まったが、依然として盤石のリードを維持したまま最後のパワーステージへと向かった。
パワーステージのSS20は、1走目から完全にスイープされた超高グリップのドライ路面のもと、各選手の気迫のアタックが展開された。このステージで主役を演じたのはエバンスとソルベルグだ。両者はともに13分22秒2という全く同一のタイムを刻む驚異的なシンクロを演じ、1000分の1秒単位の精密計測でエバンスがわずか0.025秒上回りパワーステージ最速タイムを手にした。フルモーが3番手、ヌービルが4番手に続き、パヤリは5番手タイムで確実に走り切った。
勝田は終盤の10km手前でコースオフし、コース脇の立ち木に激突。クルマに大きなダメージを負い、セーフティモードで1速の低速走行を強いられた。何とかフィニッシュラインを越えたものの、トップから1分36秒以上の遅れをとる結果となり、総合5番手からヌービルに逆転されて6番手へと転落した。
なお、デイ3中盤にラリーをリードしながら激しいコースオフを喫したセバスチャン・オジエとジュリアン・イングラシアは、大きな怪我はなく経過観察のため一夜を病院で過ごした後、日曜日の朝に無事退院し帰宅の途につき一安心となった。
今大会の結果を受け、ドライバーズ選手権でエバンスはパワーステージ最速を含む計24ポイントを獲得した。首位は変わらず、2位パヤリとのリードは30ポイントへと拡大している。 パヤリの今大会の獲得ポイントは計27ポイント。優勝の25ポイントに加え、スーパーサンデーとパワーステージの各ボーナスも手にした。選手権は3位から2位へと浮上している。
ソルベルグは計26ポイントを積み上げ、選手権4位のポジションは変わらずだ。勝田はアクシデントの影響で8ポイントにとどまった。選手権は2位から3位へと後退している。
各ドライバーの獲得ポイントが確定し、マニュファクチャラーズ選手権でもTGR-WRTはヒョンデに対するリードを174ポイントへと拡大した。次戦第11戦パラグアイでは早くもタイトル確定のチャンスを迎える。
チーム代表代行のユハ・カンクネンは今大会を振り返り「我々のホームイベントで、今年もポディウムの全ての段に自分たちのクルーを送り込めたことを嬉しく思うよ。このラリーを40年以上見てきたけど、これほど多くのハプニングがあったのは初めてかもしれないね」と語った。
激闘の舞台を振り返り、カンクネンはさらに続けた。「ファンにとっては見どころ満載のラリーだったと思うよ」と大会全体の手応えを語り、「我々にとってもハラハラする場面が何度もあったけど、最終的には良い結果になった」と安堵の色を見せた。
チームの若手選手への評価も惜しまなかった。「サミ(パヤリ)は今回も素晴らしい走りを見せてくれた。ラリー・フィンランドでまたフィンランド人のウィナーが生まれたことを誇りに思うよ」とパヤリをたたえ、「オリバー(ソルベルグ)とエルフィン(エバンス)も非常に速く、多くのポイントを獲得できた」と付け加えた。
最後に今大会でアクシデントに見舞われたオジエへ「セブとジュリアンが無事に帰宅できたことは本当に良かったよ。一日も早い回復を願っている」と締めくくった。
[オートスポーツweb 2026年08月03日]