2026年NTTインディカー・シリーズ第14戦 マーカス・エリクソン(アンドレッティ・グローバル) 8月16日(日)、カナダ・オンタリオ州マーカムの市街地コースにて、2026年NTTインディカー・シリーズ第14戦の決勝が行われ、アンドレッティ・グローバルのマーカス・エリクソンが優勝を飾った。
今回のインディカーの舞台は初開催となるマーカムの市街地コース(3.52km)。2度のプラクティス後に行われた予選は、若手ルイス・フォスター(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)がポールポジションを獲得。2番手にはクリスチャン・ルンガー(アロウ・マクラーレン)、3番手にはスコット・マクラフラン(チーム・ペンスキー)がつけた。
迎えた決勝レースは、曇り空のもと気温23度、路面温度36度と涼しめなコンディションでスタートが切られた。各車は慎重な動き出しを見せ、小さな接触はありつつも大きな混乱は起こらず。フォスターが首位を守り、ルンガー、マクラフラン、マーカス・エリクソン(アンドレッティ・グローバル)と続く。
15周目にルーキーのミック・シューマッハー(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)がターン4で単独クラッシュ。ブレーキングミスからか、フロントからウォールにヒットし、1回目のフルコースコーション(セーフティカー/SC)が導入された。ここで2番手ルンガーをはじめ、後方でロマン・グロージャン(デイル・コイン・レーシング)やノーラン・シーゲル(アロウ・マクラーレン)らがピットインしてライバルと異なる戦略を選択した。
19周目からレースはリスタート。トップ3はそのままのオーダーでペースを上げていったが、中団では7番手アレックス・パロウ(チップ・ガナッシ・レーシング)がデイビッド・マルーカス(チーム・ペンスキー)をオーバーテイク。さらにルーキーながらも4番手につけていたデニス・ハウガー(デイル・コイン・レーシング)がヘアピンでラインを外してしまい後退。スコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)が4番手、パロウは5番手まで順位を上げた。
フューエルウインドウが近づく27周目、まずはパロウが1回目のピットインし、ソフト寄りのオルタネートタイヤの新品に交換。さらに29周目には2番手マクラフランが、31周目には2番手に上がったマーカス・エリクソン(アンドレッティ・グローバル)がピットイン。続々と各車1回目のピット作業が進む中、ヘアピンでマーカス・アームストロング(メイヤー・シャンク・レーシング)がスティング・レイ・ロブ(フンコス・ホーリンガー・レーシング)と接触しスピン。エンジンが止まってしまい、2回目のSC導入となった。
34周目にピットレーンがオープン。1回目のピットに入っていないマシン達がトップのフォスターを先頭に続々とピット作業へ向かった。フォスターはハード寄りのプライマリータイヤへの交換を行い、11番手でコースに復帰した。代わりに、1回目のSC時にピットインしていた3ストップ組のシーゲル、グロージャンが隊列の前につき、3番手には2ストップ組のエリクソンが続いた。
レースは36周目から再開。しかしグリーンフラッグも束の間、ディクソンが単独スピンし、クリスチャン・ラスムッセン(エド・カーペンター・レーシング)の行く手を阻む形となってヒット。ディクソンはふたたび走り出したものの、ラスムッセンはフロントサスペンションが破損してしまい、3回目のSC導入となった。
41周目にレース再開。直後から熾烈なポジション争いが展開され、グロージャンがシーゲルの前に出てホールショット、7番手フォスターは一気に4番手までポジションを上げ、後方ではパロウはラインを外してしまい6番手から9番手までダウンしてしまった。
その後も各所でポジション争いが続く展開となったが、勢いに乗るフォスターが3番手エリクソンのインに飛び込んだものの、コーナーを曲がり切れずにウォールにクラッシュ。ポールシッターが戦列を離れることとなった。これで4回目のSCが導入、ピットオープンで2番手シーゲルがピットに入り、トップはグロージャン、2番手エリクソン、3番手ウィル・パワー(アンドレッティ・グローバル)というオーダーに変わって、レース折り返しの51周目に再開された。
54周目にトップのグロージャンがピットイン。この間、3番手のカイル・カークウッド(アンドレッティ・グローバル)が痛恨の単独クラッシュ。選手権リーダーであるパロウとのギャップを縮めるチャンスを手にすることができず、ここでリタイヤとなった。これで5回目のSC導入が宣言。
首位エリクソンや2番手パワーを含む多くのドライバーがピットインし、ルーティン作業を実施。59周目レース再開時のトップ3はエリクソン、パワー、ルンガーという顔ぶれに変わった。
再開直後、またもヘアピンで波乱が起こる。今度はジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)とシーゲルが接触しストップ。すぐに6度目のSC導入となり、このSCで2番手パワーや3番手ルンガーらはラストピットへ。フューエルウインドウを考えると、5度目のSC時にピットインしていたドライバーにとっては終盤にスプラッシュが必要なラップ状況だったが、首位エリクソンはスルーを選択し先頭のトラックポジションを確保した。
レースは62周目から再開し、トップのエリクソンはクリーンエアで猛プッシュを開始した。2番手グロージャン以降、マクラフラン、マルーカス、リナス・ヴィーケイ(フンコス・ホーリンガー・レーシング)、パロウらは燃費走行が必要なため、終盤はペース配分がきっぱり分かれる展開となった。エリクソンはラップを重ねる毎にギャップを築いて、69周目には約14.8秒のリードでラストピットへ向かった。
スプラッシュを経たエリクソンは6番手でコースに復帰。僚友パワーにポジションを譲って7番手にダウンしたものの、ヴィーケイがピットインして6番手に復帰、ここからラストスパートをかけていった。まずはマルーカスとマクラフランのペンスキー勢を攻略し4番手へ。さらに残り10周目には僚友パワーのインをこじ開けて3番手を奪取した。
残り7周、キレた走りを見せるエリクソンはそのままの勢いで2番手パロウをパス。残り5周でグロージャンに追いつくと、元F1ドライバーのふたりは1ラップにわたるテール・トゥ・ノーズのバトルを演じ、エリクソンがオーバーテイクを決めてトップに立った。
燃費・タイヤともに有利なエリクソンは、そのまま7.5305秒のギャップを築きトップチェッカー。キャリア通算5勝目を記録した。2位グロージャン、3位パワーという表彰台となった。ランキングトップのパロウは84周目にパワーに抜かれて4位フィニッシュ。選手権2位のカークウッドがリタイヤした事もあり、ポイント差を133まで広げた。
2026年インディカー次戦は、アメリカの首都、ワシントンD.C.の市街地コースで8月22日〜23日に行われる予定だ。
[オートスポーツweb 2026年08月18日]