
セレッソ大阪で異彩を放つ2人のMF、香川真司(37)と横山夢樹(20)。かつて小学生時代にテレビ企画で共演した幼少期の接点を経て、今や同じピッチで汗を流すチームメートとなった。若きアタッカーとして成長を続ける横山に対し、世界を知る香川はどのような視線を送っているのか。ピッチ内での「プレー論」から、ピッチ外でのフレンドリーな距離感、そして代表活動に向けたエールまで。時を超えて交差する、2人の言葉に迫る。
【写真をみる】温泉、カフェ、既読無視? 先輩・後輩を超えた2人の関係
幼少期のテレビ共演から始まった特別な縁小学生の頃、代表戦やワールドカップで香川のプレーを見ていたという横山。しかし、香川からはさっそく愛のあるツッコミが入る。
−−横山選手にとって、香川選手は憧れていた選手?
横山:ワールドカップとか親善試合とか、小学生の頃に見ていました。練習が終わってからの楽しみだったので。真司さんが活躍しているのを見て本当にすごいなと思って。
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香川: 「憧れの選手」とは聞いてなくて、「よく見てました」という話はされた。世代も離れているし、そう言う割に記憶が曖昧だから「ほんまに見てたか?」ってよく話すんですよ。憧れじゃないよな、普通に見ていただけやな(笑)。
横山: いや、俺以外にもみんなが憧れてましたよ!
香川: ネイマールて言ってたやんな?
横山: まあ、ネイマールが…(笑)。
香川:言葉が良くないな、「憧れてた」って。見てただけやな。
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横山:いや、好きな選手でした!
−−小学校の頃、テレビの企画で共演されたそうですが、香川選手は覚えていますか?
香川: 撮影をしたのは覚えていますけど、そのときの子が夢樹だったというのは、夢樹がプロに入って写真を見せてもらって初めて知りました。
「テレビで見るより守備をする」憧れの存在と同じピッチに立つようになった横山。実際に間近で香川のプレーを体験することで、テレビ越しでは分からなかった新たな気づきがあったという。
横山: 毎回の練習で本当にすごいと感じます。自分は簡単なミスもありますが、真司さんはほとんどミスがない。テレビで見ていた時はあまりスライディングをする印象がなかったのですが、実際はすごく守備もしていて驚きました。
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香川: スライディングは褒めてくれてる?(笑)
横山: いえ、全部です!
香川: 昔撮影で一緒だった小学生がプロになって同じチームにいるのは、すごく感慨深いものがあります。だからこそ、自分の夢や目標を達成して欲しいです。
「常に考えろ」受け継がれるアドバイス日々、自ら香川のもとへ助言を求めに行くという横山。世界を経験してきたレジェンドからの言葉が、横山のプレー精度を劇的に変えていく。
−−横山選手から見て、香川選手はどんな先輩ですか?
香川: これ大事やな。
横山: やっぱり偉大な先輩です。経歴もそうですし。セレッソの先輩の全選手にリスペクトがありますけど、真司さんは特別。
−−参考になる部分や、アドバイスをもらうことはありますか?
横山: 日々自分から「こういう時どうするんですか」と聞きに行っています。世界を目指す上でも、本当にすごい先輩だなと改めて思います。
香川: プレーのことは積極的に聞きに来てくれますね。ただ僕の考えを強制したくはないし、本人の感覚や個性を否定したくはない。考えることがなにより大事だと思うので。ひとつのヒントになればと思って自分の経験から伝えられるものは伝えたいなと思います。それを素直に聴く耳を持っている選手なので、参考になればいいなと。
−−香川選手からのアドバイスで最も覚えていることは?
横山: 「常に考えてプレーした方がいい」と言われて。ワイドなポジションだったんですけど、自分で考えて、そこだけでは点が取れないと思って。左や右に移るようになって、ファジアーノ戦(5月24日 明治安田J1百年構想リーグ)でのゴールにも繋がりました。セレッソ加入前より、考える回数がすごく増えました。
温泉、カフェ、既読無視? 先輩・後輩を超えた関係性ピッチを離れれば、時に温泉やカフェへ一緒に出かける間柄。コミュニケーションの多さが、2人の良好な師弟関係を支えている。
−−プライベートでの関係性はいかがですか?
横山: カフェや温泉に連れて行ってくれて、優しいです。
香川: たまにお風呂に行きますね。僕は平日のルーティンじゃないですけど、ご飯を食べてお風呂にいくことが多いのでたまに誘います。でもあんまり行きたくない時は(メッセージを)無視してきますからね。いわゆる既読無視ってやつ(笑)。
横山: いや、(無視)してないです!真司さんと一緒にいられるのは当たり前じゃないので、そこはぜひ。温泉とか行きたいですね(笑)。
−−香川選手にとって横山選手はどんな後輩ですか?
香川: すごく純粋で「サッカーが上手くなりたい」という気持ちを持った選手です。20歳前後の一番成長する時期なので、その気持ちを忘れずに頑張ってほしいですね。
Jリーグでも珍しい「抜き切る力」若き才能の強みと今後の課題について、香川は技術的な観点から具体的に分析する。その高い評価は、横山自身のモチベーションにも繋がっている。
−−香川選手から見た、横山選手の強みは何ですか?
香川: ドリブルで「抜き切る力」ですね。Jリーグでもなかなかいない。あとはどこでその力を発揮するか、どこで味方を使うかといった判断が良くなれば、もっと数字(結果)を残せる選手になれると思います。
横山: 自分の武器を評価してもらえて嬉しいです。そこを伸ばしつつ、パスやワンツーで入っていくなど、周りを使った判断の質ももっと高めていきたいです。
「自分が一番だ」という気持ちを持って挑め9月に愛知・名古屋で開催されるアジア大会に出場する、U-21日本代表メンバーに選出されている横山。日本代表の主力として世界と戦い続けてきた香川から、これからの成長に向けた力強い期待とエールが送られた。
−−代表活動も含め、今後の成長に何を期待しますか?
香川: この年代は伸びしろをものすごく持っている年代。ライバルや同世代と競争しながら「自分が一番だ」という強い気持ちを持って、代表でもやってほしいです。
横山: 代表としてサポーターの方々に自分の名前を知ってもらいたいですし、アジアで優勝できるよう練習からしっかり取り組んでいきます。
香川からの「常に考えてプレーしろ」というアドバイスを糧に成長を続ける横山は、8日に行われたJ1開幕戦のファジアーノ岡山戦でさっそく大きな結果を残してみせる。前半24分、憧れの香川からのアシストを受けて奪った価値ある一発は、横山にとって嬉しいJ1リーグ戦初ゴールとなった。試合も2-1で勝利し、最高の形でスタートを切っている。
9月16日に初戦の香港戦を迎えるアジア大会。世界を知るレジェンドから受け取った言葉と確かな実績を携えて、横山はピッチで自らの価値を証明しにいく。
◆アジア大会日本代表 日程
【グループA 】
9月16日(水)
タイ vs キルギス(豊田スタジアム)
日本 vs 香港(豊田スタジアム)
9月20日(日)
香港 vs タイ(豊田スタジアム) キルギス vs 日本(豊田スタジアム)
9月23日(水・祝)
日本 vs タイ(豊田スタジアム)
キルギス vs 香港(ウェーブスタジアム刈谷)
