
【写真】舞台『龍が如く』-神室町八犬伝- メインビジュアル
◆オリジナルストーリーの中で生まれる錦の心の動きや感情の変化を見せたい
――元々『龍が如く』シリーズがお好きとのこと。舞台への出演が決まった際はいかがでしたか。
里中:もし『龍が如く』シリーズの舞台化があったら、絶対に出たいなと思っていたし、演じるとしたら錦山彰を演じたいと思っていました。なので、出演が決まってすごくうれしかったです。
――原作を好きだからこそ、自分が演じることへのプレッシャーもありましたか。
里中:プレッシャーもありますけど、それよりもうれしさのほうが強くて。舞台だからこその熱さや男らしさ、かっこよさを感じてもらえる作品を届けてやる、という気持ちのほうが不安よりも強いですね。
――ゲームはどのタイミングで、どのタイトルから触れたんですか?
里中:学生時代に、シリーズ1作目の『龍が如く』を買ってやっていましたね。桐生一馬の見た目が、ちょっと当時の親父に似ていて(笑)。そこに不思議な親近感も感じながら、プレイしていました。シリーズ全部は追えていないんですが、桐生や錦山、真島吾朗が出てくる、初期のタイトルをやっていた感じですね。
――本作は「キャラクター総選挙」の上位10キャラクターが集結する作品です。原作ファンの里中さんの選ぶTOP3のキャラクターは?
里中:え〜むずかしい……! 桐生も好きなんですけど、真島も好きなんですよね。冴島大河の男らしさもいいし。順位は決められないですけど、3人を挙げるなら真島、錦山、冴島ですね。
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里中:熱さもあるんですが、弱いところもある。隣にいるのが桐生なので、その隣で葛藤しながら苦しんで……悲しい人生ですけど、すごく人間味を感じます。桐生に対しても、一言では表せないくらい深い思いを抱えていると思うので、そういうところも踏まえて、人間らしくていいなと。
――今回は舞台オリジナルストーリーです。その中で、錦山という役にどうアプローチしていますか。
里中:原作の錦(錦山)らしさや、桐生への思い。そういうものは大事にしつつ、この舞台オリジナルストーリーの中で生まれる錦の心の動きや感情の変化は、この舞台でしか見せられないものだと思うので、そういった錦の姿を見せられたらいいなと感じています。
――役作りの軸は、どんなところに重きを置いていますか。
里中:もちろんキャラクターとしてビジュアルが似ているかどうかも大事だと思うんですが、やっぱり、錦の心ですかね。舞台となる架空の神室町という世界にいて、彼はどこを目指して進んでいるのか、というところが自分の中で一番大事だなと思っています。いやぁこれはぜひ何回も観てほしいですね。錦だけじゃなく、キャラクターごとの心の動きが垣間見えて、観れば観るほど「あのシーンではこう思ってたんだ、だけど……」といろいろつながっていくと思うので。
◆“こういう世界線が存在しても面白いな”と楽しんでもらえる作品になる
――米山和仁さんが書かれた脚本を読んで、原作のエッセンスを感じる部分はありましたか。
里中:ありましたね〜。原作ファンの方に「おおっ!」と喜んでもらえる熱いところがたくさん散りばめられているんですよ。キャラクターを知っている方は、かなりテンションが上がるんじゃないかな。
――里中さん的にテンションが上がったところは?
里中:本当は後半の展開が……って言いたいんですけど、ネタバレになっちゃうな(苦笑)。でも、この顔ぶれが共闘するのもそうですし、ゲームに出てくるようなアクションシーンもあって。その場に落ちている武器でどう戦うかとか、街中の物を拾って戦うみたいな、『龍が如く』らしい醍醐味もちゃんとあるんですよ。まさに「これ、『龍が如く』やな」と、原作ファンの方は絶対に沸くんじゃないかな。
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――取材時点で、本番まで2週間を切っています。現時点での手応えは。
里中:もう確実に面白いものになるし、今までに観たことがない舞台になりそうだなと。しかも、シリーズを越えたキャラクターたちの夢の競演ですからね。「こういう世界線が存在しても面白いな」というものの一つとして、お客さんに楽しんでもらえる作品になるな、という自信はあります。
――稽古についてもお聞かせください。演出の西田大輔さんとは、どんなお話をされていますか。
里中:キャラクター像に関しては、自分が思うようにやらせてもらっています。西田さんとは「舞台としてどう見せるか」「どう見せたらかっこいいか」というところを中心に、やりとりをさせてもらっています。西田さんの言っていることもすごく理解できるし、共感できるからこそ、一緒にいいものを作れるなという気持ちでやっていますね。
西田さんの演出も皆さん予想できないと思います。本当にびっくりするし、笑ってまうような面白いところもあるし。それは米山さんの脚本がそうなっている部分もあるんですけど、西田さんならではの今までに体験したことのない演出の部分も大きくて。自分自身も「こういう見せ方があるんやな」と学びながらやらせていただいています。
――稽古を経て、錦山を演じるうえで新しく見えた部分はありますか。
里中:錦は舞台でも、やっぱりずっと葛藤しているというか。この世界に生きながらも、自分の中で覚悟を決めてきてはいるんですけど、みんなと関わることによって心が動く部分があって。錦ってすごく繊細な人だなと思うんです。桐生をずっと隣で見てきたからこそ、比べてしまうところがあるはずで。そこは原作でも感じた部分で、稽古をやってみて、改めてそういう「錦の人の部分」を大事にしたいなと感じています。
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――稽古場の雰囲気はいかがですか。
里中:めちゃくちゃ爽快ですよ。こんなに男が揃って、みんな「わーっ」て言いながらやってる。めっちゃ熱いし、みんなの作品をよくしようという気持ちを身に染みて感じます。お互いにアドバイスし合って、みんなで高め合って、同じ方向を向いてやれているので、そこが一番僕にとってもうれしいことで。最後まで、もっとみんなで協力し合って届けたいなと思っています。
――錦山といえば、桐生一馬との深い絆が象徴的な人物です。桐生役の宇野結也さんとは初共演とのことですが、桐生とのやりとりはいかがですか。
里中:結局、錦は桐生が好きなんですよね。なんやかんや言うても。この世界でまた桐生と共にいられるというのは、錦にとっては欲しかった時間だし。それを感じながら、でも葛藤しながら、どう動いていくのか、という。錦として、桐生のそばにいたくて仕方ない、というのはすごく感じていますね。
宇野くんとは話し合いもしていますし、宇野くんも(芝居を)感じ取ってくれる方なので、僕も宇野くんの芝居と呼吸を合わせつつ、いい感じにコンビとしてやれているんじゃないかなと。
――舞台で『龍が如く』に初めて触れるという方に、楽しむためのポイントがあれば教えてください。
里中:原作やキャラクターのことを全然知らなくても、見応えあるアクションとテンポのいい展開で、あっという間の約2時間だと思います。逆に、舞台を先に観た後にゲームをやったら「うわ、えぐ」「なるほどね、そういうことか」となると思うので。そうしたら、また舞台が観たくなると思います。知ってから見ても、見てから知っても、どっちでも楽しめますね。
――錦山の注目してほしいポイントも教えてください。
里中:アクションや立ち回りも、もちろん見応えがあるので注目してほしいですけど、やっぱり繊細な心の動きですね。舞台の中で錦山がちゃんと生きている、ということをお客様にもしっかり感じてもらいたいです。
――例えば2回目に観たとき、序盤のちょっとした仕草や視線が、伏線になっているということも?
里中:あるかもしれない(ニヤリ)。最後まで観てもらったうえで、もう一度観てもらうと、「この時に錦はこう思ってたんかもな」という風に、錦の気持ちがどんどん分かってくるかもしれないですね。といっても、人間って物事に対面したときに感じるのは、一つの感情だけじゃないじゃないですか。だから、桐生と共闘しているのがうれしい、桐生に会えてよかった、でも錦なりの目的や思いもあるし……と、目線一つにもいろんな感情を込めているので、それを感じてもらえたらうれしいです。
――最後に、公演を楽しみにしているファンの皆さまへメッセージをお願いします。
里中:応援してくれるファンの皆さんも、原作ファンの方たちにも、男女問わず「舞台の『龍が如く』、マジでかっこよかった」「熱くて面白くて、また観たい」と思ってもらえるように、精一杯、みんなで力を合わせて作品をお届けします。ぜひ楽しみにしていてください。
(取材・文:双海しお)
舞台『龍が如く』-神室町八犬伝- は、8月21日〜30日東京・シアターHにて上演。

